ただいまを言いたくなる場所で、会いたい人と会って話す。

久しぶりに東北出張に来ています。陸前高田CAMOCYの1周年。and recipeはCAMOCYのアトリエのイベントで、パスタを作りにやってまいりました。

大船渡線が気仙沼駅に到着した時、やっぱり「ただいま」という気持ちになりました。木曜の22時。気仙沼到着の電車に同乗されていた方は3人ほど。皆さんほんとの「ただいま」の方々ばかりだったように見えましたが、場違いな大荷物をもった私も、自然と「ただいま」と言いたくなる場所がやっぱり気仙沼です。

なかなか来ることのできなかった東北。お世話になっているみなさんのこと、ずっと気になっていました。

翌朝はBRTに乗って陸前高田へ。奇跡の一本松のバス停からCAMOCYまで徒歩で15分ほど。ほどよく体が温まったところでCAMOCYが見えてきました。木で作ったトナカイ4頭に迎えられる。

「去年はCAMOCYのオープンでバタバタしていたから、クリスマスちゃんと準備できなかったんだよね。だから今年は本気だして作っちゃった」

発酵食堂やぎさわの店長でもあり、CAMOCY全体の女将さんでもあるふみえさん。お客様に喜んでもらえることを、どうしたらCAMOCYという場所が心地のよい場所になるか。いつも誰よりも考えて、どんどん手を動かす。直接お会いできて嬉しい東北の女将さん。そんなふみえさんが、自ら作ったという木製のトナカイ。CAMOCYの入り口でみなさまをお待ちしております。

陸前高田マイクロブリュワリーでは、陸前高田産のクラフトビールができあがっていました。コロナの影響でビールの醸造タンクが海外から届くのが遅れ、一年前には飲むことのできなかったビール。やっと今回味わうことができました。迷いに迷ってライスウィートエールをチョイス。ほんのり甘く、すいすい喉を通ってしまうビールでした。

いろんな味をちょっとずつ。飲み比べセットがおすすめです。
「お家で生ビールを楽しんでいただくこともできるようになりました!」マイクロブリュワリーの熊谷さんに教えてもらって、夜のごはんのお土産に。

パスタのイベントは怒涛のように過ぎていき、カメラに収めることも忘れていましたが。陸前高田でお世話になっているみなさんはもちろん、気仙沼からも「食べに来たよ〜」とCAMOCYまで足を運んでくださるみなさんの顔を見る度、心の中で「ただいま」を連発しておりました。

夕方片付けも終わって、再び気仙沼へ戻る。夜はつばき会の和枝さん、紀子さん、かなこさんとでごはん。ちょうど東北出張に来ていたバンブーカットの順平くんとようたくんも合流。バンブーカットのお二人は、つばき会さんの企画する漁師カレンダーのプロデューサーでもあります。2014年にスタートした漁師カレンダーは2024年に10年目を迎える。あれをすっぺ、これをすっぺ。あぁしたらいいっちゃ。こうしたらみんなが嬉しいよねー。ちょっとした雑談からどんどん新しいことが生まれていく。震災の直後、ほぼ日時代に気仙沼にお邪魔した時にも、こうやってわたしたちの雑談に付き合ってくださった東北のみなさんの時間に、改めて感謝の気持ちでいっぱいになる。そのおかげで、実現したことがたくさんあった。

そんな会話の後ろで、次々とおいしいものを用意してくださる和枝さんの長男吉太郎さん、次男啓志郎さん。

初物のわかめ。しゃぶしゃぶして、黒が鮮やかなグリーンに変わる瞬間をみんなが一斉にカメラにおさめる。

「うんまいねぇ。はっ、はっ、は。」

「さすが紀子さん」

「初物を食べたら西をむいて笑わわないと、ねぇ」

同じくしゃぶしゃぶされた初物のホッキ貝が小皿に並ぶ。ぱくっ。あ。すっかり笑うことを忘れておりました。

漁師カレンダーとは別に、来年つばき会さんが気仙沼で準備しているイベントについて。オンラインでしかお会いできていなかったかなこさんと話す。オンラインでは、必要なこと、事前に確認したいと洗い出していた項目について話すことに終始してしまうけれど。顔を見て話せる時間が嬉しい。あんなこともいいね。こんなこともいいねと、アイディアが膨らんでいく。はみ出す時間は、とても愛おしく、そしてとても必要なものだ。

おそろしくおいしかった白子の天ぷら。啓志郎さんの作ってくださるお料理、すんばらしかったです。

本日、明日とCAMOCY1周年のイベントは続きます。月曜日のお昼まで。会いたかった人と顔を見て話す時間を満喫したいと思います。

みなさまどうぞよい週末をお過ごしくださいませ。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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