書きたいのは山々ですが、
記事を書くのは山を登ることと似ています。
振り返ってみると、あぁ一緒じゃないかと納得してしまいました。
山は天気が変わりやすいから、快晴でもしっかりした装備を持っておくだとか、かなり明るいうちに行動を終えておくというのが鉄則です。書くという仕事も同じで、山の天気よりも変わりやすい、エラい人の一声で企画の趣旨が変わったりすることも。そんな時でも、詳細なメモやら文字起こしがあれば一安心。早めに書きあげておけば、修正や微調整も余裕を持って対応できます。
時間に関していうと、取材と次の取材の間を空けるのがもったいなくて、つい埋めてしまうというのが僕の悪癖でした。車を飛ばせばギリギリ間に合う。先の取材を30分で済ませられれば大丈夫。そんな時に限って時間がかかるわけです。その結果、いつも時間に追われていました。予定の時刻に間に合うように祈りつつ、ドキドキでした。
これが山だと、あんまりタイトに予定を組むのはよくないと、すんなり納得できてしまいます。常に休みなく全力で行動していると、体力がもたなかった時に目的地に到着できないから、余裕をもって行動しようとなるわけです。
誰かが体調を崩したときに荷物を持とうだとか、水が足りなくて倒れている人にわけられるように、水を余分に持っていこうだとか、妙なところに気を遣います。
本質は、なにかイレギュラーなことが起きたときに対応できるように、時間に余裕をもたせようということです。その点では同じはずなのに、仕事のときは分かっていなくてギリギリだったわけです。
ある日、ボーッと考えていたら、あ、これ一緒だ。ということに気付けたら、普段の予定も少しゆとりを持って組めるようになりました(当社比30%改善)。
必ずしも頂点に立つことが全てではないという点も似ているかも。強風が吹いて、真っ黒な雲が近づいているのに、山頂を目指す人もいますが、大事なのは無事に山から帰ることです。きちんと終わらせることが大切です。書くという仕事も同じです。時間的な制約を無視して原稿の質を高めたところで、それは独りよがりというもの。
難攻不落の北壁を何度もアタックして登るというのもいいですが、ここでダメなら撤退する。そんな割り切りも必要です。予定の時間に帰ってこないと、みんなが心配します。それは締め切りを守れないと、周囲がハラハラするのと同じです。100%の努力をして、結果は求めていたものの、70%だとしてもいいのです。無事に終えて、また挑戦すればいいのですから。
と、いい話ふうにまとめてみましたが、本当は来週が僕の出番と勘違いしていて、掲載前日の夜になって書き始めたのでした(汗)。
うっかりによるアクシデントがあっても、大切なのは締め切りを守ることです。あれこれ書きたいのは山々なのですが、それはまた別の機会に。悩む時間すら惜しむには十分なうっかりだったのです。でも、これでいいのです。と、ここまでの文章全てが自分を納得させるためのものだったのです。
言い訳を終えたところで、今回もお疲れ山でした!