一年、おつかれさまでした。
今年最後のSAKRA.JP。みなさんの2024年は、どんな一年でしたか?
やり残したこともあるけれど、個人的には「해냈다(ヘネッタ)」という年でした。韓国語のdoである「하다(ハダ)」という動詞と出す、払う、起こす、収めるなどをお身する「내다(ネダ)」という動詞をくっつけた言葉。やり遂げたを意味する言葉です。
コロナが明けて、再び海外に出られるようになった時、翻訳の仕事を終えた私に韓国の友人が言ってくれた言葉が「해냈다(ヘネッタ)」でした。やり遂げたねと何気なく投げてくれた言葉がとても印象的で、長いメールの中のそこ一言がぼわっと宙に浮かんでいる感覚。そこからお守りのように持っている言葉です。
日本語でやり遂げるというとちょっと重たい感じがするのですが、母語ではない言葉って不思議です。本来の意味を素直に受け止められることが多かったり、その言葉の意味を多角的に捉えることができたりする。恥ずかしさが減るとでもいいましょうか。母語でない言葉の方が受け入れやすい時がある。数々の外国語の中でも韓国語は、自分にとってその言葉の背景にある部分まで、想像が広がるから、お守りにしたい言葉を表現する時には、一番収まりのいい言語になります。
해냈다(ヘネッタ)。やり遂げたという過程まで、途中であぁ、しんどいなぁと投げ出したくなる瞬間があったりしても、なんとか脳を騙してやる気があるように見せかけてやり切る。やる気っていうのは、やっているから出てくるんだ。とにかく机に座って何かを書き始める。キッチンに立って、玉ねぎを切り始める。薬学博士、脳の研究者でもある池谷裕二先生の本を読みながら、なんとかかんとかひとつずつ終わらせる。大概のことは解決策がどこかにあるもので、無我夢中でやっているといつか終わりが来る。
体がしんどかったことも、楽しかったことも、まだやりきれていないことも、いろんなことがごちゃ混ぜな一年でしたが、一年を振り返ると子供が中学校を卒業して無事高校生になったり、会社がいよいよ10年目に突入したり。節目になるようなことも重なった1年でした。軽音楽部と吹奏楽部の両立。高校生、とっても忙しそうだけれど、同時に楽しそうで、お風呂から鼻歌が聞こえてくると、ニコニコしてしまう。子どもも2025年には、高校2年生。あっという間に大学受験で大学生になると思うと、なんだか感慨深い。
仕事の方では雑誌の取材でチェジュ島に行ったり、気仙沼の女将さんたちとソウルの友人のアトリエでイベントをしたり。今年も大好きな韓国にまつわる仕事が多かったのは、自分の気持ちが常に海外の方向に向いているからなのかもしれませんが、来年はもっと日本と海外を行ったり来たりできる機会を、自分の行動で増やしていける一年にしたい。結局、現状を変えたり、やりたいことをやるためには、自分で行動の量を増やすしかないんですよね。まだ行ったことのない場所に行って、まだ見たことのないものを見て、食べたことのないものを食べて。それを文章で伝えられるような一年にしていきたいと思います。
年末年始はたんまり積読になっている本を読みながら、具体的に2025年の目標を立てよう。その前にローストビーフを焼いて、酢の物を作って、エビを焼いて、栗きんとんぐらいは仕込んで。簡単おせちの準備をして、新年を迎えたいと思います。
今年も一年ほんとうにおつかれさまでした!どうぞあたたかい2025年をお迎えくださいませ。
새해 복 많이 받으세요!(新しい年、福をたくさん受け取ってくださいね)