移動の方法。
数年ぶりに福岡にやってきました。羽田から福岡まではもちろん飛行機。飛行時間は約2時間ほど。コロナ時期に国内を飛行機で移動する機会も減って、羽田から国内移動するのも思えば3年ぶりくらい。
昨年末にソウルへ2回移動した際に利用したのはLCCの飛行機。チケットの価格をおさえられるものを探そうと思うと、必然的にLCCになる韓国への移動。座席の幅にもすっかり慣れていたはずでしたが、久しぶりにANAの大きな機体に乗るとぐっとテンションがあがる。前の座席との間隔もゆったり。飛行の際の安定感もどっしり。おっきな飛行機はやっぱり楽しい。
福岡に到着して、イベントの会場であるマリンメッセ福岡に移動。福岡出身だけれど、現在は東京生活の方が長いスタッフの方と話す。自分が福岡にいる時にはマリンメッセがまだなかったんですよ。建物の横に羽が伸びているような雰囲気、幕張メッセのような雰囲気ですよね。そうか。名前も「メッセ」ということは同じ系列なのかな。通り雨が時折サーっと降っては止んで、雲の流れの早い空と建物を並んで眺める。
「キッチンカーの到着が少し遅れているようです。」
食材や調理道具のセッティング。少し空いた時間に会場の周りをぶらぶら歩くとフェリーが見えました。「かめりあ」と名前のついた船。これはもしや釜山に移動できる船。明後日の日曜日まで福岡で仕事をして、翌日から釜山への取材という旅程が決まった時。多めに荷物を持って福岡に入る方がしんどいかと、一度東京に戻って移動することにした判断を後悔。会場から、フェリー乗り場がこんなに近かったとは。
20年ほど前に、一度だけ乗ったことのある福岡→釜山を結ぶ高速船ビートル。あっという間に釜山に到着した記憶だけが残っています。改めて調べて見ると、ビートルは2022年の11月4日から運航を再開しているようで、船の異なるカメリアラインも同じく現在運航をしているよう。成田からの飛行機をキャンセルして、今から移動手段の変更することは現実的には不可能だけれど、ビートルで移動をしていたらどんな旅になっていただろう。
真っ赤なクイーンビートル。ホームページを開くと船のコンセプトにぱっと目が止まる。
「移動そのものを楽しむ旅へ」
シートベルト着用不要のこの船の中は、自由に歩き回ることができ、ラウンジで会話を楽しんだり、デッキに出て風にあたることもできます。
福岡→釜山間を飛行機で移動すれば55分で到着できる。かたやビートルを使うと移動時間は3時間5分。時間だけ見て飛行機を選択する場合もあるけれど、移動の方法で旅は大きくかわる。デッキで感じる風の冷たさや潮の匂い、位置の変わっていく太陽の光。甲板で目線の先に見える釜山の港を眺めながら、何を飲んだら嬉しいか。
そもそもビートルという名前の由来を知らずに乗船したけれど、その名前の由来は水中翼。船体を海面上に持ち上げて航行する水中翼船(ジェットフォイル)だったのだそうです。航行中は水中に潜っている水中翼を引き上げると、カブトムシの角に見えることから、BEETLE(ビートル)と名付けられたのだとか。海に浮かぶカブトムシ、だったんですね。
この日は赤いカブトムシ・ビートルは停泊しておらず、「かめりあ」しか目にすることはできなかったのだけれど、見れば見るほど船の移動にすればよかったと激しく後悔しました。
移動の時間も旅。時間を優先してしまいがちだけれど、どうやって移動するか。選択肢がいくつかある時ならば、おもしろい選択肢をチョイスできる旅がしたいなぁ。
今日から二日間。フェリーの旅に思いを馳せ、海の匂いをかぎながらカレーを販売してきます。
お正月の雰囲気が少しずつ日常に戻りつつある今日この頃ですが、みなさまどうぞたのしい週末をお過ごしください。