朝ごはん考。
おはこんばんちは。飯塚です。
実は先週木曜日に雪が降りました。寒いと思われがちなアイルランド。
高緯度で夏は涼しい(寒い)けれど冬はそれほど極寒ではなく、特に私達の場所はアイルランドで一番温暖とも言われているため過去2年くらい雪を見ていません。
我が家の6歳児も「初めて積雪をみた」と大はしゃぎでお隣さんの子達と束の間の雪遊びを楽しみました。
雪が降ったのは朝の数十分のみ。20分だけ雪合戦と雪だるま作りに興じられてラッキー。
二週間前に家の庭の植木を抜いて家や塀を塗る話を書いたのですが、まだ家の外壁塗装をやっています。
ずいぶん前に表側は終わったはずの塗装、裏も残っているのにかなりペースが落ちてしまいました。
朝ごはんは子供を送ってから一人でじっくり派。
朝は子供達を学校と幼稚園に送り届け、帰宅後朝ごはんを一人で食べ、家の仕事に取り掛かるのがルーティン。
ここ数年はいわゆる「オーバナイトオートミール」を食べ続けていて。
ちなみにアイルランドではオートミールはポリッジと呼びます。
これをケフィアに前の晩から浸し、朝にヨーグルト、フルーツ、ハチミツと一緒に食べます。
腹持ちもいいし健康的で飽きない。
夫はここ数年ずっと同じシリアル。
子供達は最近ホットサンドイッチにハマっている。
ベーコン、目玉焼き、チーズ入りでボリュームたっぷり。そのうち飽きるんだろうな。
アイリッシュブレックファーストの復習。
ちなみにアイルランドといえば、アイリッシュブレックファーストというものがあり。
ここでは何度かこの朝ごはんに触れているけれど、改めて説明するとトースト、目玉焼き、ソーセージ、ベーコン、ベイクドビーンズ、焼いたマッシュルーム、焼いたトマト、ブラックプディングとホワイトプディング(名前はプディングですがデザートではなくいわゆるソーセージ的なもの。ブラックプディングは豚の血で作られています)
という「肉祭り朝ごはん」
有名なイングリッシュブレックファーストに似ています。
ボリューム満点、ただし調理時間もかかるためアイリッシュブレックファーストを食べるのは週末のみ、というのが一般的。
土日の朝、庭に出るとご近所さんから「ソーセージの焼ける匂い」が漂ってくる。
ホテルで朝ごはん、カフェなどでは一日中提供していたりもするのでランチに選ぶ人も多いのだそう。
夫はアイリッシュブレックファーストが大好き。日本に一年住んだ時もかなり「ロス状態」に陥りたまにぼやいていた。
日本のベーコンやソーセージ(ウィンナー)がアイルランドのそれとは違いすぎるし、大好きなブラックプディングも手に入らないので再現不可能でした。
ただ、日本人にいまひとつ理解され難い朝ごはん。
とにかく肉多すぎ。マッシュルームやトマトもグリルしてあり、いわゆる「さっぱりしたもの」皆無。脂っぽくて胸焼けする。
なんならソーセージ2本を1本に減らして代わりにヨーグルトとフルーツまたはサラダを足して欲しい、などと日本人なら漏れなく愚痴でもこぼしたくなる。
ここはグッとその言葉をオレンジジュースで流し込もう。
「アイリッシュブレックファーストにサラダつけてください」
というと、本気でひんしゅくを買うので要注意。
前も書きましたが。私の結婚式で日本から来る家族にアイリッシュブレックファーストを振る舞う!と張り切っていた義理父に先のリクエストをしたら、あからさまに怪訝な表情で
「アイリッシュブレックファーストにサラダ?それはアイリッシュブレックファーストじゃない!」
とブチ切れられました。
まぁこれは日本で例えるなら美味しいお寿司を食べてもらおうとしていたのに、
「いや、meは照り焼きチキンのsushiしか食べないYo」
などと寿司をまるでわかってない人の注文されるようなもんかな、と。
義理父、結果的には「ゲストのために」としぶしぶサラダを用意してくれました。
皮肉にもその朝食のアイリッシュブレックファーストのサラダは私の家族のみならず結婚式のゲストのみなさんに好評で。
他国民には朝から肉祭り、やっぱり厳しいよね?
とはいえ、やっぱりアイリッシュには
「アイリッシュブレックファーストにサラダ欲しい」
は全く解せないらしく。
夫もこのエピソードを友人に話す度に笑われる、または驚かれるのだそう。
私自身もたまたま空港で出会った「日本に住んでいたアイリッシュ」の方と話が弾み、彼が
「日本の食事は最高だよね。日本の朝ごはんも大好きなんだよ」などと懐かしげに話すものだから、よっしゃ!この人なら!と
「アイリッシュブレックファーストにはサラダ欲しいって言ったら義理父にキレられた」エピソードを話したら
途端に眉をしかめ
「アイリッシュブレックファーストにサラダ⁈それはありえない!!」
とまさかの糾弾。
なんだよ、こっち派じゃないの?くっそー、この男、エセ親日か!本当は日本食なんか好きじゃないでしょ?と、苦笑いで幕引き。
もうアイリッシュとは根本的に食で分かり合えないと諦めた。
甘系朝食がお好みなイタリア人。
ちなみにその空港での会話でイタリア人の女性もいて、彼女には肉祭りなアイリッシュブレックファーストも、朝から漬け物、焼き魚、味噌汁の日本の朝食も理解不能な反応で。
「朝から味噌スープと魚?ありえない!!イタリアでは朝は甘いパンを食べるの。しょっぱいのは朝から食べたくない」
で、当時その空港からイギリス在住のイタリア人の友人シルビアに会いに行った私。翌朝ははシルビアお手製のリンゴケーキ。
「イタリア人は甘い朝ごはんなんだ」
と前日の話を裏付けてくれて。
確かにヨーロッパは朝ごはんはパンケーキやマフィン、ジャムみたいな甘系、またはハムやチーズのしょっぱい系で好みが別れるのかな、と思う。
旅の朝ごはん、楽しみだったけれど写真に残してないのも多い。
特にキリマンジャロの登山ツアーのシェフが毎日作ってくれた朝ごはんは期待以上の品数でテントの簡易コンロ一つだけで作ったのが信じられないくらいでなぜ写真を撮らなかったのか今でも悔やんでいるくらい素晴らしかった。
1日の活力を得られる朝ごはん。しっかり食べてみなさんよい一日をお過ごしください。