「変えられない」ことを知る。

おはこんばんちは。飯塚です。

クリスマス、無事終えました。

今年最後の投稿です。

毎年恒例、ジンジャーブレッドハウス作りとミンスパイ作りも無事終了。

毎年、一年過ぎるのが早い。

今年は日本に帰国出来た上に長男が来年三月まで日本の小学校で学ぶ事になったり、次男も日本で三週間幼稚園に行けたのは収穫でした。

夫は激務に追われた一年。

仕事がひっきりなしに入りありがたい限りです。

私は来年の開業が目標です。

私の未来の仕事先。夫の工房と同じ敷地内の廃屋を夫が建設中。ですが他の仕事の空いた時間にやっているのでなかなか進まない…。今はこれよりちょっとできている。

「誰かから聞いた話」を離れる息子に。

今日は2023年最後の投稿なので、今年、子供や友達と話題にした話を。

小学校三年生の息子は11月から私達と離れて私の両親と暮らしています。

母から送られてきたクリスマスディナー写真。ビーフシチュー、ピラフにチキン、ケーキを前に嬉しげな9歳児。

アイルランドの学校に比べて人数が多い日本の小学校。

小学校三年生、子どもなりに友達の好き嫌いはあるなぁ、いじめも仲間外れもあるかもしれないし、揶揄われたりもするかなぁ、なんてなんとなく気を揉んだりするのが親心。

で、どこかで誰かが言っていた言葉を思い出して、そのまま息子に伝えました。

「10人中、2人は性格が合って大好きな人、6人は普通に仲良くできる人、残り2人は合わない人。これからどこの学校や社会に行ってもだいたいこの比率で好きな人や何をしても好きになれない人がいる。自分自身も相手にそう思われる。自分が嫌いな人や自分を嫌う人と無理に仲良くする必要はないし距離を置けばいい。ただ、友達には優しくして信頼関係を築いていけばいい。」

これを聞いたのは割と最近だけれど、聞いた時に

「本当にその通り!子供時代に知っていたら気が楽になっていたんだろうな」

と思いました。

学校も職場も凄く気が合ってお互いに認め合い共鳴する人に出会えた一方で、どう足掻いても自分を嫌う人や嫌味ばかり言う人はいたし、私自身が好きになれない人はいた。

また例えば、ルックスもよくて性格も優しくて勉強もスポーツも出来ても、全員から好かれる訳ではない。嫉妬しながら難癖つける人はどこかにいるのが世の常。

どうしても合わない人に好かれようとする努力はたいてい無駄。必ず存在する「苦手な人や嫌いな人」とは極力関わらないのが得策。

という事実を子供のうちから知ると世界が楽かな、と思い、9歳の息子に送る言葉とさせてもらいました。

とはいえ、息子はたぶん私の話なんて覚えてないかもしれないし、今は友達と仲良く遊んで楽しい学校生活を送っているよう。

杞憂で良かった。ま、まだまださきは長いのですが。

パートナーと「嫌い」は合致しますか?

あともう一つ、昔に聞いたか読んだ話。

「パートナー選び「好きなものが合う人」よりも、「嫌いなものや受け入れられないものが合致する人」だと上手くいく」

これ、先日の帰国の際に友人とお酒飲みながら話したら

「あー、それ!確かにそうだね!わかる、わかる」

となりまして。

この説は2012年、モロッコを旅してる時か、その前くらいに聞いた気がする。

というのは、モロッコ旅はたまたまマラケシュの宿で一緒になったスイス人女性のマリーナとスケジュールがほぼ同じだというので2人で10日間、一緒に旅する事になって。

マリーナです。マラケシュ発二泊三日サハラ砂漠ツアーも一緒でした。

運が良い事に、彼女とにかく居心地のいい人でした。

彼女の明るさや好奇心、気の遣い方が自分と似ていて、本当に楽しくて。

日没を延々と見たり。

インドも旅した事ある共通点があり朝から晩まで色んな話をし、美しい景色を見に行き、美味しい物食べて、たくさん笑って。

マラケシュのナイトマーケットでご飯!!
サハラ砂漠ツアーはタジン鍋

で。ある宿に泊まった際に「うまくいい表せないけどなんとなく嫌な感じがするオーナー」がいたのです。

私はその宿のオーナーに対して抱いた「なんとなくな嫌悪感」は特に口にせず黙っていたけれど、宿を引き払いバスターミナルに行く道中、マリーナが

「あの人、理由はわからないけど、どうしても好きになれない感じだったわ」

と言うので、「なんだ、同じこと感じてたのか!」と少し驚きながら「実は私もそう思ってた」と告白し2人で笑ってしまいました。

シェフシャオエン、近くの山に雪降ってたし何気にモロッコは極寒だった。
全てが青に染められているシェフシャオエン、街歩きが楽しい。

ある人に対して、いわゆる「生理的に無理」という感覚が合うのも彼女に違和感がない一つの理由かな、と妙に納得したのでした。

女性の一人旅には過酷な地、モロッコ。

マリーナが一緒でよかった。

彼女のおかげで夜も二人で歩けたし、モロッコ料理に辟易した頃にカサブランカでたまたま見つけた「KING BURGER」(バーガーキングじゃなくてキングバーガー🍔)に狂喜乱舞してハンバーガーとポテトを頬張ったり。

夕方到着したカサブランカ。マリーナの「世界で五番目に大きいモスクが見たい」とのことで見に行きました。
入口から覗いただけ。中には入れませんでした。

誰かと旅するというのは物事の優先順位や時間やお金のかけ方が合うのが大切だけれど、それまで気がつかなかった

「嫌いなものが合致する」

というのは、それ以降私の中の「ものさし」になっています。

「嫌いなもの」「受け入れられないもの」「許せないもの」は変えられない。

夫と私の「嫌いなもの」も合致しないと喧嘩になる。

お金と時間の使い方、食べ物、双方の家族との付き合い、ご近所を含めた人間関係、倫理観、子育て。

極端な話、相手が不倫しようが他にセックスする相手がいようが、それをお互いが「許せない」と思わない者同士なら関係は壊れない。

現にそういうカップルはいる。

例えば、コロナ禍に夫と話した

「子供にワクチン受けさせるか問題」

が合わない夫婦が離婚問題に発展するってのは納得できる。

今だと

「小学生にスマホを持たせるか」

とか。

この辺りの価値観、幸い私も夫も見解は同じ。

息子の同級生の何人かは既にスマホを持っていますが、夫と私は小学生には早すぎる、と思っています。

この嫌悪の擦り合わせ、今後もあまり違いがないといいけれど。

結局、他人も自分も変えられない。例え関係が悪くなったとしてもそれって双方が合わない、事が殆どなのではないか。

で、この言葉の出どころをご存知の方がいたらご一報ください。

今年一年、西の果ての戯言にお付き合いいただきありがとうございました。

みなさま、よいお年をお迎えください。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。