Mostly earth, sometimes space.

また、海はでこぼこ

ども、カルロスです。

海が凸凹している話はだいぶ前に書きました。っていうか、SAKRA.JPは今月で2周年、新参者ですがなんだか嬉しいです。私の中のだいぶ前であって、今年の出来事なんですけどね。

あの時は海の温度の話をしました

温度が高いと凸、温度が低いと凹。普段の生活の中でも凸凹があります。道に砂利があってガタガタしてるけど、翌日行くときれいに掃除されている。工事中の道路はもう少し長い区間凸凹してて、一ヶ月くらいの工事期間が終われば新しい道になっていたり。住んでいる町ができた頃よりもっと前からある山や谷… さまざまですよね。異なる時空間スケールでいろんな凸凹があります。

海の凸凹も温度変化による凸凹の場合は、温度によって変わるわけで、季節もそうだし海流の流路の変化によっても変わります。ちなみに最近の黒潮は、紀伊半島沖で大きく日本の岸から離れるような大蛇行が数年続いています。そう、数年単位で変わるのです。

もっともっと長い年月変わらない海の凸凹もあります。陸でいえば、山谷レベルの長い間変わらない凸凹です。それを調べるには、海面の高さを測る衛星、海面高度計で何年も海の高さ観測をして平均してやると長年変わらない海の凸凹マップができます。細かい変化の凸凹は長年平均すると消えてしまいますからね。

どうやって観測するかですが、衛星から電波を真下打って、海面に当たって跳ね返ってくる電波を受ける。その時間を測っているのです。ひたすらそれだけ。時間が長いと衛星と海面の距離が長いから、海面は下がっている(低い)、逆だと上がっている(高い)というシンプルな仕組みです。

3世代にわたって海面の高さを測り続ける衛星の偉業!

この動画は、おなじみNASAの動画で3世代にわたる海面の高さを観測した結果です。しましまになっているのが衛星の軌道。色は海面高度の平均値からの差を表しています。赤は普通(平均)より高いし、青は通常より低い場所です。天気予報でも”年平均気温よりも高めです”とか言われたりしますよね。そういう感じです。日本の周り、特に太平洋は赤と青が入り乱れて、うにょうにょ動いてますよね。黒潮が渦巻いたり、蛇行したりしている様子です。

太平洋の赤道付近に注目すると、南米付近が赤くなったり(高くなる)エルニーニョ、反対のインドネシア付近が赤い部分が広くなるラニーニャが時々起こっているのもわかります。これも、温度が高いと凸、温度が低いと凹になる現象です。

ちなみに、気候変動で将来海面が高くなるという話が一般にも聞かれるし、心配事になっています。温度が上がると、極域の氷が溶けてそれで海面がひたひたと… もちろんそれもありますが、海水温が上がることによる密度変化で海面が上がることが主な要因と考えられています。

やっぱりこの話も先があるので、また次回に!

気になる音楽のコーナー

前回、あーこっちの曲の方がよかったなぁと反省しましたw 名前がまさにField Work。このPVは坂本龍一もトーマスドルビーも演者として出ています。トーマスドルビーはホンダCITY のCM (She blinded me with science) にも使われていました。では、またまた!

ほぼほぼ地球 たまたま宇宙

(隔週月曜日更新)
人工衛星で観測される地球のデータをあれこれする仕事をしています。見知らぬ人から、カルロス!と声をかけられることがあります。

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