納得するまで。

おはこんばんちは。飯塚です。

クリスマスも過ぎ、今年最後の投稿です。

ざっくり振り返ると、今年はいい年だったな。と。

病気も怪我もなく、子供達も学校を楽しんでいる。

夫の仕事も順調。

私は仕事を始めるつもりでいたけれど、いろんな事が全く進んでおらず、来年に持ち越し。それでもよしとしよう。

近年になく特に今年が良い年だった理由は、4年ぶりに日本一時帰国できたこと。

久しぶりに再会した家族、子供達は「もう一つの祖国」をしっかり堪能。日本語力含めて子供達の成長を実感できたのは大きな収穫でした。

七五三的記念写真も撮りました。

実は日本に帰国したことで昨年からのある懸案事項も解消できたのでした。

いきなり視力低下した息子1号

「日本一時帰国やる事リスト」には8歳の息子1号を眼科に連れて行きメガネを作る。というのがありました。

ふとした会話がきっかけで、「え?そんなに見えてないの?」と内心かなりショックを受けたのは昨年秋。

幼い頃から空を飛ぶ小さな飛行機など普通に見えていたし、視力などまるで心配した事なかったのに。

一体何が起きたのだろう、と眼鏡を新調する夫に息子を同行させて視力検査をしたのです。

(アイルランドの学校は日本のように年に一度の検診をしていません。身体に異変があれば個人で受診するしかない)

結果的に、「確かに視力は良くないけれど、メガネは必要なほどではない」と診断されたらしく。

夫も「大丈夫だって。心配しすぎなんじゃない」などと言ってはいたけれど、日々の生活の中でどうも納得いかない。

本当かなぁ。

日本行きのチケットを手配し、夫にコミット。

「日本行ったら眼科連れてってもう一回検査する。私はこの子の視力かなり悪いと疑ってるんだよね」

さて、日本に着いたはいいがとりあえず遊び尽くす毎日。

東京ディズニーランド。仙台に移動し、ポケモンセンター、動物園、秋保温泉。

よさこい祭りの釣りゲームに挑戦。
ヨドバシカメラ内のゲームに挑戦。

眼科にいつ連れて行けばいいんだ。と思っていたら。

外遊びの後は手洗いしましょう!!!

とある公園にて。

芝生をぴょんぴょん飛び跳ねるアマガエルを発見。

アマガエル獲りに夢中になる男児達。アイルランドにはいない生き物。きれいだな、かわいいな。

あっちにも。こっちにも。

あー、楽しかった。やっぱり日本にはいろんな生き物がいていいなぁ。

なんて思いで帰りの車中話していたら、突然息子1号が叫ぶ。

「目が痛い!」え?何?今痛くなったの?
「うん、凄く痛い」

なんだろ。

あ!カエル触った手で目を擦った?

遊んだ後、手を洗ってない!

調べるとカエルの粘膜には毒がある場合があるらしい。

車内ではすぐに水で目を洗わせ、帰宅後も目を洗い目薬をしたものの、まだ痛みはひかないという。

結局そのまま眼科へ行き、診察をする。

その診察ついでに視力検査、その際に「カエルとは関係なく、この子は視力低下しているようなのでメガネが必要だと思うのでそれも検査していただけますか。」
とお願いしました。

先生「いやー、大丈夫ですよ。メガネは必要ありません。」

えー、そうなのか。私の思い過ごしだったのかなぁ。

アマガエルによる激痛は抗生物質と痛み止めの目薬を処方してもらう事に。
翌週にまた検診をし、異常はないと言われる。

翌週の検診に30分早くついてしまい、せっかくだからキルフェボンでケーキを。いやー、美味しいねぇ。

漢字が読めない、というより見えない。

小学校の体験入学をした息子、平日は3時前に学校から帰宅。

おやつを食べたらすぐ宿題タイム。

息子1号、毎日漢字と掛け算の宿題。息子2号(4歳児)も実はアイルランドの学校から宿題やるように言われていたのでたまにやったりやらなかったり。

漢字の練習が特に大変なのだ。小学校二年生でも既に画数多い漢字が結構あるんだなぁ。

新しい漢字に悪戦苦闘する男児。

プリントに書いてある漢字の細かい文字がちゃんと見えてない。え?それも見えないの?

私が見本に大きく書き直し、それを見ながらゆっくりと練習する。

私の両親とも「あのプリントの漢字、そんなに見えないのかなぁ」と不信感を共有しながら日々が過ぎていく

友人と飲みに出かけた金曜の夕方、帰宅すると父は待ち構えたように言う。

「あの子、やっぱり目は悪いよ。今日の宿題、見えないからって試しにお母さんの老眼鏡をかけたら、よく見えるって言うんだ。その後ずっと老眼鏡かけて漢字書いてたぞ。老眼鏡必要なんておかしいよ。やっぱり他の眼科で見てもらった方がいい。近くのC眼科って小児科の眼科があるから行ってみたら。さっき調べたら土曜日午前中は受診できるみたいだから。」

仙台にいるのはあと1週間。時間がない!明日行かなきゃ。父に再度車を出してもらう。

三度目の正直。

検査はかなり時間を要した。

声は聞こえないけれど待合室から検査用のメガネをつけ変えながら息子の指の指し方が見える。

えー、あんな大きな文字すら見えないのか。そんなに視力悪いの?

違うメガネに変えたらずいぶん見え方が良くなっているみたい。ヤキモキしながらただ待つのみ。
検査が終わり先生に呼ばれる。

「今の段階だとまだ、断言できなくて週明けにまた精密検査にお越しいただきたいのですが、おそらく遠視だと思われます。遠視と老眼は少し似ていて近くが見えづらいんです。ですので、お婆様の老眼鏡が合ったのでしょう。子どもの成長過程でたまに見られる現象です。月曜日、学校終わり次第またお越し頂き目薬を差して一旦お帰りいただき1時間後に検査をします。結果はすぐ出ますのでメガネをご希望でしたら、こちらで出す書類をメガネ店にお持ちいただければすぐ出来ますよ」

あー、そうなのかぁ。

そういえば弟も小学校の時に遠視になってメガネしていた時があったなぁ。

再検査とは言われたものの、ざっくり診断をされただけでなんとなくホッとする自分がいる。

息子1号も同じ気持ちなんだろうか。

なんとなく足取りは軽い。

小学生の頃によく歩いたこの道。当時仲良しのTちゃんの家を通り過ぎるのは何十年ぶりだろう。今もだれか家族はいるのかな。

秋晴れのポカポカ陽気の中歩きながら、

「あのさ、また検査しなきゃいけないみたいだけどメガネした方がいい、ってなったら出来そう?私はね、あなたの見えてる世界と他の人達の世界が違う気がするんだ。メガネすれば目がいい人達と同じように見えるんだよ。最初は慣れないかもしれないけど、そっちの方が良くない?もったいないと思うよ。」

と話すと、息子1号も

「うん、ちゃんと見えるのがいい。メガネ欲しい」

と素直に同意。

こんな会話、アイルランドにいた時もしてたな。

月曜日、学校から帰宅し、おやつを食べて予約時間に眼科へ出向く。毎度毎度、父の運転で。私の母は下の子二人の子守り。

目薬挿すだけ、と言われたので車は待ってもらう。

目薬挿し終わると「ではまた1時間後にお越しくださいね」
車で五分、近くで良かった。

一旦帰り、宿題をしまた眼科へ戻る。検査後、先生から呼ばれる。

「やはり遠視ですね。それほど度は高くはないですし今の状況でも日常生活は送れます。ですので今までも他の眼科さんからメガネ不要と診断されたんでしょうね。ただ、メガネをした方がよろしいかと思います。この症状ですとメガネは朝起床してからずっとかけないといけないのですが、慣れることが必要なんです。」

先生、8歳児に改めて視線を合わせて「メガネ嫌かな?したいかな?」と聞く。

8歳児は「メガネしたいです」

先生もニコリと微笑み、「そうか、自分でしたいんなら良かった。メガネした方が良く見えるからね」
と。

まさかのメガネ、間に合わないかもー?!

翌日、学校終わり次第今度はメガネ店に。事前に電話連絡したところ、

「お子様の遠視用メガネですとおそらく店に在庫がございませんので、できあがりまで10日からニ週間お時間要するかもしれません。」

えー、それは予想していなかった。仙台にはあと4日しかいないのに。あー、なんでもっと早くに小児眼科に連れてかなかったんだろう。

とりあえず息子が帰宅次第、今度はメガネ店へ。

なんだか毎日忙しいな。父にまた車を出してもらい仙台駅近くへ。

店内に入るとスタッフが笑顔でお出迎え。先程の電話の内容がしっかり伝わっていたようで、奥の席へと案内される。

眼科から頂いた書類を出すと「お電話の際は私共も高い度数のメガネを想定しておりましたので取り寄せと話しましたが、お客様でしたら度があまり高くないのですぐメガネお作りできます。 1時間お時間ちょうだいしますがよろしいでしょうか。」
良かった!そのままメガネのフレームを選ぶ。子ども用のは耳から落ちにくいようにデザインされているのもある。

走り回る活発男児、これがいいんじゃない。

黒いフレームの横にマークがついたもの。どうやら学校のメガネかけたお友達も同じマーク(メーカー)のメガネをつけているようだ。

「ボク、これがいい」

「では1時間でできますので後ほどお越しください」

店を出て、抹茶スイーツ大好き8歳児に

「ね、抹茶ソフトクリーム食べよう。宿題は家帰ったらするんだよ」

「やったーー!!」

仙台では有名なお茶屋さん井ケ田の抹茶ソフト、息子1号連れてきたかったんだよね。息子2号は好きじゃないから来たがらないし二人きりでちょうどいい。

幸せなひととき。

「美味しいーー」

抹茶の濃さが選べるので私は濃いめで。息子のより色も濃く苦い。

抹茶ソフトを食べ終わり、近くのブックオフへ行き漫画「ドラゴンボール」も買う。自分のだけだと不公平だからな、弟にも絵本をいくつかお土産に。

さぁちょうど1時間経ったよ。メガネを取りに行こう。

お店に戻ると先ほどの爽やかな店員さんが笑顔でお出迎え。

「こちらになります」

メガネをかけてみる。台の上の米粒みたいな文字、読めるかな?

「読めるよ。」

「今までもっと大きい字も読めなかったよね。やっぱり見え方、違う?」

「違うよ。はっきり見えるよ」

「よかったねー。」

店員さんには

「お子様はそれほど度が強くないので、なくても生活できるとは思います。これぐらいだと見過ごされるケースも多いですし。ただ、メガネに慣れないと見えづらいので朝からずっと着けて生活していただいた方がいいです」だそうで。

それからメガネ男子になった8歳児。

友人たちと走り回る時はメガネは外しているけれど、基本的にはずっとつけている。

日本で眼科2軒も行き、時間もお金もかかったけれど、やっぱりメガネ作れてよかった。

セカンドオピニオン確かに必要だな、また専門医(今回は小児眼科)を事前に調べていけば発見も早かっただろうに、と反省もありつつ、ずっとモヤモヤしていた心配事が解消できたのだから。

結果が良くても悪くても納得できればいい。

2022年、読んでいただきありがとうございました。また来年も西の果てからの愚痴やら戯言を聞いてください。

みなさまどうぞ良いお年をお過ごしください。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。