効率化は罪ですか?

おはこんばんちは。飯塚です。

我が家の姫、満10ヶ月になりました。

ハイハイをしつつも、周りを見て自分も立つべきだと思うらしくひたすら立つ練習をしてます。

ハイハイに興味なし。とにかく立ち上がりたい!歩きたい!という意志は感じる。

いやいや、もうちょいゆっくりでいいのだよ。歩き出したら誰も止められない。

ナウシカの巨神兵の話を思い出すな、このくだり。

一応料理は好きですが。

ちなみに赤児はまだ歯が生えないので絶賛離乳食中でして。

恥を承知で告白しますが離乳食作りって本当に億劫で。
言葉悪いですが、

めんどくせぇ〜。

の一言に尽きる。

いや、愛する可愛い赤児の大切な栄養源。
ともすればこれから一生を左右するかもしれない食事の第一歩。

また、優等生みたいな人の、

離乳食作りが大好き。だって人生で初めて赤ちゃんが食べる食事だもの。

という発言も、

はぁー、そうっすよねー。

と同意くらいはしないといけない事、百も承知しております。

でも!離乳食作りはなんというか、楽しくない。

大人食みたいに味付けできないし、歯ごたえないし。

しかも気まぐれな赤児はたいてい残す。

で、私みたいに思っている人は割と多くて赤児がいる母は離乳食作りの愚痴をいいます。

そして、その愚痴から更に驚きの事実を知ってしまいました。

数年前、赤児がいる友人とチャットが続き、彼女が

「じゃ、この辺で。私これからお粥を裏漉ししなきゃいけないので。離乳食作りって本当に手間かかりますよね。」

などと言うではないですか!

え?柔らかく炊いたお粥を更に裏漉し?

「なんで米粉使わないんですか?アイルランドで米粉普通に買えますよね?私米粉使ってましたよ。」

と思わず返信すると。

「え?!そうなんだ。確かに米粉でいいかも。日本のサイト調べたら、どれもお粥を裏漉しするって書いてあったから今まで面倒だなぁと思いながらずっと裏漉ししてた。」

瞬時に殺意すら覚えました。

彼女に、ではなく、日本の脅迫的とも言える手間暇信仰に、です。

ああ、日本ってやっぱり手間暇かけるの好き、手作りしない人は怠け者認定すらされるよね。

私、どうしてもこの風潮に納得いかないのです。

忙しい母親に必要な情報は、いかに時短か、効率化か、じゃないの?

お粥裏漉しを敢えて斡旋とか、母親業への嫌がらせなだけでは?と穿った見方をするワタシは相当捻くれ者なんでしょうか。

アイルランドでは離乳食コーナーに米粉のパウダーが売っています。

私はマッシュポテトやカボチャのスープを作る際に多めに作って小分けに冷凍しています。

後は、オートミールをフープロにかけて細かくして、それを煮て離乳食を作ってます。あとはオレンジのレンズ豆もすぐ煮崩れるので離乳食向き。めちゃくちゃ時短なので本当にオススメです。

子供達のランチボックスもサンドイッチとヨーグルトドリンク、チーズ、サラミのみ。何も作ってません。こちらのランチはこんな感じ。

昭和時代から変化がないとは。

また、今年の3月にも新学期前に、Twitterで

子供の学校用の雑巾と手提げバッグは既製品禁止。手作りでなくてはいけないから、仕方なく作る。

みたいな発言をしてる人がいて、うわー、こういうの、まだやってんだ〜。とまた殺意が(血の気多すぎ)。

既製品じゃダメな理由は?手作りにこだわる理由はなんだろう?

確かに私も母親が縫ってくれた雑巾と手提げバッグ持っていってました。

私の子供の頃は専業主婦が主流で働いているお母さんやシングルマザーの人はかなり少数派でした。

今は働く母親が多数派。
生活スタイルが変化しているのに、親の負担は変わらないのはおかしい。

仕事を終えて子供を迎えに行って、ご飯急いで作って食べて、お風呂入れて、洗濯物畳んで、更にバッグと雑巾作るとか、イミガワカラナイ。

既製品を買う事に罪悪感など要らない。

手作りや手縫いは愛情がこもっている説。愛情をこもる人がいる一方で、こんな事までさせる必要ある?と恨みを込める人もいる、きっと。

親に要らないストレスを与え、更に親子の時間を奪うなら本末転倒なのでは?

手作りしたい人はお手製バッグで。でも引け目なく百均の雑巾とかバッグを選べる方が良くないかな?と思うのです。

手作りは心こもってる信仰が、被災地に千羽鶴を送りつける愚行になっているのではないか。

ちなみに羊毛の産地、アイルランドでは手編みニットは盛んです。

私はやりませんけど。

義母はよく子供達に帽子など編んでくれますし、子供達も嬉しそう。やりたい人がやればいいんです。

就活生に写経は不要。

履歴書は手書きじゃなきゃダメ説も未だにまかり通ると聞いて、あー、やっぱり日本だなぁ、と。

日本は習字の影響もあるからか、手書きにこだわりがある。

字の美醜、字の書き方で人柄や頭の良し悪しを図ろうとするのは日本特有かな、と思います。
韓国や中国もそうなんでしょうか。留学時代に韓国人とそんな話題になったことがありました。

英語圏の人はそんな事は話題にもしませんし、履歴書は当然パソコンの書式です。(写真も添付なし、ただのワードの書式)

特に就活生は大量に用意する履歴書。

手書きで間違えても修正液を使ってはいけない。

履歴書を書くという修行、というか写経?

パソコンでいいじゃないですか。見た目もそっちの方が見やすい。

どうしてもその人の筆跡みたければ、入社試験で見ればいいのでは?

ちなみに一応補足しますが私、直筆完全否定派ではありません。

手紙は直筆の方が好きだし、海外からハガキが届くのはメールやLINEよりも心が躍る、というのは同意します。

西と東の果ての中間くらいがちょうどいいのに。

アイルランドは緩い。

離乳食作りも日本人みたいに時間かけないし、バッグ手作りなど聞かないし、手書きに価値など皆無。服装も自由。

学校の送り迎えなんて、スポーツウェアやレギンスにスニーカーの人ばかり。酷い人はパジャマというか完全部屋着の人もいます。(それはどうかと思うよ…)

その世界に移り住むと、日本の手間暇信仰や、キチンとしなければ、という同調圧力の度が過ぎててしかも昭和時代から変化がなくてドン引きしてしまうのです。

無痛分娩に極端に批判的だったり。

我慢や忍耐を美徳としてるのです。だからブラック企業に搾取されても、文句も言わずに我慢。

結果的に給料が上がらない。有給休暇を取れない。

自分で自分の首を絞めてる。

効率化や楽をする事、権利を主張する事、人生を楽しむ事にもっと前向きでいいのに、と思います。

日本は食べ物美味しいし、サービスも最高。清潔で治安が良く、電車が時間通りに来る。こんな素晴らしい国もなかなかない。

世界的には日本はまだまだ憧れの国。

でも、なんでもかんでもそんなに頑張りすぎなくてもいいのに、などと西の果てから眺めています。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。