海外日本人妻の憂い。
おはこんばんちは。飯塚です。
長い夏休み、終焉のカウントダウンが始まってきました。
やったー!
毎週、さて何を書くかなぁ。と考えながらなんとなくテーマが決まっていきますが、一応気をつけている事があって。
いかにも「主婦」みたいな話、自分の子供達の事ばかりに偏らないように。
それらを避けたら結果的に食べ物とボートの事ばかりになっているという(大丈夫ですかね?)。
海外子育ては大変なのか?
たまに
「海外で子育て大変ですね」
とか
「アイルランドで子育ていいですね」
などあまりアイルランド事情がわからない人達に言われる事もあるけれど、一言で「海外」と言っても色々ある。
都会でインフラが整っていて日本人のコミュニティがあり、日本よりは若干割高とはいえ日本の物が殆ど手に入る「海外」。
不便な田舎で日本人もおらず、日本の調味料は遠方まで出かけないとなかなか揃わない「海外」。
私のエリアは完全に後者とはいえ、最近は大手のスーパーでも味噌やみりん風調味料、蕎麦なども置くようになったおかげででほぼ不便はなく。
また田舎で不便だけど車があるし、車で5分の夫の両親にサポートしていただけるのはこの上なく心強くありがたい。
住み心地に関しては、国民性や気質もかなり影響があるはず。
いつもアイルランド人の愚痴ばかり言うけれど、基本的にアイルランド人はとても優しい、と思う。
気を使ってくれるし、温かい。
子連れには特に声をかけてきてくれたりする。
車の運転をしても譲ってくれたり、スピード計測がいる場合など対向車がライトを点滅して教えてくれたりするのが普通。
アイルランドに住む外国人は一様に口を揃える。
「アイルランド人優しくて居心地いいよね」
インドに住む方のインタビュー、次元が違いすぎる。
国民性と住み心地の相関関係を思い知らされたのは、アイルランドに住んですぐの頃、インドのバラナシで有名な日本人宿、久美子ハウスの久美子さんのインタビューを読んだから。
これは私がかいつまんで説明するより読んでいただきたい。
一人旅で一周したインド、もうとにかくしんどかった。
でも住むのはその比じゃないほど壮絶なんですね、と久美子さんの人生に驚愕する。
ご自身はノンキ、とか言ってるけれど、我慢強さ、忍耐力は並大抵ではない。
近くに友達がいない場合も「共感する相手」が欲しい。
こちらに来た10年前は車が運転できず凄く不便で陸の孤島にいるような孤独感があったのは事実。
アイリッシュの英語も理解できず、インターネットの中の日本人村を覗いては共感したり感嘆して自分自身を励ましてた。
mixi(若い人は知らないであろう日本のSNS)の「海外で子育て」「国際結婚」コミュニティに入っていて。
自分自身は殆ど書き込むことは無く閲覧目的。
現実で日本人の友達がいない人はこの中で情報共有したり、愚痴を語り合っているのを見ていました。
強烈だったのはメキシコに住む日本人女性の投稿。
「夫の家族が私の赤ちゃんに哺乳瓶でコーラを飲ませるのが我慢できない。砂糖が多いからやめてください!と訴えても義理の両親は「赤ちゃんは好きそうだからいいじゃないか!あなたは赤ちゃんがハッピーなのにそれをやめさせる悪い母親だ!」と逆に非難される」
それを受けて、出てくる出てくる似たような家族の話。
コロンビア在住人も
「うちも全く同じことします!赤ちゃんにコーラ飲ませるの、どうしたらやめさせらるんだろう!」
と嘆きが。
肥満率と子供の虫歯率、とても高いという中米。この赤児にも容赦なくコーラ飲ませるってのも一因なんでしょうね。
日本の食育からくる常識はどこにでもある訳ではない。
これを読んだ当時あまりに衝撃的で夫の家族に確認してしまった。
「アイルランドでは赤ちゃんにコーラ飲ませますか?」
幸い、この質問に仰天されたので、私はこの手のストレスはありません。
日本人と出会いたいのは友達作りか?情報共有か?
先週はたまたま二日連続で日本人と会いました。
どちらもほぼ初対面。
夏休みに入り、定期的に会っていた日本人の友人達が帰国中という事もありしばらく日本人と話してなかったので、初めまして、の人達とはいえ楽しく過ごせた。
オーストラリアのメルボルン在住の女性、彼女の旦那さんが私達の住む村の対岸の町出身。
彼女とは7月頭にたまたま子供の遊び場で出会ったのが最初の出会い。そこで連絡先を交換して、また会うことに。
アイルランドには5年ぶりに来たという。
飛行機は30時間以上、費用も超高額。
久しぶりのアイルランドに3歳の息子さん連れてきて、時差ぼけもまだ落ち着かないうちに連日親戚が押しかけたり連れて行かれて精神的に参った、などと嘆いていた。
そうそう、アイルランドって家族仲がいいというか、「濃い」のが特徴的。だいたいこちらで知り合った日本人同士の愚痴はそれが多い。
義理の両親の圧が高い、というの。
そんな話を
「わかるわー」
などと語りつつ、オーストラリア事情なども話を聞いたり。
日本人も多いオーストラリア、日本の物はたいてい手に入るし日本人コミュニティもある。
子育てを日本とオーストラリアで数年おきにする人も珍しくないそう。
飛行機の時間だけではなく、感覚的に「日本に近い」のだ。
殆どの面で「便利な海外」だけれど、お互いの両親や親戚がいない分の不便さはある。
久しぶりに来たアイルランドで義理のお母さんは
「どう?アイルランドに住む事も考えない?」
的な圧もかけてきたらしいけれど。
とりあえずこちらに住む予定はまるでないらしい。
帰り際に私が近所で採ったキクラゲや海苔をあげようと思ったけれど、厳しすぎるオーストラリアの検疫の事もあり遠慮された。
オーストラリアの検疫の厳しさは有名で、空港の検疫のドキュメンタリー番組、あるもんね。
今はお米すらも持ち込み出来ないらしく、没収の上に罰金らしいので日本人には注意が必要だ。
翌日はフランスからアイルランドに移住しにきた方。
子供も我が家と歳が同じで良く遊べて楽しかったようだ。
旦那様もフランス人で、いわゆる駐在なので何年アイルランドにいるかはわからないと。
街中で賃貸を探したけれど全く見つからずに田舎の村に流れ着いた。
フランスの学校事情なんかも聞くとかなりアイルランドと違いがある。
9歳の長男君は英語の生活に慣れてはきたものの、遊びながらわからない単語は日本語も入れるのだそう。
田舎暮らしで旦那さんがいないと車もなく、それぞれの両親などサポート皆無は本当に大変だ。
今は大手スーパーがデリバリーサービス(有料)でやっているからなんとかなるらしいけれど。
私の車も子供達を乗せたらスペースはほぼ埋まっているので乗せてあげる事すら出来ないけれど、私もアイルランドに来てしばらく何年かはバスを利用していた話などする。
自分自身はアイルランド生活のベテランな気はなかったけれど、10年経つという事はもはやそんな立ち位置なんだと今更思い知る。
アイルランド、別に憧れて来た訳ではないけれど意外と住めば都。
彼女や子供達にもそんな風にアイルランドに馴染めたらいいな、などと改めて感じたのでした。