秋の一仕事 ー収穫編ー

おはこんばんちは。飯塚です。

秋は忙しい。8月末はやる事が盛り沢山。

息子1号の誕生日。プレゼントを買い、誕生日パーティーバーベキューが昨年から恒例行事化しそうです。

学校、幼稚園が始まるのでその準備。

そしてブラックベリー摘みとその加工。

本当は今日のネタは去年書くつもりでした。

昨年に、このブログに声かけていただいた際に真っ先に思い浮かんだいくつかのネタのうちのひとつ。

ブラックベリー

去年、ブラックベリー摘みの事を書きたかったのに、そんな時に限って例年にない不作で。

仕方なく、エルダーベリーと混ぜてジャムを作りましたが、仕上がりはブラックベリーだけで作るジャムよりはイマイチで。

やっぱり、ブラックベリーの風味がいいんだよ。

と、今年のこの季節を楽しみにしていました。

アイルランドに住み始めた2013年の夏。

日が短くなり気温も下がる8月下旬、夏の終わりを実感し寂しくなった頃。田舎道の両脇にたわわに実るブラックベリーを見つけて気分爆上がり。

その年の夏は暑かったこともあり豊作でした。

暇を持て余していた私はブラックベリー摘みに夢中になり、夫と彼の妹と一緒に10㎏摘み、ワインやジャムを作りました。

それ以来、私にとっては夏の終わり=ブラックベリーという図式が出来あがりました。

アイルランドのブラックベリー、仮に国民総出で血眼になっても摘みきれないほど田舎道を埋め尽くしています。

今年は豊作。まるで葡萄のようにすずなりに実ってます。

この実りを待つのは人間だけではなく。

道端の野生の動物の糞や肩に落ちてきた鳥の糞はブラックベリーの種の粒々だらけ。

肩に降りかかる鳥の糞、通常ならウギャァーと嫌な気分になるのに、種だらけだと、ばっちい感が90%軽減される不思議(たぶん気のせい)。

ただ、アイルランド在住歴が私より長い市内に住む日本人の友人は、ブラックベリーの存在を知らず、

「ベリー摘みなんてどこで出来るの?」

などと聞かれたのは驚きました。

都会と田舎の人の生活が違うのは日本も同じなんでしょうね。

我が子達にもブラックベリー摘みは毎年恒例行事。
自然のサイクルを子供達は楽しみながら覚えます。

ブラックベリー摘みしていたら通りかかったトラクター。秋には家の前の道に頻繁に通ります。

もし、男性から「週末ブラックベリー摘みにでも行かない?」

などとデートに誘われて、張り切ってお気に入りの白いワンピースに新しいサンダルなどでオシャレしてはいけません。

白いワンピースに紫模様で染めたいという意向があれば話は別ですけど。

ブラックベリー摘みは同じベリーでもいちご狩りとは勝手が違う。

ブラックベリーの枝はトゲだらけ、しかもブラックベリーの周りは、触れるとビリビリしびれるネトルという雑草をはじめとした肌を攻撃する雑草ばかりが生い茂っています。

ブラックベリーの枝はバラの枝のようです。触ると痛い。
こんなのもある。触る者皆傷つけたー。って歌が昔ありましたね。

仮に半袖でも過ごせる気温だとしても、私は必ずジャケット着用、足元もしっかり防備して肌は出しません。

いざ、摘むべし。

当然ながらブラックベリーは陽当たり具合いで実の成長も違います。

という訳で、今週はここが摘み時、来週はあそこで摘もう。と数週間は楽しめます。
ただ、秋の終わりになると風味が落ちて種の存在感が増すので、私はシーズン始めだけ摘むようにしています。

あまり下にあるのは摘まないように。下はネズミ達の領域です。

黒くて触るとちょっと柔らかいのが甘くて美味しい。固いとまだ酸っぱいです。

そして、摘んだら必ず裏をみて虫がついてないか確認しましょう。

この夏の終わりの恒例行事、アイルランド人誰もが楽しんでいると思ったそこのあなた。

ここまで盛り上がりましたが、実は摘んでいる人、それほど見かけないんですよね。

何やら、種が歯に挟まるから嫌だという人も多いみたいで。確かにいちごより種のブツブツ感はあります。

子供達は学校帰りにオヤツ代わりに摘んで食べたりしますが、大人が摘んでいるのは稀。

もう食べ飽きたのかもしれないけど。

ブラックベリーに心躍らせているのは私みたいなよそ者と子供達くらい。

東京の人が街で芸能人を見かけても声かけない、みたいな感じなんでしょうか。

芸能人に反応するのは田舎の人だけ。

反対に田舎のブラックベリーに過剰反応するのは都会の人だけ、みたいな。

アイルランドに住んで8年目になりますが、私は今でもこのシーズンは鼻息が荒い。

ブラックベリーに涼しい顔して素通りできたら、私は田舎のアイリッシュと認めてもらえるのかもしれない!(誰に?)

3年前の息子1号。
2年前の息子達。

来週はこのブラックベリーの調理例を紹介します。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。