東京、せつね。やっぱ好き。
こんにちわー。ムトーです。
秋が深くなってきましたね。かなり暖かい日があったりするものの、空気の芯みたいなところに冬を含んでいる感じがします。
秋は、切ない。
切なさを紛らわすために、運動して、食べて、絵や映画を観るのではないかと。あ、運動してないわ。
2年半。
東京に行ってきました。
このSAKRA.JPのイベント「Brilliant Night 3」に参加するために。
東京は2年半ぶり。その時は県外の移動が難しくなる直前でした。
午前10時前に羽田に着いて、羽田から浜松町までのモノレールの車窓からの景色を眺めながら、僕の好きな東京に戻ってきたな、と思ったけれど、不思議と「ひさしぶり」な感じはしなくて。なんとなく、2年半、時が止まっていたような気もしたりして。
夕方のイベントまで時間がたっぷりあったので、同じタイミングで東京に来ていた大分の友人と合流し、神保町へ。

ビアホールに立ち寄って時間調整して、また別のお友だちと会う約束をしているカフェ「ミロンガ・ヌォーバ」へ。
学生時代に通っていた思い出のカフェが12月に移転するので、その前に行っておきたくて。

ミロンガに辿り着くと入り口のドアには「只今満席」の札。ハス向かいにあるもうひとつの老舗喫茶店は若者が行列を成していて、なんだか以前とは景色が違う。

少し待って入れたミロンガの店内は、テーブルのレイアウトも壁に飾られた絵もオブジェも、僕が学生時代に通っていた頃と全く変わっていなかった。ただ、以前と違うのはとても賑やかなこと。若い人がたくさんいて、楽しそうに話している。ひとりで本を読んでいる人は見当たらなかった。そういう僕も4人で雑談したんだけど。
神保町の昔からある喫茶店には軒並み行列ができていた。次の日、朝に散歩した上野の古い喫茶店にも開店前から若者が並んでいた。昭和レトロみたいな雰囲気が若い人たちにとても人気になっていて、それは2年半前の東京では感じなかったことだった。
あー、時は止まってなかったな。
みんなに会う
夕方、イベント会場の浅草「梅と星」へ。

このSAKRA.JPで書いているメンバーは僕を入れて9人。僕以外の8人のうち、これまで会ったことのある人は3人だけ。20年くらいの付き合いになる初期メンバーにもひとりを除いてこれまで会ったことがない。年賀状のやり取りしてたりするけど。
でも、すぐに馴染んだ。知らないけど、知ってるし。
小池さんとニホンコンが切り盛りする一日限定の「スナックさくら」は美味しい料理とお酒を提供してくれて終始大忙し。
大分からの友人や、関東に住んでる幼馴染、SAKRA.JPを読んでくれている人。いろんな人が来てくれて、とてもほのぼのしたいい時間。
作品をいくつか読んだことのある作家さんが来てくださったり。
さらに嬉しかったのは僕が学生の頃からずっと会いたいと思っていた人にも会えて。25年くらい。
わー、幸せだー、とか思って。
でも同時に、憧れの人とせっかく会えたのに、その憧れの人に聞いてもらえるような話もないし、興味をもってもらえるような名刺がわりになるような実績も技術も持ち合わせていない。
25年もあったんだから、このムトーというヤツは面白そうだ、とか思われる人間になっておきたかった。
憧れの人に会うということが、同時にこういう不甲斐なさを痛感することだとは想像してなかった。
まあ、でも。とても、とても嬉しい時間だった。また、いつか会えるように頑張らんとな。
とかね、考えたりしてたらあっという間に時間が経って。
準備してくれた山口フォトや小池さん、会場を盛り上げてくれたお座敷DJのみなさん、ありがとうございました。会場を快く使わせてくださった「梅と星」のみなさんも、本当にありがとうございました。
来てくれたみなさんもありがとうございました。
みんなにまた会いたい。また会いましょう。
なんか、満たされちゃって。
イベントの余韻に浸りながら、大分の友人たちと朝まで話していたんですけど、ホテルで寝てもすぐに目が冷めたので、早朝にチェックアウトして朝の上野をぷらぷらして。電車に乗って、行きたかったカフェでコーヒーを飲んで。
なんだか他に行きたいところもなくて、昨日も行った神保町に向かって。学生時代よく通ったカレー屋さんでお昼を食べようと思ったら驚くくらいの長い列。諦めて、あてもなく歩いて比較的すぐに入れそうな回転寿司のお店を見つけてそこに入る。
当たり。
さて、どこ行こう。
帰りの飛行機は17時30分くらいに成田空港を出るので、成田に向かう電車が出ている上野に戻る。
13時。16時に電車に乗ればいいからまだまだ時間がある。
うーん。上野公園で時間を潰そう。
西郷さんに会いに行こう。
初めて西郷隆盛像に会ったのは小学校2年生の頃、8歳。今が44歳だから36年前か。
父が2ヶ月くらい東京に出張していて、その出張が終わって大分に帰るタイミングが夏休みの時期で、母と兄と父を東京に迎えに行ったんです。東京旅行を兼ねて。
大分を夕方に出た寝台列車が、昼くらいに上野駅に着いて。
父とは上野公園の西郷さんの前で待ち合わせたんです。
1980年代。携帯電話なんて持っていないから待ち合わせ場所と時間を前もって決めてたんですよね、当時。場所の変更とか、遅れる、とか伝えられないから、今とは比べものにならないくらい、しっかりとした約束をしていたんでしょうね。
あの日 見た西郷さんは僕の中ではとても大きくて。

その後、なぜか会うたびに小さく見えてくる。
いつでも会えるんだけど、実家の両親のこととか思い出したからか、無性に大分に帰りたくなる。
東京に来たら最終日は「帰りたくねー」って心の中で駄々をこねるのが恒例なのに。
上野公園にスターバックスできてるのね。すごい人が並んでる。上野動物園も午後なのにまだまだ入り口にたくさんのひとが入場待ち。
公園のベンチに座って、昨日のこととかいろいろと考えたりする。

時間もったいない、と思って公園を巡る。ロダンの「地獄の門」が見たくなり、正面から写真を撮ろうと思ったけど、女性がずっと立っていて撮りたい写真が撮れない。このひと門番?
門番が動かないので、アメ横に。
無駄に学生時代ここに来たなあ。何してたんだっけ。あー、ここで服買ったわー、とか。上野、切なすぎて、もうだめだ。帰りたい。もうじゅうぶん。

2年半ぶりの東京、楽しかった。切ないし、楽しいし。好き。
また、来月行くんだけど。
妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー