NO ROAST CHICKEN, NO LIFE!
おはこんばんちわ。
飯塚です。
2012年、長旅前にイギリスの語学学校に短期留学をしました。
ホームスティをした際、到着した日の夜ご飯のことは今でもよく覚えています。日本人的には絵的に萌える豪華な食事だったから。
ローストチキン、鳥の丸焼きです。
その時の記憶が鮮明なので、日本からお客様をお迎えした際に我が家でもローストチキンをしたことも。
ローストチキン、見た目は華やかだけど、自分で調理するようになってわかったのは、実はある種簡単ご飯だという事。
ちょっと下準備してあとはオーブンに入れるだけ。
ローストしたい野菜も切って一緒にオーブン入れるからキッチンは汚れないし、本当に楽ちん。
料理が苦手な人もこれなら失敗しないのではないかと思う。
食べる際もワンプレートで済むし片付けもすぐ終わる。
と、日本人の夢を壊してしまいましたが、ローストチキン、意外とチョロイんです。
世界は肉をオーブンに入れるのか、串に刺すのかで別れてる(個人の感想です)
アイルランドはオーブン料理が主流でコンロで肉を焼いたりするのはあまり一般的ではありません。
だからなのかキッチンの油汚れなども嫌がる人も多いです。
対して日本というかアジアはコンロ調理がほとんどですよね。
日本で一般的なオーブンレンジは小さいし、オーブン機能を料理に使うのは玄人っぽい。
という話をまだアイルランドに来てまもない頃、夫の友人達とお酒飲みながらしたんです。
当時の私は慣れないオーブンの使い方がわからない、と嘆きました。
すると、彼は
「じゃあ、日本ではどうやってローストチキンを食べるの?」
と聞くのです。
「日本ではローストチキンは食べないよ」
と答えると、まさか、そんな世界があるのか?!みたいなリアクションをされて、逆に私の方が驚きました。
彼の中ではローストチキンは世界的な家庭料理だったんですね。
日本のスーパーやたいていの肉屋では肉はパーツでしか売ってなくて丸ごとの鶏は見かけない、という話にも彼はショックだったようです。
アジアにおいてローストチキンなポジションはたぶん焼き鳥?
東南アジアにもチキンサテなんかあるし、中東だとケバブ、みたいに。
私の中で勝手にそういう位置づけしてます。
戦力外から今や堂々のレギュラーメニュー。
実は、ローストチキンは我が家では3年近くやってなかったのです。
鶏の脚肉でタンドリーチキンとか、油淋鶏、シンガポールチキンライス、鶏の唐揚げはやってましたが。やっぱり自分でやると慣れた料理になりがち。
で、最近たまたま鶏肉丸ごと買ってみたら、家族にエライ好評でして。
特に息子一号はいつも以上に食べっぷりが半端なく、とても幸せそうにカリカリな鳥皮をかじり続けていました。
それ以来ローストチキン、我が家のレギュラーメニュー入り。
いまや、月一はやってます。
なぜ、ローストチキンを食べるようになったのか。
この鶏丸ごとは実はかなり安いのです。オーガニックやサイズなどによりお値段は違いますが。
うちで気に入ってるのはcorn fed という、とうもろこしを餌に与えてる鶏を食べてます。
鶏の色も他のと比較すると黄色い。
我が家は1.2kgを購入します。大体€6(日本円で800円くらい?)
大人二人と幼児なので1.2キロでも大きすぎるくらいですがコレくらいが最小サイズかな。食べる人数が増えたら大きいサイズを買えばいいのです。
この鶏の中に玉ねぎ、ニンニク、セロリ、ローズマリーなどを詰めて、鶏皮と肉の間にバターを入れて全体に塩胡椒してオリーブオイルふりかけてオーブン投入。
30分くらいしたら鶏肉から出てきた脂を絡めて切ったじゃがいもやにんじんを入れます。
たまに焼き加減みて出来上がり。
グレービーソースはインスタントの粉をお湯で溶いてそこにオーブン皿に残った肉汁を少し足します。
では、実食!
本当のローストチキンのお楽しみは翌日から。
さて、この日だけで肉も野菜も食べ尽くす訳もなく。
大量に残った肉は全て骨から外し、肉に詰めた野菜も別に取っておきます。
タッパーは3種類。肉、野菜、骨。
肉は翌日ランチのサンドイッチに。
パンにバター、好みでマスタードを塗り、残り物のチキンとコールスローまたはレタスなどを挟んだら出来上がり。
お肉はしっとりジューシーです。
きっとコレはアイリッシュもやっています。翌日は職場や学校にサンドイッチ持参でいくのでしょう。
鶏さん、安心してね。我が家では骨の髄までいただきますぜ。
骨は水と一緒に鍋に投入。
沸騰させたらあとは弱火でコトコト茹でます。
灰汁を取り除き長時間茹でると最初は濁った煮汁がだんだんと透明度を増します。ザルで越したら鶏がらスープ完成。
その時の気分でフォーにしたり、ラーメンや酸辣湯麺にしたり。
尚、アイリッシュはこんなに骨を長時間茹でたりするような事はしません。
骨から鶏がらだし作るのは在外邦人にはお馴染みなアルアル技。
シメの美味しさは格別だとアイリッシュにこそ伝えたい!!
肉に詰めたり余分にローストしたニンニク、タマネギ、セロリ、にんじんとロースト皿に大量に残った肉汁や脂は共に鍋に投入。
弱火で炒めて、トマト、スパイス、塩を入れグツグツ煮てから水を足しブレンダーで滑らかに。
後はカレー粉、ガラムマサラ、ヨーグルトやひよこ豆、残った鶏肉を足してチキンカレー。
野菜はすでにオーブン調理で旨味や甘味が出ているし、鶏肉の肉汁や脂が出切ってますから、カレー用にバターや油またコンソメ、チキンブイヨンなどは一切追加しません。
実は私、日本にいた最後の数年、インド料理に異常に入れ込んでおりました。インド料理教室に通い、スパイスやインド料理のメタルの食器まで揃えたりして。
週末には友人を誘ってカレーを振る舞い、自分自身は自分のカレーには食べ飽きましたが、都内で評判のいいカレー店は休日や仕事帰りによく行ったものです。
そんな私が作るローストチキンカレー、もちろん美味しいもの天国の東京の評判カレー屋にはかなうわけもありません。
でも個人的にこのカレーはすごく気に入っているのです。
白状するとローストチキン用意する時に頭の中はカレーのこと考えているし、にんじんも多めに切っているくらい。
この旨味満タンカレー、例えるならふぐ鍋の雑炊でしょうか。
ふぐに限らずですが鍋の時は、雑炊用に胃袋に余白残しますよね。
だってやっぱりこのシメの雑炊こそが旨味の集大成だもん。
この例え、アイリッシュには伝わらないよなぁ。
ま、こんなカレー作ってるアイリッシュもいませんけど。
いつもアイルランドのこと愚痴ってるからグーグル翻訳とかホントやらないで欲しいけど、コレだけグーグル翻訳してくれないかな。
このカレーを食べて思うのはこの国産の鶏肉自体がちゃんと美味しいお肉だということ。
最近アイルランドでは南米から安い肉を輸入するかもしれないという話題をテレビや新聞でも取り上げていたのですが、安すぎる肉には何か問題がある、きっと味も違うのだろうな、とは思うのです。
アレンジし放題、でもお値段コレだけ。
たいてい、この段階で鶏肉は使い切りますが、残った鶏肉はあとは棒棒鶏や、メキシカンなエンチラーダなどにも合います。
我が家で買う、€6の丸ごと鶏肉は家族4回分の食事を賄いました。
他の肉や魚だとこんなに安上がりなの、おそらくないです。
鶏、優秀過ぎる。
私ってばやりくり上手!
ローストチキン、見た目は豪華なのに、簡単手抜き料理でしかも超絶節約料理。
もし、丸ごと鳥が手に入り、大きいオーブンがある方、お試しください。
こんなにも熱くチキンを語ってしまいましたが、我が家の鶏さんを食べる予定は現状ございませんのでご心配なく。