得難い体験~2号編~

ダムダムダム、ニホンコンです。
私が、じゃなくて、2号がダムダムしています。

3年前、コロナで暇を持て余していた子どもたちに、スラムダンクを
買って部屋においておいたら、全巻読み終わった2号が「バスケやる」と。

若干母の「撒き餌」感は否めないが、それでも最終学年は4番キャプテンで頑張っていた。

それがまた、ギフトのような1年だったなと、振り返って思ったり。

決して強豪ではない2号のチーム。そこでキャプテンを任されることは
最初は背番号4番に舞い上がったものの、ジリジリと重たさを感じていた。

他の子のほうが上手なのに自分が4番なんて、と己の未熟さに焦ったり
チームをまとめていくための最善は何かと悩みながら、自分で練習メニュー
をコーチに提案したり、試合メンバーを考えたりと、体育館に入ったら
ずっとバスケのことを考えているようだった。

家では暴君のように家族を振り回すけど、バスケになった途端、常に全体を
見渡していてプレーをしている。ベンチからのポジティブな声かけや、
納得がいかないとコーチに最後まで食い下がる姿も、後で聞くと
「みんなのため」という言葉が返ってくる。

ねえ、それ、我が家で発揮してくんないかな?と思うのは母だけだろうか。

試合が終わると胸アツになるのか、ノートに一気にいろんなことを書き溜めており、
それでも飽き足らず、メンバーと交換日記さながらの「フリカエリNOTE」を
回覧することを提案しだしたり。

このフォーマット、仕事でもつかえるんじゃなかろうか

子どもを取り巻くスポーツ環境は、時に「勝利至上主義」と言われ、技術の
上達を追い求めて親も子も熱くなったりする。

勝負である限り、技術の向上や、勝つ喜びはもちろん大切だけど、
スポーツの醍醐味はそれだけじゃないかと。

2号の場合、負けることのほうが多かった3年間のバスケ生活。それでも
「チームのためにコートの中でも外でも動く」という、スポーツで大切なものを
子どもなりにすくい取れたのが見て取れ、それは勝利に勝る金メダル級体験かと。

ミニバスの3年間は、家庭ではなかなか教えることができなかった、
誰かのために自ら動くことや、ここ一番の踏ん張りとか、ダメなところを
飲み込む、それを全て彼女が引き受け、判断する時間だった気がします。

この体験は、この先何のスポーツをやっても、またスポーツ以外でも
2号の成長の糧となる、杖というか芯というか最強のお守りになるんだろうなと。

バスケをやるつもりが、こんな素敵で美味しい体験をさせてもらい
思いがけないギフトが降りてきた気分。

春から中学生、前のめり気味な母は前にのめらないようにしながら
彼女の成長を応援していきます。

2月29 ニホンコン

ニホンコン

(毎週火曜日更新)
北京と香港に住んでました。今は湘南に住みながら中国語や異文化の先生をしています。ちなみに3人娘のおかあさん。

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