幼稚園体験入園を振り返る。

おはこんばんちは。飯塚です。

クリスマスのカウントダウンが始まってます。

どこもかしこもクリスマス。

クリスマスといえば、アイルランドとイギリスはこのミンスパイ。今年もまた懲りずに研究しています。

車に乗ればラジオから聴こえるのはもれなくクリスマスソング。

マライア・キャリーも、ワム!は既に聞き飽きてます。

クリスマスの定番と言えばジョン・レノンの「Happy Christmas 」。

このコーラス部分War is over の歌詞、自分の中で歌うと必ずlove is over になってしまい、その度に「欧陽菲菲じゃないかい!」と一人ツッコミ。日本人ならばきっと似たような人がどこかにいるはずだ!と思いながら毎度クリスマスをモヤモヤ迎えています。

個人的にはSladeの「Merry Christmas Everybody」が好きですが、今年のラジオはつい先日The Pogues のボーカル、Shane MacGowan(アイリッシュ)が亡くなったことで「 Fairytale Of New York」がよく流れてくる。ケルト風のクリスマスソング、これもいいのです。

去年の一時帰国は100点満点ではなかった。

昨年、日本に一時帰国した際に当時小学校二年生の息子1号は三週間の体験入学ができました。

当時8歳だった息子1号、新しい環境は刺激的で毎日めちゃくちゃ楽しそうで。

帰宅すると嬉々として学校の話をする。

方や、当時4歳の息子2号、動物園や近所のロバがいるお寺、また徒歩15分の公園に行く、などしたもののやはり寂しさは募り。

我が家の近所のお寺にはなぜかロバさんがいます。
動物園も年パス買えばよかった、というペースで通った。

公園では一応顔馴染みの子供達とちょっとだけ遊びはしたし、その子達のママさん達にも可愛がってもらったものの、なかなか「お友達」とまではならず。

通った公園。一応同じ年頃の子達とは何度か遊べた。

私自身も、4歳児を楽しませなければ!と毎日出掛けなければならずしんどかった。

イキイキしている長男がいる分、次男の孤独さが際立ってしまったのが前回の一時帰国の反省点。

みんな平等に、幸せにしなきゃいけない、というのは時に難しい。

息子2号の幼稚園入園は可能なのか?

という訳で、航空券を取ってわりとすぐに息子2号の幼稚園体験入園先を探していたら、運良く我が家から徒歩5分の幼稚園に空き枠が!

園にメールで三週間の入園が可能か聞くと、すぐに良い返事がきた。

やった〜!これだけでどれだけ気が楽になったことか。

本人が行ってくれるかはまた別問題だけれど、受け入れ先があるだけでもありがたい。

幼稚園からメールをいただいたのは日本に行く4カ月も前。

息子2号には一応「今度日本に行く時はあなたも幼稚園に行ってお友達と遊べるよ」と折に触れて伝えていた。

5歳児は何を思いながら聞いていたのだろう。

実は私自身は少し不安だった。

長男に比べると少し拘りが強く若干人見知りもする。また彼は一度決めると周りがどんなに説得しても意思を変えない。

プライドも高く自信がない事はやりたくない。日本語が堪能ではない事で笑われたりしたら行きたがらなくなったりしないかな。

園側が受け入れてくださっても、

「行かない!」

などと言うかもしれない、という可能性は考えていた。

登園前のご挨拶。

日本に到着し、幼稚園に連絡をし息子と初めて出向く。

メールでも、一応「面接」がある、と言われていたのだ。

息子になんとなく

「今日行って、やっぱり来ちゃダメです、なんて言われたらどうしよう」

と軽く冗談を言うと

「なんで?僕は行くんだよ。もう決まっているんだから。」

とはっきりと言う。

よかった。

長男と比べると今まであまり楽しみな風でもなかったけれど、ちゃんと前向きな気持ちなんだな、と初めて彼の気持ちを確認できた。

幼稚園は我が家から徒歩5分。

息子1号の小学校の真向かいだ。

あれ。去年から作りが変わっているな。土地を拡張して入り口や事務所、駐車場が増えている。

中に入りスタッフさんに声をかける。

優しい木目調の事務所、すのこが引いてある半外と繋がっていて子供達は自由に遊んでいて開放感がある。

担当の先生がすぐに笑顔ででてきた。

靴を脱いで事務所の奥に通していただく。

先生と私で話す事になり、担任の先生が

「H君は中を見てみんなと遊んでみるかな?」

と息子を促す。

子供達がガヤガヤと遊ぶ様子に惹かれたのか、息子はなんの躊躇もなく先生についていった。

その間、園の説明、給食などの話を聞く。

幼稚園によって理念が違う。

語学に力を入れた英才教育の園がある一方でここは「遊び」や「季節のイベント」などを大切にしている。

就学前の子供達に勉強などはなく、ひたすら遊ぶ。

また給食はできるだけ和食中心。契約農家からお米を買っているこだわりぶり。

園内のキッチンで作られたお昼ご飯を食堂でいただくのだそう。

「食事時間はきちんと決まってはいないんです。食堂に暖簾がかかっている間に食べに来てもらいます。お腹が空いているのか、遊びに区切りがついたのか、自分の食べたい時に来てもらいます。暖簾をしまう時間にまだ来てないようならスタッフが声がけして食べてもらいます」

と子供達の主張性を大切にしているらしい。

海外生活だと学年がよくわかりません。

持ち物や時間、支払いなどを確認し、最後に書類に記入する際に問題発生。

年長さんで申し込んでいたけれど、実は年中さんなんではないか。

私が勝手に年長さんだと思い込んでいて、メールでもそんな話のまま、一度も生年月日の確認がなかったのだ。

先生が慌てる。

「あ!確かにその年生まれだと年中さんですね!」

「そうでしたか!すみません。アイルランドで通常幼稚園に2年通うのをあの子は1年しか通ってなくて小学校に入れちゃいました。今クラスの子達は皆だいたい一歳上の子ばかりなんです」

「え?もう飛び級してるんですか?」

「飛び級、ってわけではないんですけど、親が自分で判断するんです。この子は幼い頃から長男の友達と遊ぶので大丈夫かな、と決めたんです」

「そういうの、あるんですね。えっと、ちょっと待ってください。確認だけしますね。でもこの段階で年中さんだから、とお断りすることはないですから安心してください」

確認から戻った先生、

「やっぱりこちらは生年月日で区切るので、年中さんに入れさせていただきます。大丈夫でしょうか。」

「もちろん大丈夫です。ちゃんとお伝えしてなくて失礼しました」

既に年長組で紹介され遊んでいた息子。年長組の先生がやって来て

「せっかく年長組の子供達と遊び始めてたけど、年中だったんですね。幼稚園で飛び級あるんですねー」

うーむ、飛び級、ではなくてシステムが日本と違うだけなんだよな、これって。

帰る間際になって、クラスも友達も先生も変わる事が伝えられた息子は少し戸惑った様子。

それでも約1時間、友達と遊べたのは楽しかったらしい。

帰るのを少し渋っている。

「ではよろしくお願いします」

と園を出て

「どう?あそこに行けそうかな?」

と聞くと

「うん。いくよ」

と明るくうなずいた。

良かった。

これも彼にとっては冒険だな。日本語の世界で初めてのお友達と遊ぶ事を楽しく思えたら最高なんだけど。

がんばれ。

と思いながら私の心はずいぶんと軽くなった。

来週に続きます。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。