そういうものです。

前回からのあらすじ。若岡は10日で160kmのトレイルレース2本とイベントで90kmを走る予定でした。結果は、最初の160kmは完走したものの、同日のイベントでは、寝坊と切符紛失による遅刻で、16kmほどしか走れず。最後のレースに至っては、20kmほどで関門を突破できずに棄権となりました。

前週の疲れもあってか、最後まで調子が出ないままでした。ダメなときはダメで、どうしようもありません。そういうものです。

最初に走ったTOKYO GRAND TRAILは1位。いえい!

アメリカの小説家、カート・ヴォネガットは代表作の中で「So it goes(そういうものだ)」というフレーズを何度も繰り返しています。登場人物が死ぬたびに使われる言葉です。

いつかは訪れる最期。誰しもが避けられない運命です。そこに対しての諦観のような響きがあります。

実際に死ぬの生きるのとはほど遠いものですが、ことレースにおいてタイムや順位はランナーの生死をわかつものです。最高の状態で走りきることを目標にしてきたら、不本意な結果は受け入れにくいものになります。しかしながら、実際には天に召されるわけでもないので、受け入れて次に行くしかありません。

後ろを振り返ったところで、レースは終わっています。輝かしい栄光も、無残な結末も、等しく終わった出来事です。振り返るのは走るのをやめた時、年老いてからでも悪くありません。

走り続けるなら、前を向くしかありません。そういうものです。

立ち止まってしまうこともあるでしょう。そんな時は静かに天を仰ぐか、川の流れに目を向けます。行雲流水。何かに執着したところで、なるようにしかなりません。形ない雲や水のように、すべては変わります。

強いて言うならば、雲をつかもうと全力で走ること、水の流れに逆らって目的地に向かおうとすること。その過程が大事なのかもしれません。

早々にリタイアしたため、余った時間でほかのランナーを応援してきました。写真はその時の模様↓

超長距離だとスタッフも長丁場。山から下りられません。
この時点で、24時間近く走り続けていた選手。すごい。
休憩中のランナーと。自分だけ元気ですみません。

GJトレイル

そんなことを、ぼんやりと考えてみました。金沢→福岡→東京→金沢→京都→金沢、と大移動を繰り広げた結果、夏の日本列島縦断の準備がなかなか進んでいません涙。当然の結果です。そういうものです。執着はしないものの、のびやかに全力で進めねば!

ちなみに列島縦走あらため、「GJ Trail」と勝手に名付けました。グレート・ジャパン・トレイルというもっともらしい名称を付けつつ、実のところは「GJ=Good Job」の略語です。歩いて、走って、「よかったね」「よくやった」と言えるようなトレイルになればいいなあと密かに思っています。

わかおかの山日記

(隔週水曜日更新)
山を走ったり、歩いたりするのが好きです。よく忘れ物をします。そんな日々を記すライターでランナーです。

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