#32 ムトーの図書館(6冊目)

こんにちわー。ムトーです。
10月です。秋ですね。でも、暑い。気温30度超える日が続いたり。
秋冬用のカーディガンを買ったんですよ。9月のアタマにね。
もう、1ヶ月出番なくて。先日、朝肌寒い日があったので、ここぞとばかりに着て外出したんですよ。そしたら会う人みんなから「暑くないですか?今日。」と言われて恥ずかしくて脱ぐ始末。そんな2021年の秋です。

読書の秋ですからね。本を読みますね。

大分市に今年オープンしたブックカフェがありまして。そのお店、ちょうど僕をくすぐる本が並んでるんです。

そこで今回選んだ本が 沢野ひとし『山の帰り道』です。

エッセイです。

沢野ひとしさんはイラストレーター。小説家 椎名誠さんの作品を読んだことがあるひとには馴染みのある人物です(よね)。

椎名誠さんの小説やエッセイなど多くの作品に挿絵を描いています。
椎名誠『哀愁の町に霧が降るのだ』という自伝的小説は主人公シーナが「克美荘」というアパートの6畳一間の部屋で4人の男たちが共同貧乏生活をするお話。その4人のうちのひとりが美大生の沢野ひとし。
この『哀愁の〜』は本当に面白い(大半笑える)ので機会があれば皆さんに読んでもらいたい本。僕は中学生の頃まで全く本を読まなかったんですが、高校1年の時に暇すぎてすることがなかったので、家にあったこの本を手に取って読み始めて、そこから読書できるようになったんです。しばらくは椎名誠さんの作品をずっと読み漁ってました。週刊文春に2015年まで椎名さんが「新宿赤マント」というエッセイを連載してたんですね、20年以上。高校時代から2015年までずっとそのエッセイを読んでいたんです。週刊文春を毎週購読する高校生だったんですね、僕。その椎名さんの文章のそばにいつも沢野さんの絵があるんです。本文と関係ありそうで、あんまり関係なさそうな絵。椎名さんのエッセイとセットなんだけど、その挿絵単独でも楽しめるんです。たまに椎名さんの作品で、沢野さんが挿絵じゃないものがあるんですけど、それはなんだか寂しい気持ちになるんです。沢野さんの挿絵じゃないと調子が狂うというか。沢野さんの挿絵はイラストと短い文章で構成されていて、1コマ漫画みたいになってるんです。

僕、絵を描くと無意識に言葉を添える癖があって。それは自分では意識してなかったんですが、完全に沢野ひとしさんの影響だったんだ、と最近気づいたのです。

そういえば僕は小学生の頃、書道を習っていたんですね。まあ、結構ちゃんと書けてたんです。上手に。
中学生の頃、従兄弟のお兄ちゃんが読み終わった本をくれたんです。所ジョージさんの著書。その本の挿絵を描いたのも所さん。所さんも沢野ひとしさんと同じようにイラストに言葉を添えていました。
所さんの文字ってテレビでよく目にしますよね。中学生のムトー少年はその文字を初めて見て衝撃を受けたんです。チカラの抜けた気取らないシェイプ。書き方や書道で勉強した「打ち込み」「留め」「払い」という筆の基本的な動きがないんです。
「すげー!」
それまで学んできたことを全てひっくり返された僕は、その日から所さんの文字を書けるようになるために、体に染み付いた「打ち込み」「留め」「払い」を捨てる特訓を行います。それはもう、血の滲むような(嘘)。

その訓練の結果、僕はチカラの抜けた所さんのような文字を会得します。(大人になって、ちゃんと綺麗な文字を書けないという弊害に苦しめられることも当時は全く考えていませんでした。)
沢野ひとしさんの文字も、所さん同様に「打ち込み」も「留め」もありません。なので、すでに所さん文字をマスターしていた高校生のムトー少年にとって、沢野さんの文字は親しみを持てるものだったのです(ほんとか)。

だからどうしたんだっけ。あ、そっか。どうもしないんだ。沢野さんが好きな理由がそれです。

今回紹介する『山の帰り道』というエッセイにも沢山の沢野さんの挿絵があるんですが、挿絵に文章はありません(ほとんど)。

沢野さんはずっと登山をしてきた人。山の思い出や、家族との時間を淡々と綴っている読むのが心地良いエッセイ集。沢のさんの文章にはやはり沢野さんのイラストがとても合う。家よりも外で読みたい1冊です。

妄想旅行社 ムトーツアーズ 代表 ムトー

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(隔週月曜日更新)
大分県に住んでいます。大分に遊びや仕事に来た人を案内することにヨロコビを覚える男です。