東の果て⇄西の果ての旅。
おはこんばんちは。飯塚です。
時差9時間の西の果てに今週火曜日に戻ってきました。
出発日、東京の予想最高気温25℃。って、それ夏ですよね?
今年の夏、日本の人と話す度に「暑すぎる」とは聞いていたけれど、確かに11月に連日25℃とかも異常な気が。
かたや、私らが不在の間アイルランドは連日雨。
10月は私の住む村の海沿いは5回も洪水被害に遭い、私がいつも買い出しに行く町も大洪水の被害に。
今まで水害被害に遭った事がないその地区、川が氾濫し15分という短時間で町に水が溢れたそうだ。
「10月はずっと雨だった。最近やっと晴れの日も増えてきたけど、こんな雨ばかりなんて耐えられない」
一方で世界のどこかでは山火事や干ばつのニュースも絶えない。
世界規模な異常気象。
今でさえ大変なのにこれから悪化するなんて考えたくもない。
必ず聞かれる「日本とアイルランドは何時間かかるのか」問題。
日本一時帰国で避けられない憂鬱な事。
長すぎるフライト。
アイルランドと日本の直行便はない。
私の家から車で40分の空港だと日本行きはだいたいロンドンかパリ乗り継ぎが一般的。
以前は、乗り継ぎ込みで最低15時間かかったのが、今は18時間。
この「以前」とはロシアがウクライナ侵攻する前、を指している。
ロシアが戦争はじめてから、ロシア上空は飛べなくなったからだ。
コロナで日本に帰れなくなった欧州在住組にこれは大打撃。
航空事情が変わり、ヨーロッパからは中近東から南ルート、または北極地点近郊ルート、またまさかの太平洋を超えてアラスカ、グリーンランドを飛び越えるルートに変更せざるを得なくなった。
以前よりも遠回り、という事は航空券も上がる。燃油費高騰も手伝い、航空券はコロナ前の倍近くになってしまった。
東京からロンドンの航空時間も11時間から15時間近くになり、前より4時間余計にかかる。
11時間と15時間、同じようで全然違う。
飛行機飛んで機内食食べて。7時間くらい経った時に11時間ならば、「あぁ、あと4時間か」だけど、15時間だと「こんなに経ったのに、まだ半分かぁ〜」と。
何が言いたいかってとにかく、長すぎる。
我が家の息子2号、昨年4歳の時は長すぎる拘束時間に声を殺して泣いたり、ストレスからか機内食を一切食べなかったり。振動に酔ったのか嘔吐もした。
子供旅、機内持ち込みに着替えや食料は必要です。
機内持ち込み荷物には不足がないように。以前の経験から嘔吐する可能性を考慮し子供達の服は2セット、機内食食べない事を想定して子供達の好きな食べ物も。
ニンテンドーSwitchのチャージも完了。
朝、羽田まで見送ってくれる父と出かける。
朝7時前の山手線、もう混んでるのか。
5歳児は
「お腹いたい」を繰り返して、浜松町の駅でトイレに二度も行く。
きっとストレスや疲れからの腹痛かな、先が思いやられる。やばいな、トイレでかなり時間が取られて空港到着予定時間がかなり狂った。
何とか間に合い、空港に届いている荷物を受け取りそれらを機内預けに出して、30分だけ空港の屋上で腹ごしらえ。
見送りにきてくれた私の父ともお別れだ。
2歳児は何が起こるかわかってないな。
5歳児は昨年ほど悲しくなさそう。
「どうもありがとう。またね。」
とセキュリティに向かう。
さて、15時間の旅はいかに。
日本からロンドン行きの便、羽田を出るのは朝10時。
子供達、よくがんばってくれました。
同じ事をする分、子供の成長が顕著にわかる。
特に今回は息子2号の成長ぶりが頼もしく。
あまり眠くはならないけれど長旅を淡々と受け入れSwitchをしたり、映画観たり、ご飯もしっかりと食べて。
いゃ〜、君、素晴らしいね!
「えらいね。頑張ってるなぁ」と励ますと
「飛行機、慣れた気がする。何をすれば良いか掴めてきたよ。全然好きじゃないけど、しょうがない。日本は好きだし楽しかったけれど、遠い。しょうがないよね」
そうか、そうなんだよね。
ホント、しょうがない。
5歳、わかってるな。
色々心配してたけど、杞憂だった。ありがたい。
そして。2歳児。
彼女は動き盛りである意味一番の懸念材料だった。
しかし、たまに通路を歩き回るくらいで殆ど泣いたり喚いたりせず、その状況を受け入れているよう。
さっきまで一緒だったおじいちゃんは?
おばあちゃんは?
一番上のお兄ちゃんは?
これからお父さんに会いに行くの?
この質問を繰り返す。
(9歳の長男は日本に残りました。その話は次回にします)
雲の上を飛ぶ狭い機内で、状況と私達の会話を聞きながら理解をしていたのか、いないのか。
たまに
「かえる。かえる。」
と訴える。
確かにね、ここにじっとしてるの嫌だよね、帰りたいよね。
14時間半かけてロンドンのヒースロー空港無事着陸。
降りる準備をしながら前の席の欧米人カップルに一言、
「道中騒がしくて失礼しました。」
と声をかけると
「全然よ!二人で感心してたのよ。ずいぶんと我慢強い子供達で凄く静かでびっくりしたわ。あなた達すごいわね。やっとついて良かったわね。」
「実はまだこれから4時間乗り換え時間があってアイルランドに行きます。」
「え?ここが終点じゃないの?」
「でもこの長時間フライトさえ済めば、自分の中で8割終わったような気分でずいぶんと気が楽。あとは子供達を空港で遊ばせて1時間半のフライトだけなんで」
そう、15時間のフライトに耐える事が一番難しいのだ。
乗り換えとイギリス→アイルランドは楽勝なのだ。
ムズムズと動きたかった子供達にはヒースロー空港のターミナル移動やセキュリティなんかはむしろ溜まったエネルギー放出時間。
次の飛行機のゲートが案内されるまで子供達をいつもの遊び場に連れて行き、ご褒美にチキンナゲットとポテト、ジュースを買う。
子供達を連れていると免税店でお買い物はできないけれど数年後まで我慢だ。
ゲートが案内され、トイレを済ませてやっと搭乗口に。
機内に乗り、出発し私含めて全員爆睡。
だって今は日本時間、朝5時だもんな。疲れ切ってるよ。
ロンドン発のコーク行きも予定通り到着。
荷物も全て無事に運ばれてきた。
日本の家からアイルランドの家まできっかり25時間。
本当によく頑張ったね、ありがとう!