ムトーの図書館(12冊目)

こんにちわー。ムトーです。
もう2月ですか。初日の出を拝んだのついこのあいだなんですけどね。
早くないですか、月日。
「え、あれ、もう10年前?」
って今年になって3回くらい口にしました。

我が家の長男は14歳。

可愛かった子(13年前)

めちゃくちゃ可愛かった(親バカ)我が子は、いつの間にか声変わりを始め、ヒップホップをずっと聴いていて家の中の移動中も常にボソボソとラップを口ずさむような中学生になりました。スマホの待ち受け画像ももタトゥーびっしりのラッパー。
そしてオシャレにも興味を持ちだして。

僕自身、13歳の時に、その時たまたま履いていたスニーカーがナイキだったんですけど、それを見た中学の野球部の先輩から「お前、ナイキ好きなの?」と話しかけられて「はい!」と勢いで答えたことから、その先輩のファッション講座が始まり、僕もスニーカーとジーンズに夢中になりました。同級生がたまたま同時期に服に目覚めたので、大分の中でもすごく田舎の山の中に暮らしていたけれど、メンズノンノだとかチェックメイト(なつかし)やポパイといったファッション誌をみんなで共有して情報を仕入れていました。
大分市の街中に遠征して服を買っていた頃のときめきをいまだに鮮明に覚えています。

僕の息子も13歳で服に目覚めたんですけど、ちょっと僕の歩んできたものと路線が違うわけです。
ヒップホップカルチャーに足を踏み入れた彼はもう、そちらのファッションにしか興味がなくて。

「これ欲しいんだけど、次のテストで○○番以内に入ったら買って。」

などと言ってストリートブランドのサイトを開いたスマホの画面を僕に見せてきます。
ZOZOTOWNとか。
ゴリゴリのヒップホップファッションに免疫のない僕はその度に「えー、やだー。」と逃げ回っています。
シンプルで綺麗な服を着てほしいよう。

かつて可愛かった子

さて。時の流れの速さの話しはこれくらいにして、今回は本の紹介です。

本と言っても写真集です。

「写真がいってかえってきた」 佐内正史 (出版社:対照)

僕の好きな写真家 佐内正史さんの写真集。
佐内さんは多くのミュージシャンの写真を撮ったりしているんですけど、僕が最初に知ったのは中村一義さんのアルバム「金字塔」のCDジャケット。そこから佐内さんに興味を持ち、写真集を買ったりしてきたんです。

それまで見てきた写真と何かが決定的に違う。
「これを撮りました!」
というのがわかりやすい写真じゃない。
なんでもない物や、なんでもない景色、なんでもない空間。
「一体何が撮りたかったんだろう。」
とまず思う。
不思議に思ってすみずみまで見ると、印象的な色に出会う。道路の白線だったり、黄色い車だったり。夕日が当たった古い車だったり。
はっとする。
「あ、このひと、この色にときめいたんだ!」
と。

この「写真がいってかえってきた」は、僕が出会ったころの佐内さんの写真に似ている。ページをめくるとなんでもない曖昧な風景がずっと続く。

ときめきを探す幸せな時間です。僕にはね。

妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー

ムトーツアーズ

(隔週月曜日更新)
大分県に住んでいます。大分に遊びや仕事に来た人を案内することにヨロコビを覚える男です。