子供のスポーツクラブ考。
おはこんばんちは。飯塚です。
先週、天気の愚痴を散々いいましたが、やっと晴れて来ました。
畑に囲まれている我が家。
家の前の道はトラクターが行き来して忙しそう。天気が良くなると農家は24時間体制で働いている、というのはこの家に住んで知りました。
先週日曜には衣替え、ウール物は洗濯。
ヒートテックや起毛系は片付けて。
同日、電線には停まるツバメを発見し益々春を実感。
我が家のガレージに住みつくツバメ、毎年アフリカからちゃんと帰ってくるの、本当に凄い!
全然懐いてくれないのが残念だけど。おばちゃん、美味しい物食べさせてあげたいのにな!
長旅疲れなはずのツバメさん、この指止まれーー。
半年振りに戻ったアイルランドのバスケ。
アイルランドのバスケ部に復活
良く晴れた先週の土曜日、アイルランドに戻って初めてのバスケの試合に行って来ました。
約2時間で三チームと対戦。
他チームはプレイヤーが10人、15人いる中で息子の所属チームは6人。
結果的に、交代出来ずほぼ全員出ずっぱりで走り続ける事に。
アイルランドに戻って練習ではちょっと違和感を覚えていた息子、試合では相手チームもチームメイトもほぼ互角だと気づく。
息子は3回シュートを決めた。日本で上達したおかげでシュート率は上がっている。
他の子達、スピード感がある子が多く、平均して日本人より背も高い。
特にチームメイトの黒人ハーフの子のずば抜けた運動神経を目の当たりにし、驚愕しつつもある意味安心した。
なんだ。全然レベル低くなんかないじゃん。
というのも日本の小学校のミニバスで鍛えてもらった息子、アイルランドに戻って初めての練習後、実はかなり気落ちしてしまったから。
練習後、車に乗り込むなり煮え切らない表情で
「アイルランドのバスケ、こんなにレベル低いんだね。ヤバい。すごい下手だよね」
当たり前だよ。
だって練習量が全然違うじゃない。
あなただって半年前は似たようなレベルだったでしょ。
と諭す私に、息子
「え〜、ボクこんなにヘタだったのか。ヤバい!」
出た、またヤバい。
日本のスポーツクラブ、みなさんこうなんですか?
アイルランドのバスケの練習は土曜日一回1時間。
これと比べると日本の小学校のミニバスの練習量、尋常じゃなかった。
週4回、火曜、木曜、土曜、日曜
平日は2時間半、土日は3時間。
トータル時間でアイルランドの10倍以上。
日本のバスケ部が上手くなかったら問題だ。
更に土日で練習試合があれば殆ど丸一日潰れる。
コーチはボランティアの父兄さん。
コーチの方、平日は仕事帰りにスーツ姿で体育館に現れ、練習着に着替えていた。
土日もバスケでほぼ潰れるのだ。
ボランティアですよ?!(二回言う)
犠牲が大きい。仕事しながら空き時間はミニバスに捧げている、と言っても過言ではない。
持ち回りで保護者の当番もある。
アプリで出欠確認や連絡などはデジタルアレルギーな私の母にはかなり難易度は高かったし、小学三年生には練習試合に保護者の付き添い必須なため、息子は練習だけ参加にさせていただいた。
幹部の方やコーチには頭が上がらないけれど、この練習のおかげで息子は暇を持て余すことなく、エネルギーを発散できたようだ。
私も日本に滞在時、バスケの練習を数回見させて頂いたけれど、ボールに触るまでの時間が長い。
準備運動、柔軟体操、ストレッチ、いろんな形の走り込みをかなりみっちりやる。
息子は脚は速いし背も高いけれど身体が固い、という弱点は日本のミニバスで知る事に。
柔軟体操が全然出来なくて一人だけ動きがぎこちない。
私まで思わず苦笑い。
身体固いと怪我しやすくなるし柔らかくしないとね。
柔軟のあとはひたすら走る。
横走りや変わった走り方を何パターンも。
アイルランドの練習とあまりに違い過ぎて「へー、こういう動きを練習するのが有効なのか」なんて初めて知る事がとても多かった。
準備運動、大切だよね。
アイルランドのバスケ、体育館に入ってすぐ準備体操もストレッチも走りこみもしないまま、ボールを持ってドリブルの練習、ゲーム。
1時間しかない練習。ボールに殆ど触れている。
短い練習時間でボールには慣れるけれど、基本的な身体の動きができないのだろうな、と改めて感じた。
とはいえ、日本のミニバス並みに練習があったらそれはそれで親が大変。
基本的に車社会。
ほぼ全員、親が車で送迎。
我が家から練習場所のコミュニティホールまでは車で15分弱。
週に何回も来るのは避けたい。
日本の生活でバスケが出来たのは、「自分一人で行けるから」ってのも大きかった。
バスケは息子が通う小学校だけではなく、近隣の小学校の子達がかなりいた。
少子化の中、合同でチームを作らないと成り立たないらしい。
離れた小学校から来ている子達は保護者の方の送迎が必要だ。親がそれが出来ないならば子供は参加出来ない。
我が家から徒歩5分で行けた息子はラッキーだった。
ミニバスでの気付きは練習だけではない。
挨拶をしっかりする。
お世話になっているコーチやお当番の保護者の方にお礼をいう。
使い終わった体育館は掃除する。
礼儀作法、掃除、などは日本でしか習っていない。
アイルランドのスポーツクラブはコーチに特にかしこまった挨拶せずに始まり、終わる。
日本の厳しい礼儀、独特ではあるけれど、指導者や関係保護者に感謝する気持ちは大切。
この辺りのマナーはありがたいな、と思えた。
スポーツクラブの運営とは。
現にアイルランドのバスケや他のスポーツクラブもコーチや事務をやるのは基本的に保護者のボランティアだ。
アイルランドの今のバスケのコーチは15年間やってきているけれど今年で引退を考えている、と保護者説明会で話していた。
コーチは現状足りていない。いなければ誰か有料で呼ぶのか、クラブの存続が難しくなるのか。
ボランティアのコーチや幹部の犠牲の基に成り立つスポーツクラブ。
ちなみに息子達の参加しているシースカウトは「参加者の保護者が必ず付き添う」という条件で入会できる。入会前に保護者は二日間の指導者講習(有料)を受けなければならない。
入会希望者は多いが、親の負担が他のスポーツクラブより格段に重すぎることから諦める人が多い。
その代わり、指導者だけに負担が偏らない、フェアな方法。
親は「子供達にスポーツを楽しんで欲しい」「スポーツの体験から何かを学んで欲しい」との想いがあるからこそスポーツクラブに入会する。
息子が初めて自分からやりたいと言ったバスケ、続けられるようにできる限り私も協力したい。