Mostly earth, sometimes space.

地面の変化

ども、カルロスです。

2週続けての連休、いかがお過ごしですか?週末ごとに台風がきたり、雨が降ったりしているのは気のせいでしょうか?嫌がらせでしょうか?

虹色の絵

最近よく災害が起こりますが、特に地震や土砂崩れなどの災害は、ちょっと理屈っぽく言うと地表面の変位という言葉で表されます。揺れや振動で地殻が動いたり、ずるっと斜面が崩れたりすると、地面が動きますよね。それを衛星で調べようというわけです。

簡単に言うと、地震などが起こる前と起きた後で人工衛星で観測して、その差が生じた部分が変化があった場所です。では、観測された”何の差”を見れば、地表面の変位がわかるのか…

レーダーは衛星からマイクロ波を地表面に向けて照射し、その散乱(反射)を観測します(この辺の話はこれとかこの辺に書きました)。マイクロ波は”波”なので、散乱の強さだけでなく、位相情報も観測できます。位相… 物理の教科書で出てきた言葉ですが(高校でしたかね…もう忘れてます)、波の周期の位置、山だったり、谷だったりを表すものです、ざっくり。

この位相を使うと、一回目の観測で”山”で返ってきた場所が、二回目の観測で”谷”になっていた、衛星は同じ場所から観測していれば、山から谷の長さだけ地表面が動いたことになります。マイクロ波の波長は30cmから3cmまで様々ですが、例えば3cmだとすると、山から谷までは1.5cm。それくらいの長さの変化を数100km上の衛星から観測することが可能です。

宮崎の2020年11月5日と2024年8月8日の変化   Analysis by GSI from ALOS-2 raw data of JAXA

このような地面の変化が面的にわかってしまうのが衛星観測の大きな長所なのですが、それを絵にするとわかりにくいんですよねぇ…. 画像は、国土地理院がJAXAのALOS-2データを解析した宮崎、先日の南海トラフ地震によって地殻がどれくらい移動したかを示した結果です。虹色の絵… 色が青く変わっている部分が、地震の後に衛星に近づいている場所です。つまり、盛り上がった場所なので “地震によって隆起した” ことがわかります。

気になる音楽のコーナー

Whine & Dine / Dacey

最近の拾いものでお気に入りです。こんな曲でぬら〜っと連休残りをお過ごしください。

では、またまた。

ほぼほぼ地球 たまたま宇宙

(隔週月曜日更新)
人工衛星で観測される地球のデータをあれこれする仕事をしています。見知らぬ人から、カルロス!と声をかけられることがあります。

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