憧れの国。
おはこんばんちは。飯塚です。
こちらは夏真っ盛り。今年はいい夏です。毎年言いますがアイルランドのいい夏=暑い夏。
連日20℃越え。この暑さに保証はないため、毎日生き急ぐように遊んでます。
このまま夏休み終了まで突っ走りたい!!
本音を言うともっと日本人ウケする国からお便りしたかった。
アイルランドに住んでいます。
と言っても、日本人にはイマイチピンと来ないし、どうも興味の湧かない国。
そんな国から毎週お便りしてもねぇ、と日々思いながら徒然書いていました。
例えば、パリに住んでいます。
なんて言おうものなら、
えー、カッコいい。
オシャレー。
フランス語も話せるんですかー?
いつか行きたいです!または、旅行しました!
的に日本人のテンション爆上がりになるのに。
パリの街角のカフェでマカロン頬張るだけで「うらやましー」とか言われるんだろうし。
いいなぁ。そんな事言われてチヤホヤされたい。
日本人はフランス、パリが大好き。
本日7月14日はフランス革命記念日、パリ祭です。
実は私の弟もパリに3年程住んでいました。
渡仏から3年目の春、弟から日本に本帰国する、と一報受け、
「マズイ、これは今行っとかないと!」と有給休暇で夏休みに遊びに行ったのが私の初パリ。
2010年、7月14日。パリ祭にエッフェル塔の近くで花火を見ました。
でも、今回はその思い出話ではなく。
パリは日本人の憧れの地。数多くの有名人も住んでいる。
街の美しさ。
歴史的建造物の多さ。
映画。
フランスの食。ワイン。
芸術やアート。
ファッション。
響きの美しいフランス語。
確かになぁ、アイルランドにはないものばかり。
食べ物もファッションや文化も洗練してるし心惹かれる。
日本におけるフランス信仰。
日本でやたらとフランス人アゲアゲな本が出版されてるのもフランス信仰があるから。
フランス絡みのタイトルなら売れる。
このラインナップ全て読んだ事ないですけど、かつてフランス人の隣人がいた時に、ネタでこの話をしたのです。
タイトルを読み上げたらまぁウケました。
んなアホな!的な。
「とりあえずさ、日本人はフランス人が大好きなんだよ!」って褒めたら悪い気はしなかったからよしとしよう。
フランス、もそうですがパリジェンヌ、ですね。
もはやパリジェンヌと言うブランド。
世の中には「ニューヨークに行きたいかー!」「オー!」派と、「ニューヨークよりパリですよね?」派で分かれているんではないかと。
一部の人にしか伝わらない例えで申し訳ないですが、「セックス&ザ・シティ」ニューヨークの華やかな生活に憧れる女子と、「ビフォア・サンライズ」シリーズのジュリー・デルピーに心打たれる派。
私は断然後者でして。
アメリカには昔から1ミリも興味なかったし、会社の女子先輩方に「セックス&ザ・シティ」は必見だ!!とDVD全て貸してもらって観ましたが、あの世界にはいまひとつハマらなかった。いや、普通に面白かったですけど。
でも「ビフォア・サンライズ」シリーズのジュリー・デルピーの軽やかな大人のいい女振りには心底萌えました。
知的で気張ってないのにおしゃれで、自分を持っていて人生を謳歌している。
あのザ・パリジェンヌ感は日本人は真似したくてもできない。(やばい、久々にこの映画をまた観たくなってきた)
ヨーロッパでのフランス人評価とは。
しかしながら、このフランス人信仰現象、ヨーロッパでは皆無。
フランス人への尊敬や憧れなど耳にしないどころか、大体フランス人の悪口になる。
怠け者、傲慢、意地悪、皮肉好き、ストライキ狂い。
旅している時にも、印象悪かった人リストに上がるのはフランス人が多かった。
驕っていて上から目線、自分勝手。アジア人の私を下に見てバカにしているのも肌で感じ。
実は多国籍なアイルランド。
在住フランス人も多い。
で、揃いも揃って良い人。彼らはフランス人なのに、
「フランス人、気が強くて主張が激しいからフランスに住むよりアイルランドの方が居心地いいんだよね。」
とか
「フランス人、世界一性格悪いからさー」
などと言う。
フランス人の旦那様がいてフランスからアイルランドに移住した日本人の友人もフランスでは差別的な言動をされる事が多かったそう。
彼女がアイルランドに住んで初めてフランス人の集まりに行く機会があったらしく。
「いやー、久々に主張ばかりする人達に会ったわ。アイルランドの人達優しいからすっかり忘れてた。やっぱりフランス人はキツいしワガママだよ。自分の言いたいことを遠慮なく言う人ばっかりで疲れたー」
と苦笑いしていたのも忘れ難い。
権利を主張するフランス人。
この国民性ゆえに、パリではストは頻繁に起こり公共交通機関も止まる。
大企業はフランスには支社を置かない、という説も有名。
フランスに行きたい理由。
じゃあ、ヨーロッパの人はフランス嫌いなのか。
アイリッシュはフランスに行くのは大好き。
コロナで海外旅行が出来なかった二年間に辟易し、アイリッシュはこの夏はヨーロッパに旅行する夏休みを過ごしています。(因みに飛行機はキャンセル続出し空港は大混乱を極めてる)
アイルランドからフランスは空路の方が安いのですが、フェリーもあり車で行けるのも人気なのです。
特に子供連れの家族だと車にありったけの荷を積んで行けるのは心強い。
TVのCMもコロナの規制緩和明けはフランス行きフェリーのがやたらばんばん流れて。
我が家の旅好きなお隣さん、キャンピングカーでフランスに行ってワインを大量に買い込んでました。
ワインはアイルランドより安い。というかアイルランドは物価が高いのでフランスだと何買っても安上がり。
美食の国、フランス。フランス料理や繊細な作りのケーキやデザートを楽しむアイリッシュもいる。
ロンドンに住んでいた日本人が教えてくれた話。
ロンドンの日本食に満足しない日本人はわざわざパリに美味しい日本食を食べに行くのだとか。
確かにパリで弟が連れていってくれた居酒屋、日本人も納得するクオリティでした。
隣りに座っていたフランス人カップルの女性が嬉しそうに納豆を食べていたのが忘れ難い。
「食文化」がある国
アイルランドで評判のレストランやケーキ屋さん、フランス人が経営していたり、フランスで修行を積んだ人のお店、というのもよく聞く話。
食に関してはフランスブランドは揺るぎない。
アイルランドに住み始めた頃、義理の父から
「昔から、アイリッシュは生きるために食べる、フランス人は食べるために生きる、って言われてるんだ。アイルランドは貧しい国だからお腹が満たされることが重要視される。味や見た目は二の次。日本人はフランス人と近いんだろうな。」
と教えてもらったのは強烈でした。
このブログでアイルランドの食の愚痴を幾度も書いていますが、アイルランドは食材自体は実はとても良いのです。
海産物は新鮮、乳製品やお肉も味が濃い。フランスやイタリアほど野菜や果物は採れないけれど、選り好みしなければ最低限の野菜も採れる。
ただ、市場が成熟していない。
食文化や食育が存在しないアイルランド。食の後進国なのです。
保守的で新しい食を好まないので日本人とは感覚がまるで合わない。
見た目が気持ち悪い、という理由で牡蠣やロブスターも食べない。
アイルランド名産の牡蠣やロブスターは国内需要がないためにフランスに輸出されます。
異国で生活する上で快適さは違和感のなさ、だと常々感じます。
「食文化」があるフランスと日本。だからこそお互いにリスペクトできる。
夫にキノコ採りをご指南したのもフランス人の友人のロロさん。キノコ採りなんて素人は手を出せないけれど、ロロさんは子供の頃からキノコを採ってきたセミプロ。彼がファーマーズマーケットで作るサンドイッチやクレープは絶品だった。(それなのになぜ引退しちゃったの?ロロさん…。)
旅で嫌味なフランス人に出会う一方で、宿で一緒にご飯を作り食べたフランス人達は料理上手だったり食べる事が好きな人達も多かった。
お互いに作る物を分け合い楽しく会話をしながら飲む。ギターがあれば弾き始めて歌い出す。
フランス人のゆったりと食事を楽しむ暮らしぶり、一緒にいると居心地が良かった。
フランスと日本、離れているからこその偏愛なのか。
フランスにも日本文化や食、禅、アニメや映画に熱烈なファンがいる。
地方の街にも日本のアニメのお店があったり。
日本在住歴が長いフランス人に禅と仏教の心得を力説された時も「このフランス人なんだろ」と思ったけれど。
和歌山の高野山のケーブルカーのアナウンスも日本語、英語の次がフランス語。(15年前の話です。今は違うかも)
不便な秘境、高野山。中国人や韓国人観光客は来ない。
禅や仏教に惹かれたフランス人だけが、どこからも遠い高野山にわざわざ足を運ぶ。
日本でフランスアゲアゲ本が売れているように、もしかしたらフランスでも、日本賞賛本が出版されているのかもしれない。
ゴミ箱がないのにどこの国より清潔な国、日本。
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こんなラインナップでしょうか。(全て想像の産物、売れなさそう…)
離れているフランスと日本、真偽はともかく売れる本なら良いのです。お互い幻想を抱いて幸せならばそれで良い。
ここ数週間、周りのアイリッシュからフランスでバカンスを楽しむ話を聞きながら、私もまたパリに行って美味しい物を食べたい!一人で都会に行きたい!などと夢想しています。
とりあえず久々に「ビフォア・サンライズ」シリーズ観ようかな。