舌鍛錬道。

おはこんばんちは。飯塚です。

気づけば後約一か月で夏至。

現在こちらは日没が21:22。1日が長く、しかも今月はかなり好天に恵まれて誰もが夏の到来をしっかり楽しんでいます。

赤児、お隣さんの犬と遊ぶの大好き。

一般的にアジア人は辛いものが得意と言われています。

インド旅で観光船に乗った際、地元民の6、7歳位の男の子が食べているベビースターラーメン系スナックを一口お裾分けしてもらいました。

小さな男の子が食べてるスナックをなんの気なしに口に放り込んで、ビックリ仰天!

まさかのスパイシーな刺激が舌を直撃。

男の子にとっては私のリアクションも想定外だったようで、彼や周りの家族も驚きながら無邪気に笑いました。

インドでは辛口の私ですらたじろぐ物を子供が日常的に食べるんだ!

と、強烈に印象に残っている。

インド一人旅、人懐こい現地の子供達によく遊んでもらいました。これはガンジス川のほとりにて。

あのスナック、アイルランド人は大人も食べられないはず。

アイリッシュは辛い物が苦手。

そもそも辛い食べ物はあまり存在しないし、

「辛口」と言われると人々は敬遠する。

夫も私が言う「少し辛い」には警戒しながらも、我が家の常備菜のキムチ、カレーなどを食べながら、出会った頃よりはずいぶんと辛さに耐性がついてきた。

我が家はカレーをよく出すけれど、あえて子供用に作ったりはせずに、チーズやヨーグルトなどを足して辛味を緩和させて子供達や夫は食べている。

インドであんな小さな子が辛いスナックを普通に食べるくらいなんだから慣れりゃいいのさ、スパルタ教育。

五月某日、インド料理のビリヤニのスパイスキットでビリヤニを作る。鍋3つそれぞれ作るとかちょっと面倒だなぁ、と思いつつ流石に出来上がりはお店みたいな味に。子供にはチーズとグリークヨーグルト足して食べさせれば無問題。

味覚は環境により鍛えられるし、逆に過敏にもなる。

西と東を比較すると尚の事実感する。

欧米で日本人はケーキの不満を言わずにはいられない。

アイルランドにいるとケーキやドーナツの甘さが半端ない。

というよりも日本のケーキは甘さがかなり控えめ。

中国、四川省の成都のケーキ屋さん。大胆な色使い。
ボリビアのラパスにて。日本人女性の一人旅仲間と出会い、丸一日一緒に観光してとても楽しかった記憶。彼女と話して初音ミクとはバーチャルだというのを知りました。ケーキは甘かったです。

前にも書いたが同じケーキのレシピで英語と日本語で検索するたびに、砂糖やバターの量が違いすぎて愕然とする。

たまにはアイルランドやイギリスのレシピでケーキを作ろうと英語で調べるものの砂糖多すぎて尻込みし、結果的に日本のレシピに帰着する。

私がたまに作る欧米系ケーキは

「これは砂糖少なめだから作ってみよう!」

なレシピのみ。

そんな私の食育を受けた我が子達もアイリッシュ的激甘ドーナツやケーキへの耐性はない。

特に甘い物が本質的に苦手な息子2号、アイルランドのドーナツは食べないけれど、日本のミスタードーナツはとても気に入り、未だに「日本のドーナツが食べたい」という。

ミスドのドーナツ、甘さがしつこくなくてちょうどいいのだ。

甘党ではない息子2号はミスドの虜になりました。

あー、書きながら私もまた食べたくなってきた。

日本は世界に誇れる美食の国です。

日本は食べ物がおいしい。

外国のお菓子に比べて日本のお菓子は美味しい。とはよく言うし、私自身も以前は日本帰国の度に

「日本の食べ物が一番美味しい」

と感激の連続だった。

お米は炊飯器を開けた瞬間から色艶、香りも違うし、食べると

「日本のお米がこんなに美味しかったとは!」

と、アイルランドで普段食べているお米と似て非なる物だという現実に愕然とするほどだ。

何度も書いてるけど実家の朝ごはんが最強に美味しかった。で、コレはご飯何膳食べるのが正解なのか?

また、巨大なシャインマスカットのサクサク感、甘みはたまらない。

10月はシャインマスカットの旬だったのか、何度かいただいて息子達はびっくり「うちで採れるプラムと同じ大きさだ!!」

あんな葡萄はアイルランドでお目にかかれない。

お寿司やマグロは日本ならではの特別な美味しさ。

あぁ、今の私にこの画像は目の毒。

抹茶味のアイスやお菓子は絶品。

仙台のお茶の井ケ田、また帰国したら息子1号といくぞ!

実はアイルランドも誇れるものはあるのです。

けれども実は、昨年の帰国では別の側面に気づいてしまった。

乳製品や一般的な肉類はアイルランドに軍配があがるな、と個人的には思う。

特に乳製品は格段に味が濃い。

我が家は特に両親がアイルランドのバターを心待ちにしている。

帰国の度にアイルランド産のバターやチーズを家族や友人に持って帰る。

一年中草を食べているアイルランドの牛さん達からできるバターは世界各国に輸出されています。
スーパーのチーズ売り場。このスペース以外にもまだチーズはある。

友人にあげたバターとチーズ、

「全部ビックリするくらい美味しい」

と絶賛されるのだ。

そんな乳製品を使うアイルランド料理はコクがある。

例えばグラタンやタルト、チャウダー、パイなどはハズレるはずがない。

何にでも名産のバターやクリームをふんだんに使うので日本人としてはよく

「バターとクリーム入れすぎだよね」

と胃もたれしたりもするのだけれど。

私達の身体は多量の乳脂肪に耐性がない。

アイリッシュコーヒーもクリームたっぷりです。

美食=食の安全、というわけではなさそう。

昨年の帰国で実は一番ショックだったのは、コンビニの物や居酒屋ででる食事。

「え?こんなに不味いの?」

とか

「うわ!ケミカルな味が強烈だな」

と思う事も多々あった。

子供達も日本で食べたサラミを吐き出してしまったり、加工食品に怪訝な表情を隠さなかった。

試しに食べると人工的な味だけが舌に残る。

よく聞く、日本は食品添加物の許容数が桁違いに多い。

という話はこの事なのか、と合点がいった。

(この件は調べてもサイトにより数値が異なるためあえて具体的な数は出しません)

また普通に流通している食パンなども袋を開けた瞬間に薬のような匂いがするのも気になる。

日本のパンはかびにくいのはこれのおかげでもあるんだろう。

アイルランドの食パンにこの匂いはない。その代わりにすぐに青いかびが生えるし、いつまでも柔らかくもない。

よく言う

「日本のお菓子はバラエティに富んでいる。日本のカップラーメンがおいしい。」

諸外国が使用できない食品添加物をふんだんに使っている事実を踏まえても尚、胸を張るのか?

日本の食品会社からすれば日持ちや衛生面においては問題ない、のだろう。

(日本の食品会社各社そう記しています、そりゃそうだ)

私も日本に帰国するたびにお菓子やインスタント食品を限界までスーツケースに持ち込む人間なので、

「日本は添加物が多いし遺伝子組み換え食品や農薬がウンタラカンタラ!!」

と捲し立てる資格はない。

こんなに日本から持ってきたくせに難癖つけんなよ!その通りです。

ただ、私自身は事実をなるべく知りたいし家族には可能な限り健康的な食生活をしてほしい。

西の砂糖大量ケーキ、東の食品添加物まみれな食品、口にしてもそれらを嗅ぎ分ける力は鍛えたい。などと考えています。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。