冷たい うどんにカボス
こんにちわー。ムトーです。
ちょっと涼しくなりましたね。
前回は僕がコロナに罹ってしまって、本調子にならずにお休みさせてもらいました。
せっかくなので、僕が罹ったコロナはこんなのだぜ、というのをお伝えしておきます。(あくまで僕の場合)
今年の6月くらいからマスクを着けなくなりまして。3年間ずっと感染することなくやってきたから、もう、僕は罹らないタイプの人間なのかもしれない、とか思ってる感じでした。
8月の上旬に毎年地元の夏祭りがあって。その準備をお手伝いするのが恒例となっているんですけど、その準備中、終始 からだがキツい。ちょっと坂道を歩くと息切れする。
おかしいな、こんなに体力落ちたかな、とかって不安になって。無理して頑張ろうと思ったけど、無理。終始役立たず。
家に帰ると、全身の倦怠感がより強くなって、ちょっと起きていられない。床に横になってみる。ちょっと頭が痛い。扇風機の風が手に当たると、指先に少し痛みを伴った違和感を感じて。
あ、これは悪寒がして熱が出るときのサインだ。
熱を測ろうと起き上がるとふらふらするし、腹筋や脇腹が少し痛む。
熱は37.4℃。
あー、熱出た。コロナかインフルエンザかな。
19時くらいに体温計とペットボトルのお茶を持って寝室に行き、ベッドに倒れ込む。
咳は出ない。喉も痛くない。
7年くらい前に扁桃腺を手術で取ってからというもの、風邪などの時に「喉が痛い」と思うことがなくなった。なんというか、痛むはずの「のど」の部分が無くなっているから痛まない、というイメージ。
痛いのは、腹筋と頭。
土曜日の夜に発熱してしまったので、病院で診てもらえるのは月曜日。もう、何も出来ないからとりあえず寝る。
いつの間にか眠っていて、目が覚めたら日付が変わっていて。熱を計ると38.8℃。おー、こりゃ本格的に悪くなるかも。家にあった解熱薬を飲んで、また寝る。
朝になって熱を計ると薬が効いていた。
日曜日だけど、終日寝る。食べ物は毎食くだもののゼリー。人生で片手で数えるほどしか経験がない「食欲がない」状態。この日は夜に39.8℃まで体温が上がる。これが今回の病気の最高体温。薬でまた熱を下げて月曜日の朝を迎える。
病院に電話して予約。指示された時間に、指示された場所に車を停める。
しばらくすると、二人組の看護師さんがやって来たので、車の窓を開ける。保険証を渡し、名前と生年月日を確認されたら、すぐに長い綿棒みたいのを鼻に入れられてグリグリされる。このグリグリが想像よりもがちょっと時間的に長くて、ちょっと痛い。大人なので平然を装うことができるけれど、僕に理性がなければ「わーーーーー!ぐへーーーーーー!!」と騒ぎ暴れて検査を拒否していることだろう(そんな大人になるな)。
僕の鼻から抜き取った綿棒を持って、病院内に戻る看護師さんふたり。
どれくらい待ったかな。またふたりの看護師さんが戻ってきて、検査薬の反応を見せながら「しっかり出てますね。コロナ陽性です。」と伝えてくれた。陽性かあ。そっかあ。多分そうだろうとは思っていたけれどちょっとショック。
解熱の薬とコロナ陽性だった証明をもらう。
その駐車場から職場に電話。発熱の翌日から5日間は自宅で療養しないといけないので、木曜日までお休みをいただく連絡。
そのあと、土曜日のお祭りの準備で同じ車に乗った人にも「体調悪くなったらコロナを疑った方がいいかもしれない」と連絡。
薬で熱が下がっていると結構体調もよくて、あと4日も仕事休んでいいのかしら、と思う。
それでも家に帰るとテレビもスマホも見る気にならずに、また横になる。
いつの間にか眠っていて目を覚ますとまた39℃近い。薬で熱を下げたい。でも、それだと熱でウイルスを殺すという仕組みが働かない気がして、ちょっと薬を飲まずに寝てみることにした。この日の夜がキツさのピーク。
火曜日の朝、汗だくで目を覚ます。
わー、めちゃくちゃスッキリ。熱を計ると37℃代前半。
おおお、勝った。コロナに勝った。克った?
火曜日の朝にこれだけ回復していたら、金曜日には元気に仕事に行けるはず。
お腹が減った。久しぶりにちゃんと朝ごはんを食べよう。
インスタントの味噌汁を作って、ご飯をよそって。
味噌汁椀を口元に近づける。
ん??あれ。
味噌のにおいがしない。口に入れても、塩味を感じるだけで風味はない。
着ているTシャツの裾を鼻に持って来てクンクンしても、柔軟剤のにおいが全くしない。
え。え。
冷蔵庫のキムチ、部屋の芳香剤。香水。
なんにも匂わない。
嗅覚や味覚がなくなる、という症状を耳にしていたけれど、僕はそれがなかったな、と思っていた矢先。
熱が下がってからこういうことが起きるのか(僕の場合ね)。
ネットで「コロナ 嗅覚 いつ戻る」と調べる。
大体のひとが2週間くらいで戻る。けれど全く戻らないひともいる。ほぼ戻ったけれど完全ではないひともいる。
というようなことを書いている。2週間くらいこの状態続くのか。戻らない場合もあんのか。。
心配になる。ご飯が美味しくない人生って嫌だな。
お米も味噌汁もまったく食べられないので、あきらめてまた果物ゼリーを食べた。甘いだけのゼリー。
その日の夕飯、さすがにお腹が減ったので、うどんを食べることにした。
冷たいうどんを食べよう。ずずずって流し込めばいいや。麺を茹でて水で洗って、器に盛って、麺つゆをかけて。クセで青ネギを切った。なんの香りもしない薬味。大分名産のカボスは旬なので家に常備している。あー、香りはしないかもしれないけど、酸味が良さそうだな、と思い。カボス果汁を冷たいうどんにかけた。冷やしうどん完成。
試しに香りをかいでみたけれどやはり同じ。
はぁ、とため息をついて、うどんをひと口すする。
ん?!
え!!
「うま!!」
おいしい。鰹だしの香りもネギもカボスも感じる。
おおおお。これはわかる。もう、一生これだけ食べていこう。
不思議なことに、あったかい出汁のうどんだとわからないんです、香り。
夏でよかった。冬だったらこれに気づくことなかったかもしれない。
もし、コロナで嗅覚がなくなって食べるものに困ったらこれ試してください、冷たいうどん。スダチでもいいけど、できれば大分のカボスをかけて。
嗅覚がなくなって3日間、うどん以外のにおいはわからない。
4日目に気づいたんですが、衣類とかソファとかのスプレー型の匂い消しあるでしょ。
あの類のにおいは強烈に鼻を突いてくるんです。いつもよりも強く感じる。
そして7日目くらいに一気にいろんなものの香りがわかるようになりました。
いまはもう、ほぼ回復。
でも大好きなコーヒーの香りのいちばん華やかな部分が感じ取れない。いまいち美味しく飲めない。
まあ、徐々に戻るでしょう。
体が本調子になるまでに僕はもうちょっとかかりそう。
餃子を作れるくらいには回復(じゅうぶんじゃん。
同じ時期に罹ったひとたちは「喉が痛かっただけ」「なんともなかった」「1日だけ熱が出た」など症状がさまざま。
でも、もし、においがしなくなったら、冷たいうどんを思い出してください。
罹らないのが一番ですけど。
妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー