甘くない甘味話。

おはこんばんちは。飯塚です。

寒さも感じるけれど結構天気がいいので連日庭仕事をしています。

行きつけのドイツ系スーパーでクリスマスのケーキ、ドイツのシュトーレンが出てくる季節になりました。

おやつはこのシュトーレン、やっぱり美味しい。

通常のシュトーレンの三分の一くらいなサイズのをちまちま食べるのが好き。

手料理を吐かれてこそアイルランドの料理道。

昔あったバラエティー番組「愛のエプロン」ご存知の方いますか。

TOKIOの城島さんが司会で芸能人に料理を作らせてランク付けをする番組。

あまりに不味いと、用意していたバケツに吐き出す。今の時代だと放送できないのでしょうか。

作ったものを吐き出される。

これ以上悲しい事はないかもしれない。

実は私、これを目の前でされたことがあります。

甘党であんこ大好きな息子1号。

道明寺も作ったことあり。道明寺粉と桜の葉は自分で塩漬けしたもの(暇だったんだな)。

和菓子がないアイルランドであんぱんやうぐいす餅などたまに作っていたので、息子が好きな大福をお隣さんにお裾分けしたのが裏目に。

「何コレ?」

「日本のお菓子だよ」

パクッ

彼女、一瞬ギョッとした表情になり、アワアワしながら口元を手で塞ぎ吐き出してしまった。

「本当ごめん!スッゴイ失礼だよね、わかってる。でもこれは無理だわ、本当に無理!!」

あまりに正直過ぎる反応に私も驚き、しかしなぜか笑いが込み上げる。

「え?どこがダメだった?何がイヤ?」

「全部。皮の食感も中身の食感も独特の甘さも全部。とにかく全部無理!!」

よもぎ餅粉で作った大福。この中の1個を吐かれました。

それまでも新しい食への許容範囲が狭過ぎるアイリッシュは知ってるつもりだったし、彼女こそ、その典型的なタイプでもあったので悲しみも怒りも湧かず、爆笑してしまった。

そんな人によりによって大福食べさせてしまう私に非があるくらい。そうだよ、悪いのはアタイなのさ。

サバサバしているお隣さん、嘘をつかない正直な人で私は彼女が好きなのだ。

手作りの大福を吐き出されても全然嫌な感情にはならないどころか、「ちょっと面白い」くらいに感じたほど。

アイルランドで手料理を吐かれる、または食わず嫌いで拒否される、なんて普通のこと。落ち込んではいけない。

本当にダメなんだよ、仕方ないよね。無理なの、あるよ。

とはいえ、最近はスーパーで雪見だいふく的なアイスクリーム入り餅も売っている!でも雪見だいふくの味には及ばない。

数年後日本のTVでたまたま見た「外国人に人気の日本のパン」ランキングでもあんぱんは最下位だったの、妙に納得した。

昔はあんぱんもたまに作ってた。桜の花の塩漬けも自家製(暇人だっただけ)

特につぶあんは理解されない、というのは私もこの実体験済み。

2年前の日本の一時帰国で大量にあんぱんを買い込んで冷凍庫で保管しながら息子1号が全部消費。

日本人の友人がパーティーに持っていく、なんて言えば「やめておこう」と言う。

普通にブラウニーとかチーズケーキ、タルトでいいのよ。アイリッシュに冒険はただの押し付けだからね。

夏ならコーヒーゼリーはアイリッシュにも好評でした。
ミルクレープ(日本発祥)もアイリッシュに好まれます。

海外だと抹茶嫌いの人は結構多い。

ちなみに日本が誇る抹茶スイーツもかなり好みが分かれる。

仙台に帰ったらお茶の井ケ田で抹茶ソフトを食べるべし。

私の体感では3割位の人は抹茶スイーツ独特の苦さを好まないイメージがあるため、普通のアイリッシュには抹茶系の物を作ったりあげたりはしないようにしている。

パリには抹茶専門のお店もあったけれど、パリですから。

インドでトラウマになったもの。

実は私自身も「未知の甘い物を吐いた経験者」だからこそ「吐いちゃう心理」に理解できるのだ。

インドを代表する極甘スイーツ、丸いドーナツをシロップ漬けにしたようなお菓子、インド経験者なら必ず目にしているアレ。グラブジャムン、というようです。

当時のインドの写真ないからネットの拾い画像。これ好きな人いますか?シロップ爆弾なお菓子、世界一甘いのか…。

初インド旅行だった。あんなにも甘いと知らずに思い切りパクッとかじり、シロップが口の中でジュワッと広がり、うわーっとなりそのまま吐いた。

一緒に旅した友人とバラナシの宿の屋上にいて周りに人がいなかったのは救い。

それ以来、インドでお菓子を買えなくなってしまった。

インドのお菓子、ジャレビ。作っているところに出くわしたので撮影させてもらった。小麦粉を水で溶いたものを揚げます。
揚がったらこちらもシロップ漬けにします。これも激甘系。

そういえば、初めてのタイのセブンイレブンで買ったやたらとカラフルなケーキも妙な香料がキツくて食べられず、その場で捨ててカラスに食べさせてしまった。

(でもココナッツとマンゴーのアイスにはハマった)

爆発的甘さ菓子へのトラウマが拭えず、ついでに言うと約一カ月も滞在したトルコでバクラヴァさえも試さなかった。

真夏のトルコ、名物のトルコアイス(伸びるやつ)と生のあんずや桃、ぶどうの濃い甘さで甘いもの欲は満たされスイーツやお菓子を食べたいとも思わなかった、というのもある。

夏のトルコのフルーツは最高。生の杏の味が忘れられない。

トルコのバクラヴァはどんな味だったのだろう。

でも、やっぱりバクラヴァ試せば良かったよなぁ、甘くても吐いてもいいんだ。あの時しか食べられなかったんだから、と今になって悔やんでいる。

というのも、こちらでたまたまアゼルバイジャンの人が売っていたバクラヴァを食べたから。

ものすごく甘かった。

日本のお菓子でこんな甘さの物ないんじゃないか、というくらいに。

ブラックのコーヒーや濃いストレートの紅茶と合う。

カロリーもめちゃくちゃ高そう。

でも甘いだけじゃなくて。

ナッツの風味や食感、キャラメリゼされた砂糖のコク、サクサクのパイ生地が絶妙なのだ。

アゼルバイジャンのバクラヴァ。また買いたい。

うわー、これスッゴイ甘い。けど美味しい!クセになる。

と思いながら家族にも試してもらった。

息子も

「何コレ、甘い!」と最初は言いながら

「でも美味しい!」

だよね、始めは甘すぎと思えるけど、イケるんだよ。そういうのあるんだねぇ。

それを食べながら今更後悔した。

「なんで私はトルコでバクラヴァ試さなかったのよー!バカバカ!」

このバクラヴァ、実はこの後も買う機会がありリピート買いした。

また見つけたら買うし、ご近所さんや夫の家族にも買ってあげたい。

これからはその土地の甘い物も制覇したい。

ちなみにアイルランドにある激甘ケーキは未だにかなり苦手で。

我が子達も「甘さ控えめケーキ」に慣れてしまい、いわゆる典型的アイリッシュなケーキは一口食べて残してしまう。

アイルランドっぽいカップケーキ、一度だけ作ってみたことありますが甘すぎて全然食べられなかった。

そんな中でも最近は甘さ控えめなケーキもずいぶん出てきた。

自分でケーキ作りもしながら、お店のも食べアイリッシュがどんなケーキを好むのか調査する日々。

新しい場所に行ったらその土地のスイーツも楽しみたい。

そういえばクリスマス前に家族でドイツ旅行する予定。本場のシュトーレンを買うつもりです。

パリのケーキ最高過ぎました。また行きたいなー。
ボリビアのケーキ、たまたま出会った日本人女性とたくさん頼んでシェアしました。甘かったけど楽しかった。
ヨーロッパではタルトやクランブル頼むとハズレが少ない。
オーストリアのウイーンといえばザッハトルテ。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。