「梅と星」。

先週に引き続き、今週もたくさん浅草にお邪魔しました。6月6日(月)梅の日にオープンするバンブーカット の新しいお店「梅と星」。羽釜で炊いたごはんと、梅干しと。日本全国から集めたごはんのお供を、定食にしてお出しする朝ごはんと昼ごはんのお店です。and recipeは、レシピと店舗立ち上げのお手伝いをさせて頂いております。

6月2日と3日の二日間。プレオープンと題して関係者の方々にたくさんおいでいただきました。

撮っている方も笑ってしまって、写真はブレブレ。我らがSAKRA.JPのぐっさんも。お腹いっぱいになった?

ほぼ日チームのみなさんも。「ごはん炊けましたー!」の声にみんなが羽釜の周りに集まってくる。マスク越しでも、しっかりごはんの匂いを嗅いでくれているはず。食いしん坊の皆さん、ノリがいい。

説明を聞いて、真剣にメニューを悩む。

ごはん泥棒のごはんのお供たち。あちこちでおかわりの声が飛び交います。「もう一杯いいですか」と四杯ごはんを平らげたツワモノも!

「白いバターをお願いします。」

「白いバターをごはんに乗っけて、ちょっとお醤油を垂らしてもらうと最高ですよ。」

「うんまい!」

「残ったバターは豚汁に溶かして食べても、またおいしいです。」

プレオープンの準備をしている時、バンブーカットの順平くんが繰り返し言っていた言葉があります。

「とにかく来ていただいたお客様にお腹いっぱいになって帰って頂きたい。」

その言葉を聞いていて、順平くんはつくづくGIVEの人なんだよなぁと思い出したエピソードがありました。

向かって左側がバンブーカット代表の順平くん。右がand recipeの山田。「梅と星」には梅干しを干せる屋上があります。

順平くんがほぼ日でお仕事をしていたのは、東日本大震災の翌年2012年からの2年間。

当時、ほぼ日にいた私は気仙沼のほぼ日をスタートさせた頃で、気仙沼で行った様々なイベントの手伝いをたくさんご一緒してもらいました。落語会「さんま寄席」では、スタッフがどの車で何人、どう移動するか。ややこしい配車表をわかりやすく整理してくれたり。気仙沼や東北のおいしいものを集めて販売する「うまけりゃ売れるべ市」では、撮影の料理の準備からカメラマンさんのアシスタントさん的な役割まで。縦横無尽に走り回って、現場が気持ちよくまわるように、各所に気を配ってくれていました。

「気仙沼のほぼ日」の場所ができてしばらくたった後。ツリーハウスや気仙沼ニッティングなど。新しいプロジェクトが多方面に進行していく中で、人が集まるスペースと、奥の倉庫の使い分けを考えなければいけないタイミングになりました。いろんなことを一気に解決できる方法は、倉庫をきれいにして仕事もできるスペースを作ることだという結論に至り、いざ倉庫の掃除をするというタイミングで。「僕手伝います!」と、さっと手をあげてくれたのが順平くんでした。深夜バスで池袋からバスに揺られて二人で気仙沼へ。朝、まだ暗い時間に到着をして、倉庫に溢れるものを一旦外に運び出し。段ボールに詰まっていて、どこに何があるか分からなくなっている状態のものを開封し、コメリで購入した半透明の棚に整理。電気の配線の上に積もっていたホコリの山を、雑巾できれいに掃除をしてくれたのも順平くんでした。あの作業を一人でやっていたら、何時間かかっていただろうと今でもちょっと途方にくれる分量。手を止めることなく片付け続けて、数時間後には、倉庫にしっかり仕事ができるスペースが出来上がっていました。片付けが終わった後。一緒に何を食べたのか、何時ごろ東京に戻ったのかは、すっぽり記憶が抜けてしまっています。棚にラベルを貼ったり、開封した段ボールをひとまとめにしてガムテープでぐるぐる巻きにした様子だけは鮮明に記憶が残っている。

荷物が山積みだった倉庫の一角が仕事のできるスペースに変わった瞬間に思ったこと。みんなが進んでやらない作業を、ニコニコ笑って黙々と手伝ってくれた順平くんのこれからの仕事は、何がなんでも一生応援しようということでした。一緒にお仕事をした2年間。他にもたくさん助けてもらうことばかりだったけれど、倉庫の整理を手伝ってくれたあの一日に自分の中の順平くんという人がぎゅっと詰まっている。いつもいつもどんな場面でも。誰かが喜ぶことを常に考えている人。

そんな順平くんがほぼ日での2年間の仕事を終えて。宅急便の荷物を集荷するスペースで、これからあちこちに旅立っていく段ボールに囲まれながら次の1年はどうするかの話をしている時。「順平の才能をこのままにしておくのはもったいない。ずっと横で支えるから一緒に新しい仕事をしよう」と親友から声をかけられているという話を聞きました。その時の親友・切替くんと作ったのが竹内の竹「バンブー」と切替の切「カット」でバンブーカットなのです。

そんなバンブーカットが、浅草・浅草寺の横に「梅と星」を6月6日にオープンさせます。6月6日は梅の日でもあり、ほぼ日の創刊記念日でもあります。

プレオープンが終了して、スタッフのみんなと食べた羽釜ごはんとごはんのお供。切替くんが運んでくれたまかないは、しみじみとしあわせな味がしました。バンブーとカットの二人から始まった「バンブーカット 」には今たくさんのスタッフの方が働いています。

右がバンブーカット の「カット」こと切替くん。困ったことを解決するのは全部切替くんの役目。頼れるリーダーです。

「ありがとう」が飛び交う素敵な会社です。そんなメンバーが全力でお客様をお出迎えする「梅と星」。おいしいのはもちろん、いいお店なんです。もう一回言っておこう。いいお店なんです。

浅草においでの際には、お立ち寄りください。朝ごはんと昼ごはんを召し上がっていただけるだけでなく、全国から集めたおいしいごはんのお供も購入いただけます。みなさま、どうぞ御贔屓に!

今日も読んでいただきありがとうございました。土日も暑くなりそうですが、みなさまどうぞよい週末をお過ごしくださいませ。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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