老師は花火の打ち上げ師
(老師=ラオシー:センセイの意)
ニーハオ、ニホンコンです。
現在、私のしごとのひとつに
中国人の留学生に中日通訳や日本事情を教える、
があります。
ネタ探しに奔走する日々
1コマ90分。若い学生にとって、授業は長く、
1ミリでも興味が持てなければ気持ちも離れがち。
センセイとしては、とにかくこっちに集中してもらいたい。
毎回本編の内容以上にムキになって、彼らの興味をひく
面白そうなネタ、いや花火を仕込んでいく。
ややウケ「小ネタ」、なるほど知識モノ「中ネタ」、
絶対盛り上がる「大ネタ」の火薬玉をポケットに忍ばせ、
ダラっとしてきたらそれに適したタマを探して導火線に火をつける。
どーん!
ウケるかウケないかは、その時のメンバーと時の運だけど・・
鉄板ネタ
そんな私が初回の授業の時に使う鉄板ネタはコレ。
これ、三尺玉の打ち上げ花火のごとし。なかなか盛り上がる。
やれ自分の故郷があっただとか、あれは食べたのかだとか
方言て聞き取れるワケ?などなどワイワイする。
スマホでこのマップを撮影する学生も。
(別にいいけど、何に使うんだろう・・)
そして、自分にとって当たり前だったけど、すんごい
びっくりされることは
西の果てまで4日、南の果てまで3日。
「すべて電車で移動した」こと。
ハイ、二回目のおっきな花火、打ちあがりました!ドドーン!
ジェネレーションギャップ
すると、学級委員の丸尾君みたいな子が決まって
「今は『高鉄』っていう、数時間で移動ができる新幹線
みたいなものがありましてね・・」と、説明してくれる。
いや、知ってるワイ!そのくらい。
そう、学生のほとんどは、1990年代生まれ。
まさに私が電車で旅をしていた頃、彼らは
赤ちゃん~幼児だったわけで。
便利な時代に育った中国の若者たちからしたら
信じられないほどの遅さなんだろうな。
そのゆっくりさ「日本を歩いて旅しました」に
近いのかも。え?ワタシ伊能忠敬でゴザルか?
おそらく
私は彼らにとって、自分も知らない時代の中華世界を
知っている、化石みたいな老師に見えるのかも。
こうして、私は私で、あれこれ日本のよもやまを教えたり
大小さまざまなネタの打ち上げながら、彼らから
中華のナウなネタを仕入れているのです。
今はオンライン授業の日々。
早く対面で大輪を咲かせたいものです。
6月9日 ニホンコン