夏にしたかった事。
おはこんばんちは。飯塚です。
夏休みが終わり学校生活が始まったと同時に夏が戻って来ました。
毎日晴天で20℃。
人々は苛立ちを露わにする。
「7月8月は雨風が酷かくてどこにもいけなかったのに、なぜ学校が始まってからこんなに天気がいいんだ」
アイルランドのキャンプサイトなどは昨年より売り上げが40%も落ちたそう。お土産店も外食産業も軒並み厳しい売り上げだったこの夏。
夏は船でどこかに出かけたい。
誰もが愚痴を漏らす中で夫も
「よし!夏にしたかった事するぞ。週末は子供達をうちの親に預けてボートでシティに行って外食しよう」
これ。確かにずっとやりたかったリストだったのだ。
夫の友人達はみなさん子供達を自分の親や兄弟に預けて飲みに行ったり旅行に行くのが普通。
我が家はあまり預けないけれど数ヶ月に一度そういう機会があるのはありがたい。
目的地はアイルランドの第二の市、コーク。我が家からは車で40分。
通勤圏内だし、私も7年前は週5日約一年間通勤していた。
コロナをきっかけにシティにはめっきり行かなくなってしまったけれど、たまには美味しい物を食べに行きたい。
そういえば。
夫の友人が良さげなレストランの厨房で働いていたな。
せっかくだから行ってみよう。予約も完了。
という訳で土曜日12時に船出。
晴天だけど風はない。モーターでゆっくり進む。
リラックスできるのは、特に小さな子供がいないから。
ボート慣れした男児達は別に心配しなくともちゃんと危険をわきまえているけれど、2歳のわんぱく女児は目が離せない。
ライフジャケット嫌いなくせにデッキのベンチに立ったりする。
落ちるよ!危ないよ!と言っても聞かない。
いっそのこと一度海に落ちて身をもって学んだ方がいいんじゃないか、とすら思う。
湾内を抜けて初めての航路。いつもは陸路を車で行くのを海から見るのはまた新鮮。
出発から3時間で目的地に到着。
船着場にはオンラインで停泊料を支払う。
たまには街の様子をお伝えします。
船着場はほぼ市の中心地。
レストランの予約は5時半。それまでそれぞれお買い物。
やっぱり週末はそこそこ賑わっている。
買い物は男児達の靴下と下着、私の靴下、調味料。
色気ない買い物。
なぜなら三週間前に一人でシティに来たばかりだったからだ。
レストランの予約前に近くのパブで一杯。
こんなおしゃれな外食、何年ぶりだろう?
5時半だ。さあ、レストラン行こう。
メニュー見ながら
「何にしようかな、」
店員さんの説明によるとスターター、メイン、デザートをそれぞれ二種類ずつ楽しめるtasting menuなるものがあり。それだと二人一緒でないといけないらしいのだけど。
スターターは本当に一口分の量しかない。
牛肉のカルパッチョも、エビのマリネも味付けが繊細で美味しいけれど。
こんな感じならお腹いっぱいにはならなさそう。
この後のフォカッチャ、魚、ラム肉のメインは食べ応えあり。
厨房からは友人が出てきてサービスのお皿も。
デザートも二品にサービスのチョコレートでフィニッシュ。
いやー、たくさんメニューあってどれも緻密に仕上げていて味付けも食感も多様で、一つ一つ全部美味しいって素晴らしいね。
たいてい
「あれはイマイチだったなー」
みたいなのが一つくらいはあるのだけど、そんな瞬間は一ミリもなく。
知り合いと必ず遭遇するアイルランド。
なんて夫と話しながら大満足で店をでたのは夜7時半。
まだまだ明るい。
ボート近くのパブで一杯飲み、さてボートに帰るか、でまさかの「夫の叔父さん」に遭遇。
彼も同じ停泊場にボートを泊めているという。
ボートに戻る途中で確かに叔父さんのボートに叔母さんと娘(夫の従姉妹)がおり、挨拶したらそのまま
「飲んでいきなさい」
となり私はワイン、夫はビールをご馳走になる。
お金持ちの叔父さん、ボートもかなり豪華。実は彼の家はこの停泊場から徒歩圏内の高級住宅街にある。
けれどもここにボートを泊めてデリバリーの夕ご飯を食べてちょっと違う日常を楽しんでいる。
それにしても、どこに行っても必ず知り合いに会う。不倫などはまずできないといつも夫と話している。
本当に狭い世界。
夜が明けたら視界は真っ白。
翌朝、7時過ぎに目が覚める。
トイレもシャワーもない停泊場。
ボートに一応トイレはついているけれどあまり使いたくないよねぇ、という訳で徒歩15分かからないMarina Market へ。
日曜日も朝8時から開いているマーケット。
二年前くらいにオーブンしたこのインドアマーケットは基本的に年中無休。
巨大かつちょっと洒落たフードコート。
ドッグランスペース、服やアクセサリーも売っていてかなり楽しめる場所。
コーヒーと朝ごはんを済ませ、帰る途中のガソリンスタンドで新聞を買い、ボートに戻る。
では出航。
霧が深い帰り、あまりに視界が悪いためゆっくり進み、携帯の船のナビゲーションアプリと前方に目を凝らす夫。
いきなり大きな船が登場したらこのボートは転覆する。
濃霧は少しずつ晴れ、我々のテリトリーの湾内に着いたらきれいに晴れていた。
到着は12時。
昨日の出航からきっかり24時間。
楽しかった!
やっぱり美味しい物を大人だけでゆっくり食べる時間は贅沢だな。
義理のお父さんお母さんには感謝。
またしばらく頑張ります。