親にも休暇を!

おはこんばちは。飯塚です。

先週土曜日、ラグビー、日本VSアイルランドの試合がダブリンで開催されました。
ワールドカップの際は予選リーグでアイルランドがまさかの日本に敗退しましたが、今回はアイルランド強かったですね。

TV画面からだとスタジアムも観客席がかなり埋まっていました。

今回チケット代がかなり高騰していたようなので売れ残っていたようですが、今アイルランドはフルキャパシティで観戦できる状況です。

夫婦だけで週末を楽しむ人達。

また、最近は海外旅行を再開しているのを実感します。

今まで我慢を強いられていた分、近場でもいいから海外へ!とEU圏内に行く人が続出してます。

先週は友人夫婦がスコットランドに行き、今週は別の友人夫婦がポーランドに行く、来週末は別の友人夫婦がアムステルダムに。

いずれも子供達はお留守番。

皆子供が2人以上いる夫婦で子供達を親または兄弟に見てもらうようです。

うーむ、ちょっと羨ましい。実はアムステルダムは夫と共に誘ってもらいましたが私はまだまだ赤児の世話で手一杯なのでお断りしました。

日本とアイルランド、というより欧州一般なのかわかりませんが、子育てで違う点。

幼い子供達を親や兄弟に預けて食事や飲みに行ったり、旅行にも夫婦や友達と行く。

特に私の周りは両親や兄弟が近くに住んでいる人が多いため、殆どの夫婦が自分たちの時間を楽しんでいます。

一番驚いたのは幼稚園と小学校の男児2人を親に預けてタイに二週間ハネムーンに行った夫の友人夫婦。

これはさすがに長すぎるよ、と私の夫も驚いてましたけど。

ちなみにアイルランドは子供がいる若いカップルも事実婚の人達が多く、実は籍を入れてなかったりします。
結婚式はお金がかかる。

子供が出来て、普通に家族として暮らしながらら結婚式のお金を溜め、ダイエットをし、万全に準備を整えて式を挙げる人が多いです。

なので、子持ちのカップルであっても周りも

「husband 」
とは聞かずに

「partner 」
または
「boyfriend 」
と聞きます。

私なんかは未だに子連れのカップルだとつい、husband とか言ってしまうのですが、相手から、
「boyfriend 」

と訂正される事もあります。

二週間前に我が家のお隣さんも結婚式を挙げ、式の後二泊三日のハネムーンに行きました。

その間お嫁さんのお母さんが6歳と4歳の子供達と留守番をしていました。

普段からお隣さん夫婦はたまに週末夫婦だけで旅行に行ったりしています。

アイルランドに住む日本人の友人は義理の両親から、

「たまには夫婦2人で食事でもしてきたらどう?子供の面倒は見てあげるから」
と事あるごとに言われるのが逆に鬱陶しい、とも嘆いてました。

日本だとあまりそういう話は聞かないような。

我慢と忍耐は継承される日本。

一方、私の日本の親戚で、孫を預かったり世話はするけど、致し方ない時だけ。親の遊びや飲みに行くという都合で子供達を預かる事はしない、というポリシーの人がいます。

この話を夫にしたら、なんでそんなに厳しく堅苦しいのか理解出来ない。

日本の親は24時間365日親をしなきゃいけないのか。

普通の仕事だって休みがあるんだから、親業だってたまには息抜きが必要でしょ。

自分の若い頃に苦労したから、とか休ませてもらえなかったから、今の世代も同じ体験をするべきだ、と負の遺産をさせてるのか?

親がたまに息抜きして自分の時間を持つ事でリフレッシュできて、かえって子供達といい関係性を築く事が出来るんじゃないの、とも言います。

そうだ!そうだ!

たまに息抜きしないと、ストレス溜まって益々ガミガミうるせ〜母ちゃんになる危険性が高い。

時には子供抜きで大人の時間を持つ事は大切です。

日本は確かに自分の世代より楽をする事を許さない精神性があると思う。

無痛分別許すまじ、とか、離乳食は手作りじゃないと可哀想、幼稚園や小学校のバッグは母親お手製に限る、夫が夜中に帰宅するのに合わせてご飯を作る、とか。

自分達が我慢したのだからあなたも我慢しなさい、という価値観の人達、一定数いると思うのです。

あなたの人生を人に押し付けるべきではないし、家庭の事はその家庭の問題なので他人が口出しする権利もないはず。

日本人は常に他人の目を気にしますが、アイリッシュは他人から何言われようがどう見られようがあまり気にしません。

それは良い意味でも悪い意味でも、です。

世界一周以上のアドベンチャー

私自身は今まで夫に子供を預けて3回ほど家を空けた事があります。

1回はアイリッシュの友人の結婚前のお泊まりイベント。

2回は日本から友人が来た時。家にも泊まってもらい、その後2泊3日で車で遠出。

夫はたまに友人達と飲みに行ったりするけれど、私はアイルランドにそれほど気心知れた友人もなく、普段は「友達と会う」と言う口実で夜間に子守を頼む事はほぼない。

だからこそ、日本から友人がくると、ここぞとばかり夫に子守を頼んで羽を伸ばさせてもらうのです。

夫はお店のポイントカードを小まめに使いビールなどをもらうのに対して私はポイント貯めに貯めて電化製品もらうようなイメージです。

夫、家事も子守りもしっかりやってくれるのは本当にありがたい。(周りの夫婦も旦那さんは同じような感じです)

女同士の旅行は独身時代を思い出して必要以上にはしゃいでしまう。

しかも会話は日本語。

そういえば、最後にホテルに泊まった思い出は2年前に日本から友人が来て、初長距離ドライブで行ったアイルランドの西の果て、ディングルでした。

ケルトの歴史オタクな友人(というか学生時代の先輩)が行きたがっていた遺跡。

運転がまだままならなかったあの頃。

いきなり自分の縄張りから出て、5日間毎日4時間も車の運転。

朝から車の運転3時間くらいすると脳内が「さ、さ、砂糖をくれーー」状態に。2か連続お昼にチーズケーキを食べる。しかし私の欲求を超えるほどの激甘でチーズの味はしないのだった…。

例えるなら、経験のない医者見習いがいきなり大手術の執刀医を任される程の危険性。

万が一の場合には命の保証がない、と言う点含めて。

片道190kmのドライブ、個人的には世界一周旅より覚悟が必要な本物のアドベンチャーでした。

おそらく同乗者はもっと怖かったはず。彼女、助手席で一睡もしませんでした。

私もホテルの二日間、緊張しすぎてよく眠れず、彼女が経つと2日か3日は疲労で眠り続けました。

でもあの長距離ドライブで生活が飛躍的に変わったのです。

今でも運転が上手くはない、と自覚しながらも基本的にはどこでも行けるようにはなりましたしエンストもほとんど起こらなくなりました。(車はマニュアル。アイルランド含めヨーロッパは今でもマニュアル主流です)

だからあの国内旅には今でも感謝。

車で3時間かけて行ったところで食べた生牡蠣が実は我が家からすぐ近くの牡蠣の養殖場で採れたものらしいと、この旅の一年後に知りました。美味しかったけど。

しばらくは誰も来る予定はないし、私自身も人を迎える余裕はないですが、またいつか日本から友人が来る日がくる日を待ち構えています。

なんなら、友達とロンドン、パリ、ローマ、アムステルダム辺り集合で旅行に行ける日が来ないかしら、と白眼を剥いて夢想中です。

アイルランドのビールは美味い。泊まりだと心置きなく飲めるのが嬉しい。車社会だと食事に行っても飲めないのですよ。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。