アイリッシュ的ウェディング。
おはこんばんちは。飯塚です。
こちらは子供達の学校も終わり夏休みに入りました。
日本は既に猛暑だと聞いていますがこちらは先週などは15度いかないくらいで。
こんな感じなので夏に帰国する勇気が出ません。家族全員溶けてしまう。
赤児の自立はこの日のためでした。
先日友人の結婚式に招待されました。場所は我が家から車で1時間のホテル。
泊まりで行くために11ヶ月の赤児も乳離れさせ子供達全員義理の両親に預けるという、日本では非難の的になりそうな予定を組み。
いや、本当にありがたい。我が家から車で5分の義理両親、足をむけて寝られない程お世話になっております。
義理父は11時に子供達を迎えに来てくれました。
ごっそり離乳食と皆さまで食べるようにレモンタルトやサラダもクーラーバッグに入れて、1日よろしくお願いします!
子供がいるカップル=夫婦、と言う訳ではない。
日本とアイルランドの違い。
アイルランドは子供がいても事実婚のカップルが多いです。
今回も、もうお子様がいて同居もしているカップルの結婚式。
特に女性にとっては人生の一大イベント、結婚式。
結婚式はお金がかかる。まだ資金がない若いカップルには式をあげる余裕はない。
妊娠中はドレスは着たくない。
結婚式は歌って踊って酒を浴びるほど飲むのだから。
妥協せずにしっかりと準備を整えて式に臨みたい。子供達も成長し、自分に手間暇かけられるタイミングで式をあげる人も少なくありません。
新婦はこの日のためにダイエットに励んだり、最善を尽くす。
一生に一度の晴れの日のために。
なぜ、結婚式にボンゴ?
アイルランド(ヨーロッパ全体的に?)はカップル文化。
結婚式に招待されたら基本的にはカップルで参加します。Twitterでも見たけど、ヨーロッパのこのカップル同調圧力はかなりキツいと。
確かに一人参加者は少ないし、レストランでも一人で食事している人はほぼ見かけないのでそれはある。
今回の結婚式の新郎は夫の古い友人。私は彼のことは実はあまりよく知りませんがそれでも夫と一緒に結婚式に招待されるのです。
荷物を玄関前に置いていたら、夫がそそくさと子供部屋からボンゴ(太鼓)を持ってきた。
「これ持ってくの?」
「そうだよ、友達はギター持ってくるみたいだし、夜はこれが必要だから」
へーーー、そうなんだ。
結婚式は1時半から。
友人が車に乗せてくれ、12時過ぎに4人でレッツゴー!
1時25分、まだ着かない。大丈夫かな。
友人は、「どうせ2時から始まるよ。全然大丈夫でしょ。」
到着1時半。しかし予想通り参列者はまだ悠々と飲んでいた。
私たちも早速まず一杯。
2時。スタッフがベルを鳴らす。
本当だ。
時間30分早めに連絡するのか、それとも単に準備が、整わなかったのか。
カトリックの国、アイルランド。結婚式は教会で挙げる人も多いけれど、最近は無宗教の式も増えている。
今回もその形式。
壇上には生演奏も。
司会者が二人の出会いの馴れ初めや家族のエピソードを話す。
教会の式より堅苦しくなくアットホームな式。
参列者が皆笑顔で「いい式だったわね」
といいながら退場する。
結婚式って新郎新婦のために人が集まり新しい門出を祝う日。
まさに、それを実感できる温かい時間。
式場から宴会場に準備をしている間に新郎新婦は写真撮影を。
ゲストはひたすら飲み続ける。
時折、天気雨(アイルランドでは頻繁に起きます)がありつつも、基本的にいい天気。
皆談笑しながらも「お腹すいたよね」「いつ食事の時間なんだろう」
誰もがチラチラ時間を気にする。あー、本当にお腹空いた。
ずっと飲んでるけど朝ご飯からほとんど何も食べてないのだから。
待ちに待ったお食事です。
5時半、宴会場に案内される。
コース料理、メニューを見ながらどれを食べるか決めます。
夫と味見し合いたいのでお互い違う料理をチョイス。
前菜が終わったらスピーチの時間。
アイルランドの結婚式、新郎新婦には結婚式の全てを仕切る介添人がいます。
新郎側はベストマン。
新婦側はブライドメイド。
親友や兄弟が担うのが一般的。
スピーチは元々、新婦の父、ベストマン、新郎というのが一般的なようです。
今回は新郎新婦の父、ベストマン、ブライドメイド、また新郎新婦と続きました。新婦さんが馴れ初めからのエピソードを熱っぽく話していたのが印象的で。
スピーチはまとめて一度で済ませます。
以前夫の家族に、日本の結婚式では会社の上司がスピーチをし会社の業務内容の説明までする事は割とよくある、と説明したら義理の妹が、
「うわー、結婚式に上司がスピーチとか最悪すぎる。結婚式は家族のものでしょ。会社の人はマジで引っ込んで欲しいわー!」
と激しく拒否反応されました。
アイルランドの結婚式は確かに新郎新婦の家族と近い友達が祝福する場。
そんな席で会社の話は確かに違うな、と感じます。
さて、スピーチ終わったらご飯の時間。
メイン料理からデザートまで皆楽しくしっかり堪能。
お色直しもないし、写真撮影もないので新郎新婦もゲストと同じペースで食事を楽しめます。
実はここからがアイルランドの結婚式の本番です。
三時間、お腹いっぱい食べて、ワインしこたま飲んで、あー、もうダメだ。今すぐ横になりたい。
しかし、式場はすっかりとダンスホールに転換中。
アイルランドの結婚式で一番驚いた事。
宴会が終わったら、朝まで生演奏とダンス大会!
結婚式はここからが本番と言っても過言ではない。
しかし、しばらく酒を絶っていた私はもう飲んで踊る体力なし。
一旦部屋で休む事に。着の身着のままベッドでバタンキュー。
2時間後、目が醒めるとまだ生演奏と歓声が窓の隙間から聞こえます。
化粧崩れを直してちょっと観に行こう。
夜中12時。ガンガン飲みながら踊る人達。
生演奏のバンドは夜中1時に撤収したものの、その後もDJだけは残り、ひたすら曲は続く。
飲む。歌う。踊る!
凄いなー。この人たち。
夫は1時でエネルギー切れ、我々は部屋へ撤収。
夫、部屋に向かいながらため息まじりで「結婚式、歌って踊り明かすの朝5時まで続くんだよ。さすがに俺はもう無理だわ。」
アイルランドの結婚式は体力勝負。
翌朝は待ちに待った朝ご飯!そう。ホテルの朝ご飯を食べたかったのだ。
いやっほー!
朝ご飯を食べながら、他のゲストから、やはり朝4時半まで踊り明かした話を聞く。
「夜通し踊る」って日本で体験したことある人、どれくらいいるんだろう?(沖縄あたりはいそう、勝手な想像です)
アイルランドは結婚式に参加すれば本気で夜通し踊ってますからね。
日本の結婚式との一番の違いはこれでしょう。
夫のボンゴは結局使わなかったけれど、友人のアコースティックギターは夜中使ったらしい。
帰り道、夫が「友達の結婚式、もうこれが最後じゃないかな。これからはお葬式が始まるんだろうなぁ」などという。
それ日本でもよく聞くよね。
久しぶりに子供抜きで楽しい時間を過ごせ、幸せのお裾分けをしてもらいいい気分。
子供達は私たちがいなくてもいい時間を過ごしたそうでこれもありがたかったのでした。