甘い記憶。

おはこんばんちは。飯塚です。

アイルランドの夏のお楽しみ、それはフルーツ。

というより、桃。

ヨーロッパで夏に出回るドーナツピーチ。
日本語だと蟠桃っていうらしいですね。
日本の白桃に近い味です。

もちろんドーナツピーチはアイルランド産ではなくスペインから輸入です。
というより、アイルランドで売られている殆どの野菜や果物が輸入品。

輸入品ばかりだと季節感が乏しく、みかん、バナナ、りんご、ブドウ、メロンやパイナップルなどは一年中買えます。

そんな中でこのドーナツピーチは夏限定。季節感を味わえるのです。

輸入品ばかり、と聞くとなんだかお気の毒、と思うかもしれません。

ただ、アイルランドは日本で例えると北海道ほどの広さと人口。

なので、私は勝手にヨーロッパを日本全体くらいなイメージで捉え、スペイン産のフルーツも日本の四国から来た国内産、のように考えています。

日本に居た頃は、日本の近隣諸国が中国、ロシア、アメリカなので小国なイメージを持っていましたが、ヨーロッパ諸国と比較すると日本は国土も人口も実は桁違いに大きい。

話それましたが、日本は果物が高い。来日した外国人からも同様の意見を聞いた事があります。
特に桃は高級品で気軽に毎日食べられない。
確かに、青森のリンゴ、山形のさくらんぼ、山梨の葡萄や桃、愛媛のみかん、みたいにブランディングがあり、味は保証されてますけどね。

アイルランドは輸入品でも、生鮮食品は非課税ですし、いつでも価格は一定。

子供達にもなるべくお菓子ではなく果物を食べさせたいので、我が家は常に数種類の果物を常備します。

ある日の買い出し。果物はだいたいどれも輸入品なのに値段は日本円で200円とか300円くらいな感覚。

でも、本当は果物も野菜も新鮮なご当地物が一番美味しい。

日本で独身時代、果物はあまり食べていなかったのですが、海外に旅に出て果物の虜になりました。

ヨーロッパのベリー、インドのバナナ、トルコの杏。

ヨーロッパのマーケットではよく見かけるブルーベリー、ラズベリー、イチゴ。

フランスのマーケットで売られていたラズベリー、ブラックベリー、グースベリー、レッドカレントなど。

ラズベリーはアイルランドでも育ちます。
友人宅でも最近山のように採れたらしく、遊びに行った我が子たちがたくさん食べて帰ってきました。
我が家も夫が苗を20本買ったのですが、何故だか育たずに全滅してしまったのは残念。

インドの旅ではマーケットでマンゴーやバナナを。
バナナは皮が透けそうなほど薄くて、ねっとり甘い。

基本的にお腹を壊していたし、暑すぎて食欲がなかったので、栄養価の高いバナナと生姜とシナモンが効いたチャイを飲んで胃を落ち着かせていました。

インドの街中の果物スタンド

そして私の中の果物の概念を変えたのがトルコの杏。
確か、長距離バスのチケットを買っている時にバス会社のおっちゃんがボウルに山盛りの杏を頬張っていて。

おっちゃん、物欲しげな?東洋人の視線を感じたのでしょう、一つくれたのです。

それが、とっても甘くてほのかに酸味があって。
初めて食べた生の杏のあまりの美味しさに感激。

トルコではあちこちに露天で果物を売っていたのでその日以来毎日杏や桃、葡萄などを買いました。

トルコの街の果物屋さん。何食べても美味しかない国、トルコ。

その後、帰国し近所の八百屋さんでたまたま国産の杏を見つけ、大喜びで買ったら、全然味がしない!

例えるなら、トルコの杏はどっしり濃ゆいドイツのビールのように存在感があるのに、国内産の杏はバドワイザーにさらに氷を投入しそれも溶けたような味の薄さ。
八百屋にて小躍りした期待感を裏切られて心底ガッカリしました。

確か残った杏はジャムにして食べました。
杏の名産地トルコ。海外で出回っている乾燥杏もトルコ産が多いという事を後から知りました。
夏にトルコに行く人はあの新鮮な杏、逃してはなりません。

子守りはザクロに任せましょう。

モロッコやチュニジアではザクロ。
サハラ砂漠のツアーでザクロをおもむろに食べていたら、同行の日本人の大学生達が

「果物なんて食べてお腹大丈夫ですか?」

と聞くので逆に驚きました。
衛生状況がわからない料理を食べるよりもよほど、果物が安全な食べ物です。
皮を剥いて食べるものは特に。

ザクロはアイルランドでは年中スーパーに置いていて、子供達も大好き。

息子1号がまだ2歳の頃、初めてザクロをあげたら、黙々と一人で1時間半くらい、ザクロの実を一粒ずつほじくりながら食べ続けてくれて。

見た目が華やかなザクロ。こちらではよくサラダにも入っています。

ちょうどその時、台所を片付けながら夕飯の準備をしなければならなかったので凄く助かり、そうか!これからは子守はザクロにお願いしよう!と開眼。

今も子供達はザクロ食べながらTV見たり、お弁当にも入れたりします。

高級マンゴー食べ放題、ザンジバル島。

アフリカ、タンザニアのザンジバル島では、たまたま出会ったJICAで滞在している日本人の方がマーケットを案内してくれました。

その方が、
「日本で5000円位で売っている高価なマンゴーあるでしょ。あれ、ここだと毎日食べられるんだよ。こんな甘くて美味しいマンゴー、滅多にないから。ムユニっていうの。」

と教えてくれました。
その噂のマンゴーと一緒にランブータン、マンゴスチンを大量に購入。
確かにそれまで食べた事ない甘さのマンゴーで。

大晦日の夜に薄暗いホテルのベッドで一人で食べたフルーツ、味は極上でした。

ランブータン。タイでも食べた。これはアイルランドでは売られていません。
タンザニアのホテルの薄暗い部屋で一人大晦日に食べたフルーツ。食べた環境はイマイチだったけど味は最高でした。

ちなみに我が家のビニールハウスでは葡萄、外ではリンゴを育てています。
猛暑の今年、ビニールハウスはサウナのような暑さです。毎日水やりをして、食べ頃を家族全員で待っています。
数年前は葡萄でジュースやワイン、リンゴでシードルも作りました。
庭の新鮮な果物を食べられる日々もまた待ち遠しいです。

我が家のぶどうもまもなく食べ頃。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。