眠る。

一年、あっという間ですね。あぁ、10月が過ぎてゆくと思っていたら、11月始まりの1週間ももう終わりに近づいている。こうやって、気がついたら12月で2022年がやってくる。

今週は撮影とイベントが重なってなんだかせわしなく。毎日、途切れ途切れで3時間くらいの睡眠という日が続いていました。明日もイベントの設営で早起きしなければならないのだけれど、POPを切ったり備品を準備したりしなければ眠れない。冷たくなったカフェラテをあたためようと小鍋を火にかけたら、そのままソファーでゆっくり閉じていく目蓋。鍋中にほとんど残っていないカフェラテの匂いと、ただよってくる煙に飛び起きて、心臓がバクバクしています。

撮影中、台湾の万能家電「電鍋」でご飯を炊く。とってもきれいに4合のごはんが炊けました。

料理、洗い物。料理、洗い物。キッチン内の狭い範囲をピボットターンし続ける日々のせいで、体が痛い。一度お風呂に入って、痛みをほぐしてから残りの仕事をしよう。携帯を持って湯船に向かいました。今週全くチェックできていないNETFLIXのドラマを見ようかとアプリを立ち上げる。ドゥドゥンの音を聞くとしばらくして、携帯を持つ左手が水際までゆっくりと下がっていく。ちゃぽんと落ちる寸前で、はっと目が覚める。だめだ。ドラマは諦めて、音楽を聞きながらゆっくり湯船につかることにしよう。

ものすごく眠たい。10分だけソファーで横になる。そんな日々が続いていたからか、UNICORNの『眠る』の冒頭のギターのカッティング音が、ゆっくり頭に流れてきました。

ッチャチャ、ッチャチャ。「静かな場所で、ただ眠りたい。ねむれ、ねむれ、ねむれ。〜もう朝は来ない。」いやいや、朝は来てくれないと困る。

足の裏もお尻の付け根もガチガチに張って痛い。「すべての痛みをもう忘れたい。もうこれ以上動きたくない。」ぶくぶくぶくぶく。

電鍋はシンプルな構造。外鍋に水を入れて、スイッチを押すだけ。調理が終わると自然にスイッチがあがります。

UNICORNの『眠る』をかけたら、そのままアルバム『PANICK ATTACK』に収録されている曲が継続して流れてきました。1988年7月21日にCBSソニーから発売されたアルバム。生涯で一番好きなバンドと言っても過言ではないUNICORN。当時12歳。登校前、TBSで朝のニュース番組が放送される直前の時間に流れていた天気予報。バックに映っていたのが、バンドブーム初期の若手バンドたちのPVでした。

湯船からバサッと浮かび上がった民生さんが「あ、すーきなこと言ってなさい」と歌う後ろに、ネオン管の「明日」の文字が見切れたり、黒子が襖をバンバン開けていく民生さんの行く手に、象がぱおーんと登場。振り返った時の民生さんのナチュラルなにやけ顔。忘れられないイントロのフレーズも合わせて、『××』のPVを見てからというもの、UNICORNの虜になりました。「I’M A LOSER」PVもめちゃくちゃかっこよかった。元祖金爆、全員エア演奏のPV。1988年5月に正式メンバーになった阿部BもPVに登場。そういえば、デビューアルバムの『BOOM』の発売はいつだったんだろう。1987年、ってことは『PANICK ATTACK』発売の1年前。『服部』は?1989年。『ケダモノの嵐』『おどる亀ヤプシ』『ハヴァナイスデイ』全て1990年に発売。1991年に『ヒゲとボイン』。1993年の年明けにドラムの川西さんが脱退を発表したあと、5月に『SPRINGMAN』が発売されて、解散前最後のアルバムとなった。あんなに密度の濃いアルバムが、毎年に近いスケジュールで発売されていた。中高の6年間は、UNICORNと共にありました。

電鍋で炊いたごはんでビビンバ。撮影をしてくれたカメラマンのキヨちゃんの携帯にもビビンバ。

2009年、UNICORNが『シャンブル』で復活した時には、必死でチケットを取り、埼玉スーパーアリーナのコンサートに足を運びました。バンドブーム当時、まだ埼玉スーパーアリーナは存在せず。実家が埼玉だった私の家から一番近かった戸田市文化会館では、だいたいツアー最初のコンサートが行われていました。1210席の戸田市文化会館のチケットをゲットするのは、なかなか至難の技で。結局一度も行くことはできませんでした。運よくチケットを取ることができた武道館でのコンサートがやってくるのを指をくわえて待つ日々。待つのもまた、すばらしき日々。

1988年〜1989年まで東海ラジオ放送「SF Rock Station」の水曜日を担当していた民生さん。雨の強い日は民生さんの声が聞こえる打率4割。晴れの日でも6割くらいでしたが、ラジカセのアンテナを名古屋方面に伸ばして右へ左へ。少しでも民生さんの声を拾おうと、必死でラジオを聴いていたことも思い出します。

UNICORNのコピーバンドを組んでから。一番演奏したのは『××』と『すばらしい日々』。『ケダモノの嵐』のベースが弾けるようになった時はちょっと感動した。

UNICORNの曲をリピートしながら、1時間ほど湯船に使っている間に眠気はどこへやら。ぱっちりと目が覚めました。

コーヒーを買いに出ると日が傾き始めていました。この柔らかい光、釜山のチャガルチ市場を思い出すなぁ。あぁ、旅に出たいですね。

そのまま、YouTubeをあさっていたら、NHK「Xmas Special POPS & ROCK 1989 LIVE」UNICORNとJUN SKY WALKER(S)がコラボした「雨上がりの夜空に」と「MY SHARONA」の映像が流れてきました。MY SHARONA、川西さんと小林さんのツインドラムがかっこよくて、ビデオに撮った映像を何度も何度もみたなぁ。仲のいい2組のライブにニコニコしてしまう。

これはキリがなくなりそうだ。そろそろ、仕事をしないと明日のイベントの準備が間に合わない。落ち着いたら、ゆっくりUNICORN三昧の日々を過ごそう。

この土日も、気持ちのよいお天気になりそうですね。皆様、どうぞすばらしい週末をお過ごしくださいませ。

『眠る』℗ 1988 Sony Music Entertainment (Japan) Inc. Composer, Lyricist: Tamio Okuda

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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