#16 ムトーの図書館(1冊目)
こんにちわー。ムトーです。
前回は杵築市の陶芸教室、wakako ceramicsさんをご紹介しました。
勢いに乗ってどこか紹介を、と意気込んでみたものの、取材できていないので別の企画を。
このsakra.jpの仲間、山口フォトをやっているヤマグチさんから「本好きなんだからさ、この場所で読むと格別な本、とかって感じで本と大分のおすすめの場所を紹介しても面白いんじゃない?やれよ、このカボス野郎!」とアイデアをもらって。おお、そりゃいいじゃん、と思って、やろうとしたんだけど、本を忘れて出かけたりして、このムトーツアーズ更新日の前日になってしまう。。
うう、、、。
本の、、紹介、、で、、良い??今回。
「そういう意味で言ってねーんだよ!このシイタケ野郎!」と、ヤマグチさんに怒られそう。。
と、、とりあえず、、、更新日の前日(日曜日)の夜からでも行ける好きなところに行って体裁だけ整えよう。
はい。
スターバックスです。僕がよくいるスターバックス大分下郡店さんです。
僕がスタバ偏愛者ということはこれまでここでは語ってなかったかもしれません。学生時代、東京にいたんですけど、日本第1号店がオープンした時からのファンなのです。と言っても、ほとんどドリップコーヒーしか飲まず、ここ数年は年中 アイスカフェアメリカーノ。
おなじものをオーダーしすぎて「あ、今日もアメリカーノですね。ありがとうございます。」って言ってくれます、、、(恥ずかしいよぅ)。
そして、本当にたまにスターバックスラテを頼んだら「えっ、今日はアメリカーノじゃないんですね。」って。スターバックスカード使ったら購入履歴が店員さんにわかるシステムなのかな。
なんの話だっけ。ああ、本だ。
心に残る物語 日本文学秀作選
「魂がふるえるとき」 宮本輝 編
小説家 宮本輝(みやもと・てる)さんが、読むと魂がふるえるような日本の名作小説を選んだ小説集。
僕は高校生の頃、宮本輝さんの作品にのめり込んで沢山読みました。
「何読もうかな、、。」って読みたい本が見つからないけど、なにか1冊は買いたいと思っていたときに、本屋さんに平積みになっていたこの文庫本。宮本輝さんのおすすめの本なら面白そう、と思って購入したんです。もう15年くらい前かも。
開高健、水上勉、川端康成、井上靖、永井荷風、国木田独歩などの文豪の短編・掌編が16作品。購入した当時、ほとんどの作家の代表作は読んでいたけど、ここに選ばれている作品は1作を除いて読んだことがないものでした。
唯一読んだことがあった作品。それはとても好きな小説でした。
武田泰淳(たけだ・たいじゅん)の「もの喰う女」です。
内容は大雑把にこんな感じ。
主人公の男「私」は東京神田 神保町の喫茶店で働く「房子」という女性に惹かれます。プレイボーイでこの房子の他にも「弓子」という女性とも同時に付き合っているんです。女性2人とも貧乏。でも弓子は派手な顔立ちで、社交的でモテるので「私」はいつも気が気じゃない。一方、房子はボロボロのサンダルを履いていて、ずっと同じ服を着ている。弓子に対して苛立つ気持ちが、房子に会うと癒される。「私」は房子に、沢山美味しいものを食べさせます。房子はそれが嬉しい。「私」もそれが嬉しい。
と、、、。こんな感じの話。続き(といっても超短い)は読んでみてください。「もの喰う女」は泰淳の有名な作品なので、武田泰淳の作品集には必ず入っています。僕はこれ、切なくて好きなんです。読んで欲しい。
で。。。無理矢理スターバックスに繋げるんですけど。
学生時代、僕がスタバと同じくらい通っていたのが、東京神保町にある「ミロンガ・ヌオーバ」という喫茶店。アルゼンチンタンゴが流れるお店で、昼からお酒も飲める。僕は名物のココアをよく飲んでいました。
お店のかっこよさ、居心地のよさ、はもちろん通う理由の大きなポイントだったんですが、通い始めたきっかけは、「もの喰う女」です。
「もの喰う女」の主人公「私」は武田泰淳、房子は妻 百合子がモデルで、この舞台となったのは「ランボオ」という喫茶店だったと言われています。
「ランボオ」は「ミロンガ・ヌオーバ」の前身なのです。
なので、ミロンガに入って座るたびに、僕は「もの喰う女」を読み直したりして、勝手に魂を震わせていたのです。
「この本を紹介するのにふさわしい場所に行かなきゃ!」
そう、僕は考えたのです。が。
ミロンガは大分にはない → 他の喫茶店に行かなきゃ → スタバが開いてた
で、今回は大分県のスターバックスで、東京のミロンガ・ヌオーバに想いを馳せながら、この本を読んだのです。
と、、だから、、どうした。。。
次はちゃんとやろう、、。
妄想旅行者ムトーツアーズ 代表 ムトー