トラベルのトラブル話。

おはこんばんちは。飯塚です。

日本の学校も夏休みに入ったようですね。こちらは2か月の夏休みがやっと折り返しです!

やったー。

あと1ヶ月頑張ろう。

夏休み中、元々我が家はボート旅をする予定でいたのですがなにしろ天気が悪くて船出できない。

周りからはヨーロッパ各地にホリデーに行った、など聞く今日この頃。

いいなぁ、いいなぁ。

子供達もムズムズしている。我が家はいつ行けるんだろう。

麦畑に囲まれた我が家。家の周りはよく実ってます。

パリでスリにあって学んだこと。

6月の週末にパリに行ったのはずいぶん昔な気がしてくる。

実はそのパリ旅で人生初のスリに遭い、財布がなくなったのですが。

スリにあった瞬間は何が起こったのかわからないくらいに動揺し、財布がなくなったと気づいた時には「取り返しがつかないとんでもない事が起きた」とどん底みたいな気分にすらなったけれど。

実はかなり治安が悪いところを歩いていたので振り返ればある意味自業自得。

パリ在住の日本人曰く

「あんなところ行ったんですか?あそこは治安悪すぎて日本人は誰も行きません。」

と言われてしまった。

14年前に弟が住んでいた時も

「パリ北駅周辺は危ないから行かない。」と言っていたのに。

確かに独特の雰囲気があり、私も怖かったけど。

やっぱり「危険地帯」には足を踏み入れてはいけないのか。

わかりやすい観光客な格好をした私はスリにとっては格好のターゲットだったのだ。

でもでもクリニャンクールの蚤の市は最高なんだけどな。

アイルランドの田舎ののんびりしたところのロバが飢えたハイエナが彷徨うところに迷い込めば食い物にされるのは当然だよな。と改めて痛感する。

旅だけでなく日常でも「スリ」や「盗難」の手口は知った方がいい。

アイルランドに戻ってきて

「財布をパリで盗まれた」話をすると、まぁ出てくる、出てくる、似たようなエピソードばかり。

私もロンドンで!

とか

私はアイルランドの市内のレストランでバッグ盗られた!

などなど。

アイルランドを含むヨーロッパ各地はスリに遭うのは珍しくもないのだな。などと改めて思った。

ある女性は

「妹がバルセロナで財布をすられたのよ。私ね、本当はその二週間後にバルセロナに旅行するつもりだったのだけど急に怖くなってキャンセルしちゃった。私達の住んでるところ安全じゃない?クレジットカードやスマホを落としてもだいたい戻ってくるいいところだもん。もうずっとこの田舎にいるわよ。バルセロナなんて無理!無理!」

確かにバルセロナのスリの話は有名。

実は私も12年前の旅の際にローマでスリに遭いかけている。

人ごみの中を歩いていたらバッグのポケットが全開だった。幸いにもポケットは空っぽだったので何も取られずに済んだけれど。

宿のお兄さんは

「あの人達はプロだから。ショルダーバッグ狙いだと背の高さがちょうどいい子供を使うんだよ。ローマもそうだけどナポリのスリも有名でイタリア人も知ってるから貴重品の携帯は皆凄く気をつけてる」

と話していた。

スマホの盗難もヨーロッパでは多い。

例えば飲食店でもテーブルの上にスマホを置くような事は御法度だと言われている。

パリでも観光客の多くはスマホを首や肩からかけるストラップでしっかりと「盗難防止」していた。

イギリスのゴルフ場の駐車場でロレックスを狙う詐欺の話を読んだ事がある。

駐車場で急にモデルのような東欧系美女に話しかけられる。

ブロンドの豊満な胸元を露わにした美女に親しげに近づかれたら世の男性は気が緩むのだろう。

数分世間話をして別れて車に乗る。

ハンドルを握りながら異変に気づく。

腕からロレックスが消えている。

あの美女が世間話をしながらロレックスを盗ったのだ、と気づいた時既に遅し。

イギリス中のゴルフ場の駐車場で同様の盗難が多発したらしい。

これを読んだ時に「腕時計を盗まれた瞬間すら気づかないなんておかしい。なんでわからないの?」

と疑問しかなかったのが。

今はなんとなくわかる。

私も前身にあったポシェットから財布をスラれても全く気づかなかった。

財布は確実にスラれた。

けれど、私の感覚はあの時からずっと「財布は消えた」

「財布がなくなった」なのだ。

それくらいに彼らの手腕は鮮やかすぎた。

彼らは毎日仕事として盗難をしているプロだ。そんな人達の中で行動するならば、こちらもかなり厳重に備えなければならない。

過去にしてきた長旅では財布はキーチェーンでベルトやバッグに繋げていた事もあるし、旅グッズの店によくある肌につける腹巻きみたいなものも使ったりした。

また、夜道を一人で歩いたり、バッグを椅子にかけたり置いておいた事はなかった。

でも、結局は盗難に遭う人遭わない人、ほぼ運だと思う。

旅してた時もいろんな人から話を聞いた。

世界一周をしていたブラジル人の男性の

「俺の悲惨すぎる旅の話を聞いてくれる?」

世界一周の最初の国のエジプトで空港から乗ったタクシーの荷物入れにバックパックを入れた瞬間にタクシーが走り去った、という衝撃的な体験談は忘れがたい。

私自身は例えばブダペストの宿の荷物置き場で貴重品入ってるウェストポーチを拾いかけた。

私がウェストポーチを持って荷物置き場を出ようとすると大学生風のドイツ人の男性が慌てて入ってきて

「黒いウェストポーチ見なかった?」

と聞いてきたので

「これでしょ?今フロントに届けようかと思ってた」と見せたら

「あー!良かった!ありがとう!もうないかと思った!」

と泣きそうになりながらお礼を言われた事もある。彼の場合は盗難ではなくただ落としただけだろうけど。

ブタペストは温泉天国。確かこの洞窟みたいなところも温泉施設だった。また行きたい。

また、12年前の南米は「クレジットカードのスキミング天国」とも言われており、お約束通りに私のカードは被害に。

レンタカーで一緒に周り同時にATMでお金をおろしたオーストラリア人とオランダ人もスキミングされ、全員カードが使えなくなった。

こんな事もあろうかと長旅にはクレジットカードを二枚用意していたので私はなんとか旅を続けられだけれど。

スキミングされたカードでなぜかアメリカでハーゲンダッツのアイスクリームを買われた、とカード会社との電話で知った。(もちろん不正使用は請求されない)

チリとアルゼンチンの国境越え。両国を縦断したため国境を何度も越えた。

確かに厳重に管理していれば、被害には遭いにくいだろう。

とはいえ、本人の落ち度だと責められない。

道を普通に歩き、タクシーに安全に乗り、ATMでお金をおろすのが私達の想像する普通の世界。

そんな中で、「普通じゃない危険」に備えるのは簡単ではない。

泥棒に厳しいシステムを作ってくれている方には感謝!!

パリの旅から時間が経てば経つほど、「あの程度で済んでラッキーだったな」としか思えないくらいに実はダメージは少なかった。

というのも、カード社会な今。

現金はあまり持ち歩かない。盗まれた財布には実は€80くらい入っていたけれど、普段はもっとお金は入れてない。

クレジットカードはすぐ止めれば問題ないし、仮に不正利用されても返金される。

日本のクレジットカードは止めてもらい再発行が出来るか私の母経由で連絡をしてもらったり、私自身も電話を入れてなんとか交渉をしたけれど、実はそもそも

「海外在住者には日本のクレジットカードは作れない。」

という決まりがある。

海外からの電話だけでは再発行ができない、という衝撃の事実を知ることになった。

電話口の銀行の方からとても丁寧に説明していただき、結論としては私の希望は叶わなかったけれどもある意味仕方ないな、と納得した。

代理人が申請してはいけない。

頭脳明晰な犯罪者が日々新たな手で犯罪を犯す中で「代理人に銀行やカードの手続きをさせる事」は危険でしかないのだろう。

また、いくら戸籍上で親子でも世の中には「健全ではない親子の話」はゴマンとある。

電話で本人が承諾しても代理人がカード手続きは出来ない。

アイルランドの銀行も同様だった。カード再発行はオンラインで速やかに出来たものの、オンラインバンキングのカスタマーナンバーや暗証番号の手続きは本人が銀行窓口に行かねばならないのだ。

犯罪の多様化で銀行のセキュリティの強化もされている。

「銀行に代理人が申請できない」不便さを嘆くよりも「預けているお金を守ってもらえてるセキュリティ」に感謝すべきだなぁ、と世の中の動きに思いを馳せる。

チームラボは外国人しかいなかった。日本が観光立国になったらスリ目当てにくる人もいっぱいいます。

安全神話がまだ根強い日本。だけれどスマホや財布の管理はどうか厳重に。

大切な物が盗られると一瞬にして楽しい旅や日常が台無しになります。

夏休みの旅行に行かれる方は安全な旅を!

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。