子供たちは今年をどんな風に記憶するんだろう。

小学校6年生の息子、最後の運動会。なんとかお天気は持ってくれそうです。
たくさんの行事がなくなったり、変更になってしまった今年の6年生たちは、今どんな気持ちでいるんだろう。ふとそんなことを思って、夕飯時息子に聞いてみました。

今年さ、運動会の時間が短くなっちゃったじゃない?
6年生は何やるんだっけ。

「100M走とソーラン節。3週間前から踊りの練習が始まって、筋肉痛だ〜ってママに話してたでしょ。ここ1週間は毎日練習してる。」

筋肉痛って言ってたね。何人くらいで踊るんだっけ。

「5、6年生が一緒にやるから全部で、う〜ん160人くらいかな。青い半被を着て踊るんだよ。結構いい感じになってきた。でも、まだ筋肉痛。」

修学旅行もなくなっちゃったし、運動会も種目が減って小さくやることになったけど、みんなどんな感じ?

「そんなにがっかりもしてないし、練習はみんなわりとちゃんとやってる。」

今年は、お弁当をみんなで食べる時間もなくなっちゃったね。あ、明日の朝ごはん何食べたい?

「エビチリ!」

息子がソーラン節を学校で練習していた3週間。近隣の中学校では、学校説明会が開かれていました。来年中学に上がる息子。どの学校に行くか、決めなければいけない日が迫っていました。

家から一番近所で、学区内の中学校の吹奏楽部にはドラムがある。ずっとドラムの教室に通っている息子が、中学校で楽しみにしていた部活。ほぼ迷わず、一番近い中学に通うと決めていました。

学校見学が始まって、仲良しの友達が通う予定の、別の中学にも一緒に見学に行ってみることになりました。学校説明会の日は土砂降りの雨で、普段なら「家で待ってよっかな〜」という場面でも、珍しく「一緒に行く」ということに。自分が通う学校はここと思っていても、せっかくだから他の学校も見てみてみたいという気持ちになったようです。

息子が通う予定ではなかった中学校は、自宅から少し離れています。ここに通学するとしたら、バスを利用しなければいけない。私は、1時間半かけて学校に通うという生活を小中高としてきたので、バスと徒歩で30分くらいの通学路は近い近いと思ってしまうのですが。今まで徒歩のみ10分という通学路が当たり前だった息子にとっては、別の話のようです。

校舎に入ると英語で書かれたチラシがたくさん貼られている。
公立だけれど英語教育重点校になっている中学校。外国人の先生とも、何人かすれ違いました。

「こんにちはー!」「こんにちは〜!」黒いジャージ姿の女の子たちが、気持ちのいい挨拶をしてくれる。
下駄箱の向こうでは、制服姿の男の子がパールのスネアを運んでいて、このスペースでは後ほど吹奏楽部の演奏が行われるようです。

学校説明会の開かれる体育館で友達と合流して、すぐに説明会が始まりました。
まずは吹奏楽部の演奏からスタート。

テン・テテ・テン・テテ・テン・テテ・テン・テテ♪

子どもたちが顔を見合わせてざわざわする。
「これ、テトリスじゃね?」
マリンバで軽快に始まった音楽は、ロシア民謡のトロイカ。
最近またブーム再来なのか、よく子どもたちが集まってやっているテトリスのBGM。学校説明会というちょっと慣れない場所で緊張していた子どもたちも、聴き慣れた「テン・テテ・テン」のおかげで、一気にほぐれた様子。

次に演奏されたのは、ちょうど映画も公開されたばかりの「鬼滅の刃」の主題歌『紅蓮華』。よく知っている音楽が続いたおかげで、さらに心がほぐれた様子の子どもたち。

一通り説明会が終わって、みんなでお茶。学校の印象が思ったより良かったことで。もともと行こうと決めていた中学校も、もう一度見学して最終的にどちらに行くか決めなきゃね、と話をして、その日は解散しました。

運動会が差し迫った今週。元々行く予定にしていた自宅近くの中学校を見学。仲良しの友達たちが、息子のために見学につきあってくれました。息子が中学校を決定する一番の決め手は「吹奏楽部」があること。どちらの学校にも吹奏楽部はある。条件はどちらもクリアしている。

前回見学した学校はコンテストにも入賞している強豪校。元々通うことを決めていた学校の吹奏楽部は、練習は毎日あるけれど、どちらかというと和気あいあいと楽しく部活動が行われているよう。友達と離れるのも嫌だけれど、息子が学校選択に揺れる理由。元々行こうと思っていた中学の吹奏楽部は、担当したいパートであるドラムが目立つらしい。

仲の良い友達二人は、先日の学校見学での印象が良かったこともあって、最初に見学をした学校に心を決めた模様。通学に少し時間はかかるけれど、仲のいい友達と一緒の学校を選ぶのか、元々通おうと思っていた学校を選ぶのか。どうするんだろうなぁ、と静かに見ていました。

見学に行った日。吹奏楽部は、体調を崩していた子どもたちが多かったようで。合奏ではなく自主練習をしているので、自由に見てくださいと顧問の先生が案内をしてくださる。新しい校舎はきれいで木の匂いがする。雰囲気も明るい。吹奏楽部の先輩たちが息子たちに、話かけている。「うちの学校の吹奏楽部、すごく楽しいよ」と入学、入部をすすめてくれている模様。

目立つと聞いていたドラム。
もう今日は練習終わり、と帰る準備をしていたドラム担当の先輩を、別の部員さんたちがわざわざ呼んできてくれて、息子たちの前で演奏してくれました。ズッ、タン。ズッ、タン。ズズ、タン。ズズズ、タン。おおお、かっこいい。そんな先輩の姿を見て、無言・直立不動の6年生たち。小学生とか中学生の時って、年の近い先輩がめちゃくちゃカッコよく見えたよなぁ〜。

「ありがとうございましたー!」

見学を終えて、子どもたちと会議。希望の中学校を申請する書類を区の教育委員会に提出する期限が迫っていたので、もうそろそろ決定をしてもらわねばならない。ゆっくり待ってあげたいけれど、今日決まると母は嬉しいなぁ。

「英語で授業聞くのはいやだけど、美術部があるのは前に見学した学校だけだから私は○○中学に行く」(美術部に入部を決めている女の子)
「今日見たプールきれいだったなぁ。あっち、水泳部がないんだよね。でも英語できるようになるみたいだからなぁ。」(息子が0歳から一緒の幼なじみの男の子)
「さっきの先輩。ドラム、めちゃくちゃうまかったなー。でもなー。どうしようかなー。」(息子)

ゲームをしながら、中学校をどうするか会議も同時進行。30分ほど経って、結論が出たようで。
3人とも最初に見学した学校に行くことを決めた。(母同士も仲がいいので、私は内心ほっとしていました。子どもの選択を尊重!と思いつつ、ちょっぴり祈るような気持ちで行末を見守っていた、ははは。)

思えば、これが息子の一番最初の自主的な選択になるんじゃないか。こうしたいと決断できたこと、いいね。いいよ。すごく。
きっと「自分で選んだ」ものの先には、面白い未来が待ってるはず。

最後の運動会のソーラン節を練習しながら、自分の未来を自分で決めたこの3週間。なんとも特別な1年になってしまった、2020年ですが。息子が大人になって思い返した時に、何を思い出すんだろう。こうやって、みんなで話しあって学校を選んだことも思い出すんでしょうか。

朝ごはんにはそぐわなそうな、大好物のエビチリ丼をがっつり食べて、息子は運動会に出発しました。じゃ、あとでねー!