パワーアップ。
打合せがあって、1泊2日でソウルに行ってきました。
2024年になって半年。子どもの受験と高校生活のスタートで、昨年までのように頻繁に行ったり来たりするのが難しくなってしまったソウル。年末イベントのために訪れてから6ヶ月ぶり。3月に取材で訪れたチェジュ島も、とてもよかったのだけれど、友達のいるソウルはまた別の意味がある場所。
遅い時間になってしまいそうで申し訳ないのだけれど、会食が終わったらすぐ行くねと伝えていた友人ダソムのアトリエ。2月に場所を契約し、3月にオープンした広いキッチンがメインの心地よいスペース。
フィールドワークをベースに日本や韓国の発酵食を探究し続けている香織ちゃんと仕事のやりとりをしていたら、仁川広域市の江華島から平昌への移動の間、今日だけソウルにいると連絡が入る。前々からどこかで紹介できたらと思っていた二人。遅い時間になっても大丈夫、行きたい!と返事をもらった。
会食終了後、マネージャーをしている写真家の川島小鳥さんと香織ちゃんと一緒に、梨大にあるダソムのアトリエに向かう。扉を開けると半年ぶりの懐かしい顔。ハグをしてテーブルを見ると、バニラ風味のアイスティーにアメリカンチェリーとミントをたっぷり入れたウェルカムドリンクを用意しておいてくれた。
「ごはん食べて来るって聞いてたから、軽くおつまみだけ用意しておきました」
ビーツのフムスにイチジクのジャムとチーズ。フライパンで焼き色をつけたドライフルーツ入りのパンもいい香り。
「もちろん、白ワインも用意してあるよ」
冷たいシャルドネ。ワインとアイスティーを行ったり来たり。夜9時からの小さなパーティ。みんなスイスイお酒が進んで、あっという間にワインが空いていく。
「ハナエさんに会うって言ったら、オモニがこれ持って行きなさいって。お腹いっぱいだと思うけど、少し食べられる?」
夏にぴったりのヨルムキムチ(間引きした小さなサイズの大根と大根の葉を漬けたもの)と牛肉のスユク。醤油ベースのヤンニョムと柔らかく煮えたスユク。どちらも幸せな味がする。
「まだ食べられそうだったら、ごはんも少しだけあるよ」
打ち合わせを兼ねた会食は、おしゃべりと呑みがメインにならざるをえなかったので実はお腹も空いていた。このタイミングでごはんはものすごく嬉しい。
もちもちの雑穀と生のとうもろこしを、バターと醤油で味つけたごはん。プチプチの食感にバターのいい香り。醤油とバターの最強コンビにとうもろこしの甘さが加わる。無敵としかいいようがない。味はもちろんのこと、食感も楽しくておいしい。喉を通ってお腹におさまってなくなってしまうのが、なんとも惜しくなるおいしさ。
おつまみやごはんの全てに、ダソムとオモニの愛情がたっぷり詰まっている。口に入れるたびひと息つき、スッカラを置いて、しばし目を閉じる。
ワインを2本開けると時計は深夜1時半を指している。ソウル駅から翌日5時に平昌へ出発する香織ちゃんも最後まで一緒に呑んでお開きに。ダソムと私は一緒にホテルに戻り、コンビニビールでまたおしゃべりを続ける。
どたばた東京に戻って写真を見返すと、撮っている写真の数が圧倒的に少なかった。打ち合わせがメインのソウルではあったけれど、しっかり聞きたいことがあったり、自分も話したいことが多い時間だったのかもしれない。
どんなに短い時間であっても、好きな国に行って友達に会うと体の真ん中から力が湧く。そして新しくやりたいことが生まれる。
タクシーの運転手さんに「ソウルの梅雨はまだですか?」と聞いてみると「そうだね。南部はぼちぼち梅雨が始まっているみたいだから、7月初めにはソウルも梅雨になるかな」と話してくれた。梅雨の間にまたソウルに行けたら、マッコリとジョンでまたゆっくりおしゃべりができるといいな。
東京も明日は雨が降るようですね。みなさま、今週も1週間おつかれさまでした。良き週末をお過ごしくださいませ。