自分で選ぶ。
「高校受験てさ、一番特別だったんだよね。そこまで義務教育であんまり考えずに過ごしきたのに、高校受験で初めて自分の意志でどこに行きたいかを考える。大学受験は落ちたとしても、浪人するとか働くっていう選択肢もあるけれど、高校受験に失敗したら世間から自分だけ取り残されちゃう怖さがあった。」
子どもの高校入試が終わったと、SAKRAJPのリーダーぐっさんと話をしていた時に言っていた言葉が耳に残る。
都立高校の試験が2月21日に終了。合格発表は3月1日とまだ少し先になるのだけれど、いったんおつかれさま!毎日遅くまで、よくがんばったなぁ。
朝から5教科の試験を終えた息子と学校の前で合流。今日くらいは、伸び伸びしたらいいのにと思っていたのだが、同じ中学から受験した友達と「このまま自己採点に行くか」と塾に向かった息子と、一旦駅で別れる。今日は習い事も休んでもいいんじゃないかと思っていたのに「今日はドラムも行く」と言うので、ドラムのスティックと楽譜をピックアップするため自宅に戻る。1時間半後、自己採点の終わった子どもと初台駅で待ち合わせて新宿三丁目へ。
小学校で体験レッスンから始めたドラム。部活が引退になってから、ドラムに触れる時間も少なくなってしまっていたもんね。教室から漏れてくるドラムの音を久しぶりに聴く。今日はなんだかバスドラの音がだいぶ力強い。終わったー!という開放感に満ちている。
コートのいらないポカポカ陽気から、また冬に逆戻りだった水曜日。「寒いからコート着た方がいいんじゃない?」と教室から出てきた子どもに声をかけると「今、めちゃくちゃ暑くてさ。もう少しあとで。」と汗をぬぐいながら、トントンと階段を上っていく。
「ごはんの前に漫画買いたい」というリクエストに答えて、紀伊國屋書店に向かう。8階のコミック売り場。いつもなら7階の語学書を見て戻るねと声をかけるところ。この日はなんとなく、8階のコミック売り場でステイ。漫画を見るでもなく見ないでもなく、棚の間をゆっくり行ったり来たりしながら待った。しばらくすると、新刊を2冊手に持って、息子がこちらにやってきた。ピッとバーコードをかざすのは子どもの担当。お札を入れるのは母の担当。
受験も終わったし、何かおいしいものを食べて帰ろうと中華、天ぷら、洋食、お寿司とお店の名前をあげていく。「お寿司はじいじとまた食べに行く約束してるから、天ぷら、かな。」植木屋さんの父のお客様にお寿司屋さんの大将がいるのだが、父と六本木ヒルズで「ゴジラ1.0」を見た後に、その大将のお店でお寿司を食べたと聞いていた。そうだね、お寿司はじいじにとっておこう。
紀伊國屋から、少し歩いてつな八の本店まで。朝から降っていた雨は止んだ。時折冷たい風がぴゅーっと吹く。
「混んでるかな。」引き戸をガラガラと開ける。「カウンターとテーブル席、どちらがよろしいですか?」子どもの方を振り返ると「テーブルで」と即答で答えが返ってくる。カウンター席が面白いんじゃない?と喉まで上がってきた言葉をそのまま飲み込む。コースの天ぷらに、子どもの大好きなきすの天ぷらと小海老のかき揚げを追加で注文。天つゆ、塩、ゆかりの混ざった塩、大根おろし、ゆずの入った大根おろしと食べ方のバリエーションがたっぷりあって、子どもも楽しそう。ゆずおろしを気に入って口に運んでいる様子を見て、大きくなったなぁと改めて思う。
デザートに食べてみるかと話していたアイスクリームの天ぷらは、お腹がいっぱいで食べられなかった。「小海老のかき揚げが一番おいしかった。全部海老だったよ」家でやるかき揚げは三つ葉や玉ねぎを一緒に入れるけれど、今度は全部海老のかき揚げを作るねという言葉を言いいかけて飲み込む。子どもが天ぷらを少し忘れた頃に、海老だけのかき揚げを揚げよう。
受験の翌日は元気に学校に行って、次の日は祭日。「明日は、8時30分に出るから。」朝から大人数でカラオケに行くらしい。みんな、おつかれさま。あと1ヶ月。残り少ない中学生の日々を思う存分楽しんでもらえますように。
あったかいと寒いが行ったり来たりする日々ですが、体調をくずさないよう、お気をつけください。今週も1週間、おつかれさまでした。