シトロエンさん、9年間お疲れ様でした。

おはこんばんちは。飯塚です。

バレンタインですね。

日本とバレンタインアイルランドのバレンタイン事情がだいぶ違う、というのは過去に書いた事があります。

アイルランド(ヨーロッパ)のバレンタインは男性から女性にプレゼントをする日です。

近所のスーパーのバレンタインディスプレー

今更、今年の抱負を語る。

さて、2月半ばですが、今年の目標、実はあったのです。

ぶつけない。

何を?

車を。

あと感情も。

当たり前すぎて呆れますか。ちなみに去年は車はぶつけてません。

一昨年はちょっと擦ってしまいました。

アイルランドに来てから始めた車の運転。

大学時代に車の免許を「なんとなく」とったものの、オートマ車限定で、しかも「車の運転は超苦手」と感じ、「きっと一生車は運転しない」と思っていたのですが。

アイルランドの田舎に住んだら車なしでは生活できない。町に行くバスは1日三本しかない不便な場所。大人一人につき一台が基本。特に子供達が成長すると学校や習い事の送迎で親の仕事=Uberドライバー、みたいなものだ。

なぜか、アイルランドは現在もマニュアル車が人気。夫もマニュアル車に乗りたい人のため、日本でマニュアル車の免許を取り直したのは10年前。

アイルランドに来て日本の免許証からアイルランドの免許証にはそのまま交換してもらえた。

国によっては試験が必要だったりもするらしい。

またアイルランドは日本と同様の左側通行。日本からこちらに来ても運転しやすいはず、なんだけど。

私のような「運転未経験者」にはあらゆる事が恐怖で。

最初の頃は、対向車と後続車が来ただけで「うわー、来たよ!」と言いながら肩を張り緊張していた。当たり前だ!対向車も後続車もいない道路がどこにあるんだ。

車幅感覚などもなく、エンストばかり起こしていた。

9年前に買った中古のフランス車、シトロエンは文字通りに私の運転の「練習台」。

20016年2月11日、この車が来た日かな?9年前の車と息子。ちなみにナンバープレートの08は2008年製造、の意です。シトロエンはフランス車、この会社の車もよく見る。

あちこちにぶつけて車体は傷だらけに。

運転席の反対側のボコボコ加減が酷い。
運転席側。

あ、一応断っておくと、傷は全て駐車時に柱や壁にぶつかったもので、人の車や人にぶつかった事はありません。

傷のほとんどが運転を本格的に始めた7、8年前のもの。古傷を晒し続けていたのです。

東京の人の駐車テクが凄すぎる、と帰国するたびに思います。

高級住宅街では出入り禁止な我が家の車。

子供達は「うちの車は恥ずかしい」とよく言う。

更に春のロンドン旅では富裕層の住宅街に迷い込み、フェラーリ、テスラ、ランボルギーニ、ポルシェ、ばかりが路駐されてるのを傍目に

「ここではうちの車は立ち入り禁止だね!」

なんて苦笑いするしかなかった。

ロンドンの高級住宅街は車種もいいし車もピカピカ。

そう。

自慢の車ではない。

でも、よく走ってくれた。

車は、壊れずに走ればそれでいい。

あまり故障もせずに車検でもほとんど大きな問題はなかった。9年間、私の運転に耐えてくれた優秀な車。

息子1号のサッカーの試合で未知の場所に行くのは心底苦痛だったけれど、あれこそが私の運転を向上させてくれたりもした。

あんなに嫌でストレスだった車の運転は子供達のドライバー化したことで慣れた。やはり場数を踏まなきゃいけないのだ。

免許証をアイルランドで作ってから昨年夏で10年経ち、更新をしたけれど。

そろそろ「車の買い替え」しないとね。

と、話していたけれど先日夫が見つけてきた。

新車ではなく中古車ですが。

アイルランドでは、車の消費税30%もかかるし本当に高級品。

先にも書いた通り、左側通行なので、日本車への信頼は厚く中古車は人気。

日産、トヨタ、ホンダ、スズキ、よく見かけます。

日本ではあまり人気がないらしい韓国車もこちらでは人気です。

ヒュンダイ、KIAはよく見かける。

新車、先週月曜に取ってくるはずでしたが。

我が家の新しい車はフォルクスワーゲン。

今朝、夫がとってきました。

新車のナンバープレート、2014年2月に初めて売られた車のようです。

子供達は新車が来るのを心底待っていた。頭金を払ったのは2週間前。

先週月曜日に車を取ってこよう、と話していたけれど、シトロエンは壊れていたわけではないし、夫の仕事は立て込んでいるしなかなか予定が取れず。

「いつ行くの?今日?」

毎日この会話が繰り返され、やっと

「今日行くかな」

今回もまたマニュアル車。

ハンドルは軽く、クラッチやブレーキ、アクセルも以前の車ほど強く踏み込む必要はない。

ハンドブレーキがボタンになったのにイマイチ慣れない。

5シートだけどブーツの物置きスペースはシトロエンさんの倍の大きさ。車内も広々としていて快適感はある。

学校に子供達を迎えに行く。車を見た男児達のはしゃぎようは半端ない。

「ママはどう思っているか知らないけど、ボクは古い傷だらけの小さい車は恥ずかしかったから新しい車は本当に嬉しい!!」

おい!!9年間もお世話になっているシトロエンさんにそんな口の利き方するなんて失礼だぞ!!少しは感謝の念ぐらい持つのが人情ってもんじゃないのか。

ホント、親の顔が見たいってもんだ。

ま、確かに見た目は良くなかったけれどこの車はよく走ってくれたよ。

私はシトロエンさんとのお別れ、ちょっと寂しくて子供達のようにハッピー100%、ではない。

新たな緊張感が「喜び」と天秤にかけられているのも大きい。

今までシトロエンさんしか知らないので新車には慣れるまで時間かかりそう。しばらくは怖くて遠出はせずに近場で練習しなきゃ。

そんなわけでシトロエンさん、きっと廃車になるんだろうけれど9年間、私の無茶運転にお付き合いいただきたくさん冒険させてくれてありがとう。

さようなら。

おかげで私の行動範囲が広がりました。

これからはフォルクスワーゲンさん、よろしくお願いします。

今年も来年も再来年もぶつけないように安全運転します。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。