Staycation 2021

おはこんばんちは。飯塚です。

コロナで海外旅行が出来ない夏。
アイルランド政府もStaycation と名付けた国内旅行推しをしています。
(7月中旬からワクチン接種者または陰性証明があれば隔離期間なしで海外渡航が可能になりました)

そんな中、ボート修理業をする夫が手掛けたボートをお借りできるというまたとないチャンスをいただきました。

旅の楽しみ=食というのは日本人特有。

そう言えば、日本人は旅行から帰ってきた人に必ず聞く

「何食べたの?」

アイリッシュは聞きません。
アイリッシュは天気はどうだったか、何をしたの?などは聞きます。

食べ物のお土産もありません。

日本のご当地グルメや駅売店、サービスエリア、道の駅の充実ぶり、実は特殊なんだと思います。

世界旅でも日本のようなのを見かけた事ないですから。

地域によって気候や風土が違う、食に異常なまで貪欲な国民性、企業努力もあるからですよね。
私の夫は初来日時と、寿司修行で一年間日本に住んで、日本のご当地グルメ文化にはとても驚いていました。

北海道土産で夫が買ったカレー三種。これだから日本は素晴らしい!と大絶賛でした。

アイルランド屈指のリゾート地とはいかに?

今回行ったのは我が家から車で2時間のアイルランド内陸部にある湖。

この湖に停泊しているボートに泊まります。
夫によると、この湖水でホリデーを過ごすと、もう他には行きたい所などなくなるくらいの気分になるらしい。
ちょっと話盛りすぎてるんじゃない、それ。ま、本当かどうか確かめてみよう。

コロナ真っ最中な去年夏は日本に帰国できず、家族旅行なんて日本に帰国した2年半ぶり。

子供達も心底楽しみにしていたのです。

ボート内にはキッチン、トイレ、ベッドもあり、キャンピングカー的に使用できるという話。

荷物は着替えと湖遊びのウェットスーツ、水着、ゴーグル、バスタオル多め、バケツ、虫取り網。更にカヌー、オール、釣り道具、ライフジャケット、寝袋。

直前にボートのキッチン故障の連絡を受け、卓上コンロ。またプラスチックのお皿やコップ、塩、胡椒。朝ごはん用のシリアルも容器に入れて。

宿泊地からはスーパーもあるので食料は現地調達。

なんと外食も2年半ぶりな我が家。

朝ごはんを食べて荷造りして出発。2時間の道中、長時間ドライブが嫌いな息子1号が、いちいち

「あと、何分?あと何時間?」ってしつこい!

だから去年は国内旅行しなかったんだよ。
というか、この人連れて私たちよく日本とアイルランド往復したよな。

息子2号は1時間くらいは眠りました。

湖に着くと、いかにも観光地らしいレストランやパブが大賑わい。

ちなみにコロナでアイルランドは屋内飲食が出来ません。
今はカフェ、パブ、レストラン全てが屋外にテーブルを出して飲食エリアにしています。
(今週から屋内の飲食はワクチン証明またはコロナが治った証明があればできるようになりました)

天気が良くて良かった!目の前は湖で眺めも最高。

久しぶりの外食って、どれくらい久しぶりかというと家族4人の外食はたぶん2年半前に日本に行った時以来!

外食でとりあえずバーガーを頼むようになったらもうあなたもアイリッシュの仲間入り。

凄いな、これも。コロナで昨年からレストランは閉店しているのでその影響は確かに大きい。
ただ、幼い男児2人連れて外食しても落ち着かないからという理由で億劫になりがち。
最近はたまにお持ち帰りを家で食べたりはしているけれどたまには外食もいいよね。

子供達は嬉しそう。

食後は息子1号が来る途中に見かけたアイスクリーム屋さんでアイスクリームを食べたい!と。

いいじゃないか、たまには贅沢に大きいアイスクリーム食べたいね。
ホリデーだし。

ちなみに3歳息子2号はアイスクリームが好きじゃない。
前は兄貴が食べてたら自分も欲しがっていたけど、最近は本当に食べなくなり

「I hate ice cream !」
とはっきり拒絶。

行く前は毎日外食するかと思っていたけれど、結局外食は初日と3日目の夜の2回だけ。

後はボートで自炊というかゆで卵してハムやサラダとサンドイッチがランチ。
夜もパスタ、インスタントラーメンを食べて終了。

私もアイリッシュになりつつあるな。
こんな食ならば、旅で食べたものなど聞かないし話題にもしない、と納得しました。

こんなパスタでもこの空間で食べると極上の美味しさ!

カヌーのトラウマを克服。

2日目は朝ごはんを食べたら、エネルギー有り余る子供達と夫はそのままカヌーで近隣探索へ。

私はカヌーの三人衆と会えそうなポイントまで食後の散歩に。

町の中心部近くの橋を夫と子供達が歩いている。
ズボンが濡れてしまった息子2号はカヌーにもう乗りたくないと言い出していたらしく、ちょうど困惑していた夫は私の姿を見て安堵。

そのまま歩いてボートに帰りました。

実は3月に我々のカヌーは転覆したことがあり、息子2号はそのトラウマが残っていました。

しかしこの後、午後と夕飯後と一日3回カヌーに乗ったことで恐怖心をすっかり克服できた様子。

3日目も朝と晩、4日目の朝も帰る前にカヌーに乗って景色を楽しみました。
鴨や白鳥や魚をたくさん見たよー!と大興奮。
よかったよかった。

ラグジュアリーなボート生活。

ボートで寝泊まりする、ということが男児達には楽しいイベント。

去年も今年も近場でキャンプはしたけど、それ以上にボート泊は非日常。
しかもうるさい子供達がいるので家族だけというプライベートさに私たち大人もリラックスできる。

メインベッドルーム。一応ダブルですが日本人なら3人か4人は寝られそうなゆったり空間。

ベッドルームは2つに分かれていて寝心地もいい。
キッチンは壊れているし、トイレも実は途中で壊れてしまい流れなくなったけれど、停泊場の公衆トイレやシャワーが清潔だったのでそれほど不便さもなく。

2日目、ボートで湖へいよいよ出航したときの子供達の興奮ぶり!
いつも釣りで乗る我が家のオンボロボートとは勝手が違う。
お天気も上々。

景色も最高。

ボートの地図やレーダー画面を見ながら運転する夫。

ちなみにこのボート、いわゆる船舶免許は不要らしく、私でも運転していいらしい。

って本当にー?
いやいや、無理ですよ。
湖の真ん中ならともかく、超高級ボートがズラリと並ぶ狭いボートヤードでハンドル握る度胸はなかったです。

湖畔の美しさも素晴らしい。

海の近くに住む私たち。
水には慣れ親しんでいるけれど、湖畔の雰囲気はまた海とは全然違ってこれもまた素晴らしい。

湖畔に並ぶ超高級住宅。

アイルランドの有名なスポーツ選手の邸宅などがあるそうです。

自家用ボートを泊め、美しく刈られた芝の広い庭。大きな邸宅。

そうか、お金持ちはこういうお宅に住むんですね〜。

友達呼んでパーティ三昧な人生送るんだろうなぁ。

6歳の息子1号も
「あんな家最高!僕も住みたいな〜!」
そうだねぇ。君、将来大物になって稼いでくれよ。

湖の真ん中ではボート3艘くっつけて船上パーティしている人たちもいましたよ。
コロナで大人数パーティできない昨今。

ボート3槽つけてパーティしてました。

お金持ちはこうやってこっそり、しかも盛大にパーティしてんのか。
庶民は一生知るよしもない、そんな彼らの日常を垣間見たりして。

子供達の一番の楽しみ。

幸運なことに初日の夜以外は毎日晴れでした。

2日目は一応小さな村に一旦停泊し町を散策したものの、停泊場の公衆トイレが汚い、ボートの充電ができない、町自体に何もない、という理由から元の停泊場に戻り、結果毎晩同じ場所に。

そもそも子供達は昼間にボートが動いていれば機嫌いいし。

3日目は前日と違うルートに行き湖の真ん中に止めてみました。
海と違い湖は波が無くて静か。

突然、小さな水色のトンボがボートに飛んできた。

私達の生活圏でトンボは殆ど見かけない。
虫好き男児達、大騒ぎで虫取り網でトンボ取りに興じ始める。

小さな水色のトンボ。何度も捕まえては放してそれが一番の遊び。

陸から飛んできたトンボはちょうどボートに止まりたいらしく、何匹もひっきりなしにやってくる。
捕まえては放し、の繰り返すこと数十分。
後から子供達に聞いたら、この旅でトンボ取りが一番楽しかったらしい。

このトンボをペットにしたい!と言ってはいたけれど、連れて帰ったら死んでしまうよ、と諭し、とりあえずこの時に思う存分トンボと戯れたのでした。

一応釣りも試したけれど何も釣れず。

一応この停泊で、夫と息子1号は湖に入ってみたけれど、水は震えるほど冷たかったようでただ一瞬水に浸かってみただけで終了。

不便さも旅の醍醐味です。

2日目の夜、寝る前に愚図る息子2号。
疲れているのとTVが見たいらしい。

本当はこのボート、Wi-Fi繋げたらTV見られるらしいけど、敢えてやり方を聞かなかった。
たまにはTVデトックスもいいんじゃない?が夫婦の見解なのでした。

息子2号は泣きながら
「I want to go home!! I don’t like boat!! 」
やれやれ、さっさと寝ろー!と思ったけれど。

翌朝、目を覚ますと子供達は上機嫌。
息子2号、満面の笑みで
「I love this boat, I hate house !! 」
って、また極端だな。
昨日帰りたいって言ってたのに。

行く前は4泊または5泊してもいいかな、なんて言ってもいたこの旅行。
ただ、トイレが壊れている、とか洗濯物どうしよう、とかやっぱりボートの狭い空間で家族4人がずっといる窮屈さもちょっと感じたりして。

結果3泊4日にしたのでした。

子供達は少し名残惜しそうだったけれど、しっかりホリデーを楽しんだ満足感もあったみたいでさほど反対もされず。

家に着くなり、早速TVに直行!また広い我が家の快適さになんとなくホッとする自分もいたり。

ボート生活は最高に楽しかったけれど、エネルギー有り余る男児達にはこの家のスペースが必要なんだなぁ。

ここにきたら他に行きたいところがなくなる、とまでは言わずとも、年に一度こんな休日を過ごせる人生は素敵だな、と家族全員すっかり虜になりました。

アイルランドに住んで8年、初めて知った素晴らしい場所で楽しい休暇を過ごしました。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。