部活はどこへ行く

中学校の部活動がどうなるか、という話題がもう何年も前から上がっている。
教職員の負担とか、働き方改革とか、地域へ移行とか、クラブチームとかとか。

教職員の負担はデカいなんてもんじゃないだろう。実際、教員をしている
知人から聞くと、週末の遠征や試合の帯同に付く手当がすずめの涙という。
ボランティアだと考えてもハードすぎるし、勘弁してくれ!と言いたくなる
先生もいるだろう。

ただ、部活で培える「なんか」も確実にある、と思っている。一緒に汗水流して
一緒に下校して、仲間割れしたり仲直りしたり。そんなスポーツ「じゃない」
ところで育まれる青少年の日々を考えると、勝利以外にくっついてくるオマケが
デカすぎて、部活は存続してほしいなあ、と切に思うイチ保護者です。

2号の部活は熱心な顧問がついていて、笑うほどしんどい練習をしている毎日。
明けても暮れても、というより「明ける前から暮れてから」と言っていいほど、
冬は真っ暗な時間から朝練に出かけ、真っ暗になってから帰宅するという日々。

それでも勝てない時期も長かったし、先生はおっかないしで、苦しい時間も
長く、部活で得られるのはただ3つ。「努力・根性・義理人情」ザッツオール。

努力報われ、いざ新人戦

新人戦のシーズン。優勝候補と言われる学校と、まさかの同じリーグで初戦
から当たるという、なんちゅー組み合わせだ!と天を呪う母。

一方子どもたちは当日まで、笑えないほどしんどい練習を積み重ね、
この日に照準を合わせてきていた。

序盤からウソみたいにシュートが当たり、強豪校の相手が引くくらいに
点数を重ねていく。途中追いつかれ追い越されたけど、また最後、ウソみたいに
シュートが当たり、結果逃げ切って終了。

これ試合途中、じりじりと追いつかれる最中

会場の誰もが疑わなかった常勝軍団の勝利。「小が大を食う」番狂わせは、
体育館が割れるほどの悲鳴と涙で、初戦の予選リーグにも関わらず優勝
したのかくらいの大騒ぎ。

だから勝負は面白い

試合前日、「勝ちたい!と強く思ったほうが勝つんだよ」と声を掛けた母。

実際のところは知らんけど、個の実力で差があるのは埋まらないから、
気合で勝負という意味で言ったつもり。でもそれもあながち間違いではなかったかも。

泣いて笑って、飛び跳ねて喜んで。同級生と、こんな経験が味わえるのは、
一生の宝物。

経験者未経験問わず誰でも始められる部活動。そして1年ちょっとで
見違えるほどバスケットにのめり込む子どたち。きっとこの経験は、いつか
しんどいことがあったとしても、乗り越えるガッツと根性となって生きると
信じている。

実際ネットニュースでは「部活廃止?」というニュースが出たら肯定派が
そうだそうだと大合唱。こんなもの要らないという意見が占める中、
1人全然違う意見に取り残された気持ちになる。

先生たちにとって大変かもしれませんが、部活動ってのもいいですよ!
と心底思っている保護者がココに居ますYO!

ってなことを、インターネットの片隅で部活愛を叫んでます。

10月8日 ニホンコン

追記:あれから毎日試合のビデオを見る日々。スラムダンクみたいな展開に、
「今日は1点差の第3クオーターから見ようかな」とか「今日は快進撃で突き放す
最終クオーターだけみよう」なんて言ってちまちま見ている。もはや娘の応援
というよりアイドルを箱推しするオタク状態。

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

HPはこちら