Mostly earth, sometimes space.

目を凝らす

ども、カルロスです。

ALOS-4がいよいよ打ち上げです!現在の予定通りなら本日12:00過ぎです。ライブ中継はこちらから見れそうです!ドキドキですね。

ALOS-4のメインミッションは合成開口レーダー(SAR)の観測です。私も携わってきたALOS、 ALOS-2の後継なので、優秀な末っ子という印象です。

特に優秀な部分は、広域観測ができること。一気に200kmの幅をカバーします。小型の衛星だと10km四方を高分解能観測するのが一般的なので、こりゃまた桁違いな観測幅です。

レーダーでも細かく見たいとき〜

以前、光学センサーの話をしたときに、細かく見ようとすると、一つの点(ピクセル)が小さくなって暗くなっちゃうから、明るくしないと細かい点は見えないんです、なんて話をしたと思います。その中で、一点を凝視する時間(積分時間)を長くすると光がいっぱい集まるってことにも触れました。

じゃ、カメラじゃなくてレーダーだって細かいものを見たくなるわけで、そんな時はどうするんだろうという話です。

レーダーってパッと思い浮かべると、アンテナがぐるぐる回っているようなイメージありますよね?衛星でもあんなアンテナを載せて、マイクロ波を照射して、地球表面にあたって跳ね返ってきた強さを測っているんですが、細かいものを見ようとするとやっぱりアンテナを大きくするしかないんです。

しかし、衛星はロケットの先端のスペース(フェアリング)にくっつけて打ち上げるんですが、サイズに限界があります。また、大きなアンテナはパタパタ畳んでおいて、上にいってから開くっていう結構リスキーなことをしないといけません。開かなかったらただの箱。だから、宇宙に持っていけるアンテナのサイズには限度があります。そこで、移動しながらレーダーで観測することを利用して解像度を上げる工夫をしています。

アンテナから照射するマイクロ波のビームは末広がりに広がって地表面をとらえます。広がりがあるので、ある地点は衛星の移動に合わせてずれていくビームにある時間入り続けます。そのビームをギュッと凝縮してやると、衛星の移動した距離と同じサイズのレーダー(巨大)で観測したのと同じ性能が出せるのです。

この距離を合成開口長と言います。だから合成開口レーダーと呼ぶのです。そうやって考えると、光学カメラもレーダーも人間が、じーっと目を凝らして注目するのと同じ。人間は自身の体の機能や、身近な自然界の仕組みを利用して技術を開発しているんだなぁって思います。

画像は、種子島。H3の射場は一番西に飛び出したところにあります。ねがいをこめて…

6月25日の種子島南部     produced from ESA remote sensing data

気になる音楽のコーナー

Praise You / Fatboy Slim

ちょっと気になっていままで紹介してきた曲のプレイリストを作ってみたんですが、なんと72曲もありました。まさにYou’ve come a long way, baby 、という名前のアルバムがありましてその中のこの曲のど頭の歌詞にこのフレーズがあるので聞いてみてください。念の為、これがオフィシャルビデオです。

では、またまた。

ほぼほぼ地球 たまたま宇宙

(隔週月曜日更新)
人工衛星で観測される地球のデータをあれこれする仕事をしています。見知らぬ人から、カルロス!と声をかけられることがあります。

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