運命はインドの占い師のみぞ知る⁈

2012年6月28日、まだ夫にも出会う前に初めてアイルランドに来ました。
8年前の今の時期、私はアイルランドを旅していました。

イギリスで3か月弱の語学留学をし、世界一周旅開始。
UKを周りスコットランドのグラスゴーからダブリンに到着。日本から友人とダブリンで落ち合い、数日過ごすという楽しい予定日までずいぶん日数があった為、1人で2週間掛けてアイルランドと北アイルランドをバスで一周することになったのです。

Cliffs of Moher  アイルランド西の景勝地。霧の深い日はこの崖から観光客が落下するらしいので要注意。

きっともうこの国に再訪することはないだろう

バスの車窓からウェストコークの草原の中にゴツゴツ岩が点在した荒涼とした景色を眺めながら、

きっとこの景色をまた見ることはないだろう。おそらくアイルランドの旅は人生で最初で最後になるはずだ。

などと思い耽っていました。

10カ月の長旅中に強烈にこのような想いを抱いた国は、実は他にあまりありません。

とはいえ、アイルランドが嫌でそう思った訳ではないのです。
アイルランド、日本から直行便ないですし、他のヨーロッパ諸国のような派手な見所も少ない。知り合い当然ながらいないし、友達ともアイルランドに行こう!という話にはならないだろう、だからこの国は最初で最後の旅になる、とバスの中でその車窓の景色を目に焼き付けようと思ったのです。

ある大好きな作家さんの本の舞台になった場所。凄く憧れて行っておそらく生涯最後、と思っていたけど去年はなんと二回も行った。いつ行っても雨。

モルドバってどこよ?(モルジブじゃない)

旅を続けて2012年9月、夜行列車でウクライナからモルドバ共和国にしました。
期待値はゼロ。だって正直言ってモルドバなんて知らなかったです、ハンガリー辺りでその存在に気付いたくらい。
事前知識も無く、東欧を通過するだけの国だと思っていました。ここで出会ったのはアイリッシュの現夫、クリスでした。

モルドバ、ちょっと前に流行った「恋のマイアヒ」は実はこの国から生まれた曲です。
モルドバ、実は東欧美人が多いことで有名らしい。日本含め世界各国から男性陣が結婚相手を探しにくるようです。ワインが安くて美味しい。

クリスとは一旦離れて3週間後に再会し3週間ほどバルカン半島巡りの旅の後、度々会う機会を作りつつ私は1人で2013年4月までアフリカ、キューバ、南米を旅しました。

当初はアジアも周るつもりでしたが彼が日本に来てみたい、というので旅を切り上げ一時帰国。
アジアはインドをかつて一周したしまぁいいか、たいな心境でした。
南米で歯の詰め物が取れていたのとアルゼンチンでクレジットカードをスキミングされて使用停止になっていたのでどのみち帰国しなければいけない状況でもありました。

北アイルランド(UK圏ですが)の景勝地、Giants Causeway とても奇妙な岩だらけ。本当は先月家族旅行でここに行くはずだったのにコロナの影響で叶わず。来年行けるかな?

パスポートを見てびっくり、同じ日だ!

2013年6月28日、まさかの一年後同じ日に日本からアイルランドに入国。クリスと生活する為でした。その後2014年2月に入籍。

アイルランドに住んで以来、同じ州のウェストコークの岩ゴツゴツの荒涼とした景色は何度かドライブで通ります。
その度に、あの車窓の想いが蘇ります。

二度と見ないはずと思っていた風景をまた通り過ぎている。
二度と来ないと思った国に住む未来。
人生、何が起こるかわからない。

占い師を侮ってはいけない。

あ、そう言えば、29歳の時のインド旅でリキシャに連れて行かれたお土産屋の店主、頼んでもないのに勝手に占いしてくれまして。

37歳でヨーロッパ人と結婚して男の子1人できる。って言われたの、今思い返してもけっこう凄い(実際には37歳になる2週間前に結婚し、男の子は2人です)。

ちなみにその時、50歳で離婚するとも言われたので、こちらは当たらないように日々精進します。

海外にまた自由に行けるようになったら、人生の露頭に迷っている方はインドの占い師に教えを乞うのも一つの手かもしれません。

占い師ではありません。いかにもインド人的な。ガンジス川沿いにて。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。