#33 ムトーの図書館(7冊目)
こんにちわー、ムトーです。
寒い。冬だな、これは。
どうでもいいんですけど、夏至と冬至ってありますよね。夏至ってちょっと憂鬱になりません?「ああ、もう、今日が一年で一番太陽が出てる時間が長いということは、明日から短くなっていくんだな。」って寂しい気持ちになりません?なりませんね。ちょっとね、感覚的なことなんですけど、夏至、早すぎるんですよ。6月20日とかそのくらいですよね。
イメージとしては「これから夏本番」なのにもう陽の長さのピークが来て、翌日からどんどん暗くなる時間が早くなる。こちらの要望としては8月22日くらいがいい。それくらいになれば夏休みも終盤だし、夏が終わる覚悟もできてる。冬至はね、仕方ない。12月20日くらいで。
まあ、この話ってあんまり共感してくれる人いないんですけど。
さて、本の紹介です。
最近、ちょこちょこブックカフェに通ってるんですね。
そのお店の雰囲気とか、空間がいいとかっていうのもあるんですけど。ブックカフェがいいな、と思うのは、こじんまりしているところ。本屋さんよりも本の選択肢が少ない。本屋さんに行くと沢山の本から選べるのはとても幸せなんだけど、最近は何を読んでいいかわからない。読みたい本を探すのがめんどい(どーしょーもねー)。
ブックカフェは店主が厳選した本の中から本を手に取る感じ。
僕が最近通っているお店の棚には、僕が好きな作家の作品や、僕が持っている、読んだことのある作品も置いてあって、店主のチョイスが僕好みだと感じたので、安心して、あんまり悩まずに本が買える。
今回はそのブックカフェで購入した小説。
川上弘美さん の「某」です。
川上弘美さんって僕が25年くらい前か。高校生の頃、「蛇をふむ」という作品で芥川賞をとった人で。僕はその作品が載った文芸春秋を購入して読んだのです。が、最後まで読めなかった。短いのに、頭に入ってこなかった。
だから、それ以来彼女の作品を読んでなくて。ブックカフェの棚にこの本を目にして、ちょっと悩んだけど、購入。大人になったから読めるかも、と。
はい。めちゃくちゃ面白かった。
ネタバレみたいになるんですけど。僕、川上弘美さんがどんな作家かというのがよくわかっていなかったので、作品に対する先入観はゼロで読み進めました。
主人公はハルカという女の子、だったのですが2章では春眠という少年に。3章では文夫というおじさんに。全部同じ人、というのか、いろいろな人の人生を送る人の話。「某」と呼ばれる「誰でもない」存在。主人公は自分の意思で違う人になれる。他の「某」の中には自分ではその変身を制御できないものもいる。
主人公が「某」という存在であるという設定に気づくまではもう、ずっと「?」を頭に浮かべながら読んでいる感じ。
いろんな人の人生を好きな期間体験できる「某」が羨ましいと思ったりもしながら、やはり「何者でもない」というのはとても寂しく、虚しいとも感じる。
これは僕が全く読んだことのないタイプの小説。面白い。
妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー