This is 元の木阿弥.

おはこんばんちわ。
飯塚です。

ニュース等でご存知かもしれませんが、ヨーロッパはコロナの話題しかないくらいこの数週間でどこもまたロックダウンや規制を強化しています。

アイルランドもこの例に漏れずこの月曜に政府から一番厳しいロックダウンのレベル5とアナウンスがありました。

家に人を招待してはいけない、ハウスパーティ禁止(罰金)、5kmを超えての外出は基本的に禁止、などが今回の規制の特徴です(スーパーなどの買い物は行っても良い)。

今、こちらはニュースも新聞もエンドレスでコロナコロナコロナ。。。
これ以外でもUKのブリグジット問題(長年に渡って延々とやってる上に恐ろしいほど進展がない)、アメリカ大統領選挙(4年に一度のはずなのに気分的には永遠にやっているようだ)ばかりで、実は毎日同じニュース映像を再生しているんじゃないかという疑念まで起きます。
週一回買っている新聞も、読む気が失せる今日この頃。

私自身、このブログではコロナの話題には触れたくないほど嫌気もさしているのですが、日本と色々違いもあるでしょうし今日だけはアイルランド事情を書いてみます。

年末繁忙期前だったのに…。

遡ると、2月の横浜港でのダイヤモンドプリンセス号の頃にはアイリッシュは対岸の火事だと思ってましたし、こちらまで感染の恐怖に晒されることは予測できていませんでした。
恥ずかしながら私もその一人です。

風向きが変わったのはイタリア北部での惨状。
あの映像や数字はヨーロッパを震撼させ、アイルランド政府は3月中旬に突如ロックダウンしたのでした。

当時の首相は医者の一家で彼自身も元ドクターということもあり、医療崩壊を起こさないためにアイルランドはかなり慎重また厳重にロックダウンしました。
学校も早々と閉鎖し、他ヨーロッパ諸国が次々と経済や学校を再開している中でも及び腰でした。

数字が落ち着いてきた5月下旬からは徐々にロックダウンが緩和され始め、8月末には学校も開始。
9月からはパブも再開したのですが、結果的に毎日感染者数が激増し、再度段階的にロックダウンが厳しくしても効果なし。

というわけで一気に全土で段階上げてしかも6週間。

せっかく開店したパブはまた閉店を余儀なくされます。
レストランも営業は持ち帰りのみ。
スーパーやドラッグストア、ガソリンスタンド以外の店も閉店。

実は今週で学校は一旦終わり、来週はハロウィン休暇です。
政府は休暇を狙って国民に釘を刺した感あり。
それは前回のセントパトリックスディ直前のロックダウンを彷彿とさせるタイミング。

例年、アイルランド人はクリスマスショッピングに命かけていると言っても過言ではないほど11月から12月にお金を使います。
玩具屋、本屋、デパート、服屋などは一年の大切な掻き入れ時に6週間も閉店を強いられることに。
こうなるとネットショッピングやAmazonに注文が殺到して、小売店は閉店、倒産するという悪循環。
ロックダウンが解除されたところで、シティは更にシャッターの空き店舗が増えそうです。

レストラン産業が壊滅的な昨今、最近の週末はフィッシュ&チップスの屋台トレイラーが至る所に出没。実は我が家も最近月に1回くらい食べます。これはアンコウのフライ。高級魚なので若干割高。

国民性が感染の原因なのかも。

ヨーロッパもアメリカも収束の気配がまるでない中、新聞の一部のコラムやラジオなどは台湾、韓国、香港、日本の死亡者数の少なさからアジア諸国のコロナ対策を参考にするべきではないかと論じられたりもしています。

何かで目にしたのですが、日本は政府の対策にも関わらず、規制が無くとも国民が自ら順守しているから感染が広がらない、という話は納得できます。

日本人独特の同調圧力や他人の目を気にする、他人に迷惑をかけないように幼少時から教育されていることは、人によっては窮屈な価値観ともなりうるし、欧米的な観点からはそれだけが正解とは言いがたい。

ですが、コロナ対策においてはこれこそがうまく作用しているようにも思えます。

こちらは個人の人権や価値観を重視すべきという観念が強いですし、頑なにマスクを着用しない人もいます。また、あちこちでアンチマスクのプロテストも行われています。

マスクを付ける主旨がわからない。

セカンドリースクールの生徒(大体12歳から18歳)は学校でマスク着用義務付けられてますが、彼らは学校出た瞬間にマスクを外して、道のベンチで20人くらいで楽しそうにコーラとスナック菓子で談笑しています。

こうなるともはや、学校のマスクは機能してないはず。

一般的なアイリッシュは
「マスクの義務付けなんて理解できない。特に十代の子にルールを守れなんて無理。十代はルールを破る人種なんだから。」と言います。
じゃ、なぜアジア人に出来て欧米人にはできないのか?という疑問には窮してしまう。

一応アイルランドでは夏頃からお店や飲食店ではマスク着用が義務付けられましたが、たいていの人は店内のみで着用していて店を出るとすぐに外します。

Twitterでアメリカに住む日本人の方が店内のマスク着用はただのドレスコード、と表現していて、まさにそれ!と納得しました。

また、自称マスク着用主義の人さえも会話する際にはマスクが邪魔だからという理由で外してしまうという、ネタみたいな話を聞いた時にはさすがに6歳の息子1号と共に失笑してしまいました。

アイルランドに限らずヨーロッパではマスク着用はどちらかというとタブー視されていました。
欧米人が日本に来てギョッとすることの一つは花粉の時期のマスク着用率の多さ。
マスクを着用している人は重篤患者のようで不気味。近づきたくない、と感じるのだそうです。

なので未だにマスクについて抵抗感を持つ人は多いです。マスク着用効果の数値の証拠なんてない、と言い張るのです。

ただ、最近はヨーロッパの一部の国や地域では道でのマスク着用義務付け、罰金となり始めました。こちらもいずれそうなるかもしれません。

何か色々ずれていると思うのは私だけか?

尚、エレメンタリースクール(大体5歳から12歳)の子供達はマスク着用義務はありません。
先生方はフェイスシールドを付けています。
また、制服は必ず毎日洗濯するようにとお達しがあり、仮に洗濯が間に合わなければ私服着用も可になりました。

以前は宿題もあり、学校の図書館から本を毎日借りられたのに、コロナ以降は家と学校の物の流れを極力減らすという意向で無くなりました。
それならば靴だって日本みたいに上履きとかにすれば良いのに、その発想はないらしい。

ランチボックスは毎日洗う事、というのもわざわざ言い渡されました。
という事はサンドイッチ文化は毎日ランチボックス洗わないのか⁈
と逆にドン引きな衛生概念が露呈したり。

一番耳を疑ったのは、コロナ以降は学校で楽器を使った音楽の授業ができなくなり、楽器にウィルスが付着している恐れがあるからという理由でグランドピアノを含む全ての楽器を廃棄した、という話。(ちなみに一部の学校だけの話なのか全土の話なのかは定かではありません)

グランドピアノ、捨てる必要あるのかなー。
この辺り、本当にモヤモヤする。

日本での帰宅したら、うがいと手洗いという日常。
家の中は土足禁止、学校も上履きという当たり前の事があらゆる菌の抑止効果になっているなんてコロナがなければ気づかなかったかもしれない。

健康志向のアジア人、肥満に自覚のない欧米人

また、日本の健康志向や肥満の少なさはコロナ重篤患者や死亡率の少なさの要因の一つだと言われているのも納得です。

アメリカ、イギリス、アイルランドも肥満率は日本の10倍以上。
野菜や果物を普段から積極的に食べる健康的な食生活がアジア人の肥満率の少なさに繋がっているはずです。

スーパーで見かける巨体な人達の買い物カゴにはコーラ、チョコレート、ポテトチップス、カップケーキ、冷凍食品などが山のように入っています。

彼らには肥満の自覚もなければ、健康的な食生活という概念、もっと言えばスーパーの野菜や果物すら見えていない。
子供達に野菜を見せても「食べたことがない」「名前がわからない」と言う恐ろしい現実。

また、田舎暮らしは完全車社会なので身体を動かしません。意識的にウォーキングやジョギングでもしない限り、摂取したエネルギーは脂肪になるだけ。

コロナの型がアジアとヨーロッパでは異なるという説もありますが、日頃の生活スタイルの違いも大きく左右しているような気がします。

生活は激変するかと思いきや。

今回のロックダウンは学校はオープンするようなのがせめてもの救い。
また息子1号のサッカー教室も引き続き開催できるようで今のところほっとしています。

前回の厳しすぎたロックダウン、学校を閉め、公園閉鎖、野外のスポーツクラブも禁止で、批判が殺到していたのです。
特に新聞のコラムは子供達のメンタルヘルスをどう考えているんだ!!という論調ばかりだったので、この改善点は本当に大きいです。

季節的には前回のロックダウン時と違い寒く暗い冬なのが辛い。
天気が良ければなんとかなるんですけどね。

しかし、今回最高のロックダウンに引き上げられたにも関わらず、私の生活には何ひとつ支障がないというかほとんど変化がないことにふと気付きました。

これは嘆くべきなのか喜ぶべきなのか…。
というオチでシメます。

息子2号のお友達の馬さん達。
幸運にも5km以内に楽しいことはたくさんある。田舎暮らし最高!

長々と愚痴にお付き合いいただきありがとうございました。
来週はまた5km以内の田舎暮らし話をします。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。