勉強中のもやもや。

今年始めたベトナム語。今のところ面白く続けられていて、週一回ずつ銀座にある教室に通っています。学校に行くついでに、銀座をぶらぶらする時間も楽しみのひとつになりました。

金曜日の15時からのベトナム語のレッスン。今週は類別詞を習う。

「ベトナム語の名詞には類別詞というものがつきます。類別詞の代表的なものはふたつ。生きているものにつくconと動かないものにつくcái。日本語で1個、2個と数えるような助数詞も類別詞です。」

英語やヨーロッパの言語にはない「類別詞」。類別詞という概念自体を初めて聞きました。今使っている教科書には、類別詞とはなんぞやという説明を詳しく書いていなかったので、東京外国語大学の言語モジュールのページを調べてみる。「名詞を特定化する機能を持った語のことで、主に修飾語句や数詞のついた名詞につくもの」と書いてある。フランス語の定冠詞「le」「la」「les」に近いニュアンスもあるのかな。

まずは「Cái nhà này đẹp.」という例文を見てみる。

頭にまず類別詞。動かないものにつくという「cái」。nhàは「家」の意味で、nàyが「この」という意味の指示代名詞。đẹpが「きれい」という意味の単語で、「この家はきれいです。」という意味の文章になる。

本や雑誌につく「quyển」という類別詞もある。本を意味するsáchにつくという。

「quyển sách セットで覚えちゃってくださいね。」

ここに何冊という数字を加える時には、漢字から来ている「巻」を意味するcuốnがついて、2冊の本は「2 cuốn sách」になる。quyểnはどこかに行ってしまうのね。このあたりがまだよく理解できていない。

ノートを見直しながら、どんどんこんがらがってくる。

50分のレッスンはあっという間に過ぎて、いつも以上に頭を使ったからか、ものすごくお腹が空いている。

銀座松屋の裏にあるベトナム語の学校から、何を食べようかお店を覗きながら、歌舞伎座方面までお散歩。ぼーっと歩いていたら、岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」に到着してしまいました。こどもが大好きな神田葡萄園のマスカットサイダーを買ったり、りんごの違いで味比べのできるりんごジュースを買ったり。都立高校の受験が迫った息子の喜びそうなものをちょこちょこと買う。この時期に親ができることはなんにもなくて、唯一やれることは、おいしいごはんと楽しいおやつを出すことくらい。マスカットサイダーとりんごジュースはどんぴしゃり。とても喜んでくれました。

食べたいもののあてがないまま、日比谷方面に戻ろうとUターン。昭和通りを渡ろうとしたところで「ナイルレストラン」の建物が目に飛び込んできました。

スパイスのきいたカレー。語学学習中の腑に落ちない時間のもやもやを、ファッと吹き飛ばしてくれるのに一役買ってくれそうな気がする。席に座って、ムルギーランチとラッシーを注文。そういえばムルギーってどういう意味なんだろう。ぽちぽちとムルギーを検索してみると、インディ語で「鶏肉」のことでした。ムルギーは場所の名前だと思っていたら、食材の名前だった。

「鶏肉」をベトナム語にした時には、類別詞は何になるのかな。生き物の「鶏」ならcon gà。鶏肉になってしまうと、生きているものではなくなるから「cái」がつくのかと思いきや。「thịt」という新たな類別詞が登場しました。〇〇肉には全て「thịt」がつく。牛肉はthịt bò、豚肉はthịt heo。そして鶏肉はthịt gàになるようだ。やはりてごわい、類別詞。新しい単語に出会ったら、ひとつひとつ解明して覚えていくしかないやつだな。いろいろと検索していると、類別詞についての一番わかりやすい説明と出会うことができました。

「類別詞とは、名詞の前につけて、その名詞が動物なのかモノなのか、丸いものなのか綴じられたものなのか、といった形状や性質を表す働きを持つ言葉 です。」

なるほど。新しい単語に出会った時に、類別詞を見ることでヒントを得ることができるというメリットがある。仲良くなれそうにないと半ば手を離しかけた類別詞の手をもう一度キャッチすることができそうだ。

そんなことをぐるぐる考えていたら、ムルギーランチのいい匂い。テーブルにお皿が到着して、チキンを骨から外してくださる儀。ターメリックライス。マッシュポテト。キャベツ、グリンピース。

ここでも類別詞はなんぞやと考えながらカレーを眺めてしまう。キャベツなどの葉野菜の類別詞は、レッスンで「cái」で良いと学んだばかり。一玉、二玉と数えるものは「cái」でいいようだ。ただし、野菜でもじゃがいもやさつまいもなどの根菜類は「củ」になるそうだ。グリンピースは人さや、ふたさやと数えることになるのか、豆ひとつぶひとつぶのカウントになるのかで類別詞も変わるのかな。ベトナム語のウィキペディアを調べてみたのだけれど、類別詞はわからなかった。次のレッスンでホン先生に聞いてみよう。

お米も一粒一粒と炊いたごはんでは類別詞も変わるのかな。銀色のお皿の上で、ターメリックライスとカレーとマッシュポテトを混ぜながら、いろんなことが、気になり出す。

スパイシーなカレーで、語学学習中のもやもやをスッキリ吹き飛ばすはずが、もっとモヤモヤしてしまった。でもこのモヤモヤ、悪くない。

次回のレッスンは、質問だらけになりそうです。

みなさま、今週も1週間おつかれさまでした。2月もあっという間に後半戦ですね。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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