アイルランド小学校事情

おはこんばんちわ。
飯塚です。

アイルランドは3月中旬からコロナの影響で休校でしたが、先週から新年度を機に約半年ぶりに学校再開しました。

我が家の6歳になった長男、初年度の学校は中途半端に終了して消化不良。
学校の再開、本当に待ち遠しかったのです。

ロックダウン始まってすぐ3月のホームスクーリング。弟は傍でイモムシ観察中。
この頃は勉強も楽だったけど5月頃になると、ヤル気はゼロでした。モチベーション保つのは至難の技です。

学校再開初日は子供達も親も晴々とした表情をしていました。
親の方が嬉しそうでしたね、でもまたロックダウンになったらどうしよう、なんて話もしつつですけど。

今日はアイルランドの初等学校事情を私の知る範囲(というより私の半径内)で書いてみます。

同級生=同年齢、ではありません。

アイルランドの学校は8月末、9月から新年度です。

義務教育は大体5歳から。
但し、日本ほど年齢の縛りはなく4歳半の子もいれば、6歳から学校をスタートする子もいます。
親の判断で学校生活順応出来るか見ているようです。
また、幼稚園の先生からも学校生活に順応できるかアドバイスがあります。

8月26日生まれの我が家の長男は5歳になりすぐに学校が始まりました。
日本だと幼稚園の年中さんですかね?

初等学校は8年。
息子の学校は制服着用ですが、制服がない学校もあります。
たいていのスーパーやデパートで学校毎に合う色のシャツやポロシャツ、スカートやパンツなどが買えます。

また、教科書は指定の本屋さんで買うように学校から指示があります。

余談ですが、日本は教科書は無料。
しかも、在外邦人にも無料で教科書を配布してくれるという素晴らしいシステムがあります。来年4月には息子が日本の小学校一年生になるので教科書オーダーしようと思っています。

学校初日、挨拶くらいは期待してた。

昨年、学校初日に一応、私は化粧もしてそれなりの外出着を着て息子を連れて行きました。

一応噂は聞いてましたけど、ホントーに何もない初日でした。入学式がないのは知っていましたが、かしこまった挨拶すらない。

教室に直行すると、

ハーイ?元気?はい、あなたの席はここよ。ではお母さんは12時に迎えに来てくださいねー。

終了。

一応、息子の写真は撮りましたけどね。

学校初日。粘土が用意してあるデスクに着席。え、これで終わり??まじか。。。とトボトボ家路に着く母でした。

はっきり言ってノーメイクに部屋着で行こうが全然オッケーでした。(アイリッシュ、明らかにパジャマな格好で子供を学校に送る人もいて、若干ドン引きレベルです。)

あまりに拍子抜けして思わずFacebookで日本語で軽く愚痴ったら、アイリッシュの友人は私のポストをGoogle翻訳したらしく、

「日本はちゃんと式みたいのがあるから物足りないの?」
と不思議がられました。

入学式、やっぱりあったほうがいい。

学校初日、子どもの制服姿に親は感慨深く思いを馳せたいのに、初日間ゼロでシレーっと席に着くだけなんて、気持ちの持って行き場がない。

そういえば、幼稚園も初日と最終日に何も無かったですけどね。

学校は選べます。

たいていは最寄りの学校に行きますが、特別に学区で決められていないので、行かせたい学校に事前に申し込みます。

なので、学校の評判は生徒数にそのまま影響します。
外国人が多い学校に子供を行かせたくない街中のアイリッシュの親は、わざわざ田舎の学校を選ぶことなどはよく聞く話(アイリッシュはかなり保守的な人も多い為、人種差別的な発言は度々見られます)。

実は、息子の通う学校は長い間赴任していた校長先生が大変不評だったそう。学校近くに住む人すら別の学校を選び、お陰で生徒数が激減していました。(因みに公立校でも日本のように先生の転任や異動はありません)

そこへ数年前に新任の校長先生が来て、ずいぶん変わってきたようです。
その評判を聞き、我が家もこの学校を選びました。
ただ、急に生徒数は増えない為、1学年の人数は6、7人ほどしかいません。
そのため、現在も1クラスに3学年の生徒がいて、総勢22人。
先生はクラスに3人いるのできめ細かく見てもらえているようです。

人が集まりすぎている学校は1クラス30人を一人の先生が見ているようなので、まだ5歳児、6歳児だと目が届かなそうです。

日本の給食、懐かしいなぁ…。

たいていの学校は給食はなく、ランチボックスも日本とは違います。
私は料理は好きですが、ランチは日本式にはしていません。

おにぎりはいれてますが、野菜も肉もほぼ入れず、サンドイッチと、フルーツくらい。
一般的にはチーズやヨーグルトなども定番(息子はそれらが嫌いなので入れません)。

まさか、こんなやる気のないランチを晒す日が来るなんて。葡萄は我が家のビニールハウスで採れました。後は誇れるところなし。日本のお母さん、そんなに頑張らなくたっていいんだよ、というメッセージだと思ってください。

アイルランドに住む日本人の友人は子どものランチボックスにブロッコリーを入れたら、クラスメイトにからかわれた、と嘆いていました。

日本の学校の給食は食育、または給食当番などの面から見ても非常に良いシステムですよね。

また、終業時に生徒皆で掃除をする習慣はとても良いと思います。
日本の小学校は帰る前に皆で掃除する、とアイリッシュの夫に話したら大変驚いていました。
欧米人的には小学生がトイレ掃除するなんて、奴隷じゃあるまいし、的な感覚なのかもしれません。(私が中学の時なんて先生の灰皿掃除してました、今これはやらないだろうけど)
日本人の散らかさない、汚さない意識は学校で掃除をした事でも育まれているんですよ。
こちらの散らかった道を見るとモラルの違いを感じます。

日本の小学校で英語教育をしていたフランス人の友人が日本の初等教育は世界一レベル、と力説していたのが忘れ難いです。

あれ、まずいな、学校の話がなぜか私の愚痴になっている。

日本の学校のコロナ対策も気になります。

今季からコロナの影響で学校も衛生面などかなり対応が変わりました。

先生はフェイスカバーを着用しています。児童はマスクしてませんが。(中学、高校生はフェイスマスク着用義務付けられました)

送り迎えは学校のゲートまで。親は教室に入室禁止。
消毒もこまめにしているようです。
また、今季から毎日着る服は必ず洗う事になりました。
制服を洗濯してしまったら私服着用も可。
本棚の使用ができないため、各自で本を収納するケースをデスク下に置いているようです。

おそらくコロナ対策に関してはどの国も試行錯誤状態でしょう。

ただ、アイルランド政府は3月に休校、再開を9月までしないと早々とアナウンスしたことに関して国内外で猛批判されました。

学校生活は子供達の社会活動の基盤でもあり、ロックダウン中の子供達のメンタルヘルス問題はかなり議論されています。

やっぱり学校があり、友達とも会えるから勉強する意欲も湧くんですよね。
とりあえず、今後も無事通い続けられたらな、と切に願っています。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。