船出。
おはこんばんちは。飯塚です。
暖かくなりました。やっと冬のジャケットが必要無くなったのは嬉しい。
アイルランドも天気の話は挨拶がわり
今までも何度か書いていますが、日本人とアイリッシュの共通点といえば
「とりあえず天気の話をする」
アイルランドにいると特に冬は気が滅入る。
日照時間が短いし雨ばかり。地味に寒くて外に出る気にならない。
雪でも積もればウィンタースポーツくらいできるのに、川や湖も凍らない中途半端な寒さ。
風は強くアウトドアで楽しめる事が皆無。
日照時間が伸びてきた、と実感するのは2月中旬、3月末に夏時間になりイースター過ぎると人々の表情に明るさが見え出す。
太陽は人間の心情を大きく左右するんだ、と北ヨーロッパで生活すると改めて実感する。
あとは暖かくなって晴れさえすれば完璧だ。
夫はボート狂。
夫はボートで生きてる、と言っても過言ではない。
ボート建築、修理屋。
十代の頃からセーリングをし、インストラクター資格も持っている。
昨年春に中古で買ったセーリングボート、値段の割にとても状態が良く去年はこれで夏は近場に何度も船出をした。
先月は仕事の空き時間に自分のボートの手入れもしていた。
ソーラーパネルをつけてボートの室内で電気が使えるように改良した、などと着々と準備をしていたらしい。
天気、風の具合、潮の満ち引きが合いさえすれば、もう行ける。
4月末、やっと男児達を連れ出し船出。
行き先は我々の住む村からも見える無人島。
かつては牢獄があり、歴史的施設となった今は対岸の町から観光船でツアーも出ている。
友人家族もボートを出して二家族でバーベキューをすると言う。
夜はボート内で眠る。
昨年の花火大会で家族5人、夫のボートに泊まったのはかなり厳しかった。子供達は眠れたけれど私は全然眠れなかったので今回はお留守番。
まだあまり事情がわからない末っ子も家にいた方がいい。
船出を見送り、たまにチャットで安否を確認する。
翌朝8時過ぎに電話すると、ボートは島を出航した後でこちらに向かっていると言う。
しばらくして全員元気に帰宅。
今シーズン初船出は大成功。
ボートを一回出すと夫は隙あらば海にでたい。
潮の満ち引きや風をチェックする毎日。
夜9時でも明るい夏は夕ご飯の後でもボートを出せる。
そして初船出からちょうど一週間経った土曜日。
初めて夫婦二人だけでセーリング。
義理両親が子供達を連れ出し動物園へ。
午前中は仕事に出ていた夫は早々と帰ってきて
「風もいい感じだしセーリング行こう!向こう岸のレストランで二人でご飯食べようよ」
と張り切りはじめた。
レストランで二人で外食は滅多に出来ない。
一応ちょっとだけオシャレはするけどボートに乗り込むなどあるからハイヒールは厳禁。
足元はしっかりした靴を履く。
基本的にはエンジンを使わないセーリングボート。帆に風を受けてボートが動く。
風がないと動かない。しかし強風だと危なすぎて船出はできない。
風は思っていたよりもあったらしい。結構なスピードで進む。エンジンがないから静か。
たまに魚が飛び跳ねたり、アザラシが海面から顔を出す事もあるけれど、今日はそれはお目にかかれず。
レストランに船で横付け。
船着場があるレストランに1時間ほどで到着。
ボートをつけてデッキ席へ。
まずはビールで乾杯!
時間は5時前。夕ご飯にしては早い時間ではあったけれど、周りの席の食事の匂いで食欲も刺激されて私達も食事の時間に。
私はホタテのサラダ和え。
夫はハンバーガーとフライドポテト。
夫は貝アレルギー。家では貝料理ができない我が家。私は外食だとここぞとばかりに貝を食す。
ホタテ貝、久しぶりに食べました。
プリプリの身、中は半生。バルサミコのソース、マンゴーやレタス、カリカリにあげたにんじんとも合うし最高!
とはいえ、実は満腹にはならなかったので珍しくデザートまで。
ラズベリー味のレアチーズ。当たりでした。
アイルランド、たまにチーズケーキとんでもなく不味いのが出てくる事もあるから要注意。ただ甘いだけでチーズ味しないとか。
うん、今回はちゃんと美味しかった。
あー、最高。
しっかり食事堪能して、では帰ろう。
またデッキからスロープ降りて船着場からボートに乗る。
帰りは更に風がよく出ている。
私は中の席でくつろぐ。景色をボーっと見てるだけでいい。
スマホなど全く見ない贅沢な時間。
私達の住む村が見える。
あ、たぶんあれは私の家だ。
帰りも順調に1時間。
船着場から夫は子守りをしてくれた両親に電話をかける。
家につくと皆笑顔で
「動物園凄く楽しかった!」と。
良かった、良かった。
こんなふうにたまに子供達を見ていただけるのはありがたい。
今年の夏は特に大きな予定はないけれど、このボート遊びを夫や子供達はひたすらにする模様。