センシング
ども、カルロスです。
今更ながら、センシングすることの深さについて考えさせられてしまうことがあったので、まずはそちらをシェアします。昨年度の東京大学の学位授与式での藤井総長の告辞です。
お話の中で何度も使われるセンシングというお言葉。そしてど頭からの衛星リモートセンシングについての言及。問答無用に惹き込まれちゃいます。こんなに普通にリモートセンシングなんて言葉を使っちゃって、周りはドン引きしてるんじゃ無いかと心配してしまうくらいです。
当然のごとく総長の告辞は金言で満ち満ちているのですが、3つのセンスを磨いて欲しいとしたうちの特に2つ、データの背後にある人々の声に耳を傾けろ、データに振り回されるな、については心の底から、いやまさにその通りです。
生産技術研究所
藤井総長は、生産技術研究所の所長もされていました。そのバックグラウンドも、今回の告辞の内容がお心の底からの内容だったことが伺えます。
お話の中にもある、NOAA衛星のデータを生産技術研究所で受信していたこと。私も、他大学の学生ながらデータをコピーさせてもらいに伺いました。
当時、生研は六本木のど真ん中。今は国立新美術館がその跡地に建っています。その建物の屋上にアンテナが設置されていて、NOAAが通過するたびに追尾し、受信設備に記録されていました。キャッチの写真です。
NOAAはアメリカの気象局の衛星で、熱赤外チャンネルもある、AVHRRというセンサを積んでいました。私の所属してた研究室では、このデータから太平洋の海面水温を計測する研究をしていました。
はるばる静岡の清水から、先輩の車に乗って六本木まで。行きも帰りも車はデータをコピーする磁気テープでいっぱいです。磁気テープは、今じゃ姿を消してますが、サイズが一抱えほどで厚み2cmくらいの大きなドーナツです。
衛星が来ると受信が始まってしまうので、その間に、テープからテープへのダビングをします。朝から夜まで頑張って10シーンくらい。人力作業。
作業ができない時間は、六本木WAVEにCDを買いに行ったり、当時はまだ珍しかったインド料理店でカレーを食べたり、青山のホンダ本社にF1のマシン(MP4/6)を見に行ったり… 東京嫌いだった道産子少年は、都会のど真ん中で衛星データを受信してる凄い街の魅力に惹かれていきました。
気になる音楽のコーナー
Donald Fagen/I.G.Y
告辞を読まれた方はお気づきでしょうが、もう一つ凄いところは、この曲の秀逸なライナーノーツになっていることです。私の好きな曲です(メフィラス風)。
ぜひ読んで、聞いてみてください!
では、またまた。