ムトーの図書館(11冊目)
こんにちわー。ムトーです。
じめじめしてきましたね。もうすぐ大分も梅雨入りだと思われます。
雨の日は読書も良いですね。ということで、今回は久しぶりに本の紹介です。
先日、よく行く大分市のブックカフェにふらっと入って、飲み物と食べ物(ビールとサンドイッチみたいの)を注文して、待っている間に店内をふらふらして本を物色。
まずは新作のコーナーに向かいます(僕の座ったテーブルから徒歩1歩)。平積みの本たちを俯瞰します。ビビビと来たのを読みたい。
お。。
おお!おおおおお!!
欲しかった本があるじゃん!
ということで購入。今回ご紹介する運びとなりました。
『生きのびるための事務』 坂口恭平(著) ・ 道草晴子 (イラスト)
です。
このブックカフェの本棚には以前から坂口恭平さんの本がたくさんあるんです。多分店主が好きなんでしょうね。
坂口恭平さんをみなさんはご存知ですか?
僕はそこまで詳しくはないのですが、多分、世の中にあんまりいないくらいの凄い才能を持った人だと認識をしています。
なぜ、詳しくないかというと。詳しく知ると悔しいからです。嫉妬してしまう。
建築家で文筆家で画家で音楽家。料理もやるんだ。
僕は建築は全く触れてもいないけれど、それ以外は全部かじって全部やりたかったこと。
以前、坂口さんの別の本を購入する際、このブックカフェ店主から「ムトーさんが第二の坂口恭平になることを期待しています。」と冷やかされました。
年齢を確認すると坂口さんは僕より半月くらいあとに生まれている学年がひとつ下のほぼ同い年。
ほぼ同い年なのに、凄すぎてもう嫌い。
坂口さんの絵と言えばパステル画。遠くから見ると写真。間近で観ると絵本というか、ぼわっとした世界。絵の題材は別に刺激的なものは特になくて。ただ、なぜか鮮烈。絵なのに光がキラキラしてまぶしい。
僕は佐内正史さんという写真家さんがもう四半世紀くらいに渡って好きなんですけど、佐内さんの写真もなんということはない光景を写していて、見つめていると「あ、この部分のこの色が撮りたかったんだろうな」とわかるときがやってきて。その瞬間、写真家の心がときめくものを共有できた気がしてドキドキする。
坂口さんの絵も、離れたり近づいたりしながら観ていると、この光を描きたかったのかも、と感じる瞬間がある。ドキドキする。
そして猛烈に悔しくなる。
今回紹介する本は坂口さんが文章を書き、イラストレーターの道草晴子さんが絵を描いた漫画です。
「生きのびるための事務」というタイトルからもわかるように「事務」の大切さを教えてくれる本です。
就職活動をしないまま大学を卒業した「恭平」の家に急に現れて居候になった「ジム」というヤツ。居候のくせに生活費など払わないけれど、好きなことをやって生きたい恭平に「事務こそが大切である」と教えてくれる。
「芸術家が事務なんて」と恭平は思うのだけれど、ジムは「芸術家にこそ事務が必要」と言う。
ピカソもデュシャンも直感のまま自由奔放に創作をして成功しているように見えるけれど、みんな「事務」があって好きなことを続けられたのだ、と。
恭平がジムに出会い、好きな創作活動で生きていくための事務をできるようになっていく物語??。
ちょっと待って。
僕がやってきた文章も絵も音楽も、事務を怠っていたから何一つかたちになってこなかったのではないか。
逆に事務をやれば何かしらかたちになっていた可能性がある。
それこそ、第二の坂口恭平になれていたかもしれない。
まあ、だいぶ出遅れてしまったけれど、僕も事務をやってちょっとでもやりたいことをやるか。
とにかく、面白いので一度読んでみてください。ぜひ。
妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー