いい旅って。

先週土曜日の早朝に成田を出発をしてベトナムへ。火曜日の早朝に帰国。朝便で帰ってくるとその日は仕事ができてしまうので、よい部分と余韻にひたれず少し寂しい部分と半々。初めて訪れたベトナム。今回はひたすら歩く旅。しっかり計画をしているわけでもなかったのだけれど、ホテルがあった1区からとことこ行ける範囲でまるまる3日間を終えた。

ガイドブックを見て、あそこもここも行ってみたいという場所があったのだけれど、現地についたら今回はそういう旅じゃなくていいのかもと思ってしまった。初めての場所だからこそ、のんびり歩ける範囲で自分のお気に入りをみつけるのも悪くない。そうやって歩いている間に、また来る理由のある場所が見つかった。

古いビルをリノベしてあたらしくお店を作っている場所があって、入るのに少し勇気のいる入り口でまごまごしながらスマホを取り出すと、「上、上!」と指を差して教えてくれるまったく別のお店のおじさんに出会ったり。鶏の出汁が専門のローカルなフォーのお店では、相席になったかっこいいロザリオをつけたおばあさんに「荷物はしっかり見ておくこと。こういうお店でお財布を出す時も気をつけてね。観光客をチェックしていてついてくる悪い人たちもいるからね。いい旅のために鞄は道の内側に持って歩くのよ」とフォーにたっぷりライムを絞りながら丁寧なアドバイスをもらったり。甘いものを食べに行ったレックスホテルのルーフトップバーは、眺めがいいことももちろんなのだけれど若くて元気な男女の店員さんがニコニコ対応してくれるのがとても気持ちがよかった。

帰国前、機内食用に50年の歴史をもつ24時間営業のニューランでバインミーを買う。直前で勉強したベトナム語が唯一自信を持って言えた場所。肉を意味する「thịt」1を意味する「một」お願いしますを意味する「Xin vui lòng」。大きな声で告げると、「肉のバインミー二つ?」と笑いながら手元は素早くフランスパンに具材を挟んでいく店員さん。「một!một!」とこちらも笑いながら返す。

飛行機の中でコーラと一緒にぱくり。豚肉のパテが絶品で、人生最高のバインミーだった。

その時その時のいろんな「いい旅」があるけれど、お気に入りの場所とまた会いたい店員さんが見つかった3日間は、文句なしの「いい旅」だった。カフェで、何杯もコーヒーやお茶を頼みながら仕事をする時間もなんだかとてもよかった。

また遠くない未来に必ず戻ってこよう。

あっという間に3月がスタートしてしまいましたが、みなさまよい週末をお過ごしくださいませ。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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